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第64話 使徒らしい(メマの)

 閉店した店の中、俺達はメマ《《達》》を中心に円を囲むかの様な形で座っていた。



「たのしいねーっ!」

 ーーー。

「で? 何なんですか? これは?」

「……まぁ、その、指導者さんが言うにはメマの使徒らしい」



 俺達の視線の先にはメマと楽しそうに動く木の人形が居た。

 指導者さんは魔力が尽きると、姿を消して魔力の回復に努める為、夜は基本動かない。なので今回は俺が珍しく説明するという立場になっているのだが……なんか優越感。



「しと? しとって……あの使徒か?」

 ぷる?

 モォ〜



 凪さんがエースさんとぎゅーさんに包まれながら凄んで来るが……そんなアホな姿じゃ威厳も何もないな。



「まぁ、その使徒だ」

「……そうですか」

「あの子も凄いんだ……ふふ」



 ……おい、涎が垂れてるぞ。



「それで……その使徒は結局どういうものなんですか?」

「召使いみたいなものらしい。メマの言う事しか聞かないから、まぁメマの遊び相手程度に思ってれば良いって」



 俺は指導者さんから聞いた事を伝える。伝えると比奈は安心したかの様に肩を落とした。



 まぁ、神の使徒って言われれば何かあるんじゃないかって緊張するもんな。東京に扉も開いた事だし……分かる分かる。



「それじゃあお店に来る人にはなんて教えるんですか?」

「……基本は畑とかに居て貰うか。で、バレたらメマの人形って事でなんとか……」

「それ……なんとかなりますか?」

「………何とかするしかないだろ」

「ですよね……」



 俺達は戯れるメマと使徒、エースさんとぎゅーさん、そしてその中心で悶える凪さんを見ながら、これからの事について胃を痛めながら見守るのだった。


 __________



「で? どうなった?」

「クロさんは全治1ヶ月、あの店の妨害は上手く行っている様です」



 組織の建物の中、俺は深く椅子に腰掛けた。祭りが終わって直ぐやったにしては上々な成果だ。

 クロの怪我が早く治るんだったら一緒に話をつけに行けたんだが……まぁ、良い。



「予定通り、今夜行くぞ」

「はい。店の場所も確認済みです。メンバーは10名……でよろしかったんですか?」

「あぁ?」

「大半が女子供しか居ないのにこんなに行く必要はないんじゃ……」

「バカやろう。直接会った俺でさえ考えも何も読めなかった………祭りで俺達の資金集めを邪魔して来た+クロがやられたとなれば相当な切れ者だ。容赦せずに一度で終わらせてぇ。やられた分はやり返す。それがクロの為にもなる。頼んだぞ」

「は、はい!! 準備します!!」



 最初は少し調べる程度だったんだがな……手を出して来るとなったら話は変わる。



 ま、これならウチの面目は立つだろう。



 俺はそう思いながら、部屋にあるソファに移動すると、横になり目を瞑るのだった。



 __________



「この先にあるのが野郎共の店なのか?」

「あぁ」



 田舎の一車線。そこに2台のハイエースが停まっていた。その影に隠れる様に、10人の男が坂の上を見上げている。



「こんな田舎に住んでいる様なヤツにクロさんがやられたのか? 信じられねぇな」



 1人のリーダーらしき男が呟く。すると隣にいたもう1人の男がそれに首を横に振る。



「ボスが言うには油断しないでやって来いとの事です。ボスの中でも評価は高いのでは無いかと……」

「はぁ……まぁ、取り敢えず店を営業出来ない様にやれば良いんだろ?」

「はい。そうすれば相手も誰に手を出したのか改めて理解出来るとのお達しです」

「よし……行くぞ」

「「「「「はい」」」」」



 男達は舗装された田舎道を通り、店の土地前で立ち止まり様子を伺う。



「話とは違うな……建物が増えている」

「従業員の家でしょうか……家を襲うのも悪くは無いですね」

「……今回は指示通り店をやりに行く。変な事をやってしくじりたくないからな」



 男達は誰も居ない事を確認して、店へと近付く。周りがデカい木に囲まれた店。しかも田舎で住宅から離れていて壊すには最適だって話だった。



「作戦は変更だ。壊すのは全部から、重要な部分だけだ」



 リーダーからの言葉に各々が首を縦に振る。それぞれが店の周りに付き、最後に店内を確認した……そんな時ーー。



「……何だあれは?」



 男達の目に映るのは1人の女性。

 暗くも目立つその銀髪は、どこか鳥肌が立ちそうな恐怖さえ感じる。

 そしてリーダーの無線から聞こえて来た言葉に、全員が動きを止めて店内を覗き、またも動きを止める。


 メイド服? 何でこんな時間に? いや、それよりも何で黙って立っている?


 目を閉じて、動きもしない。まるで生きてすらいないみたいだ。だからと言ってやらない訳にはいかない。



「……作戦は続行。中の女は俺がやる」



 リーダーが言った瞬間だった。



『良いんですね?』

「っ!!?」



 女が突然目を開け微笑み、リーダーと目が合う。


 ヤバい。



「作戦は失敗だ! 撤退!!」



 自分の長年やって来た感覚が解放を鳴らし、リーダーは直ぐ様に無線で皆んなへと知らせる。


 しかしーー



「撤退だ! おい!! 聞こえてんのか!?」

「………」



 誰からも返事が返ってこない事に、リーダーは大きく舌打ちをする。


 まさかやられたのか?


 不測の事態、味方との連絡なし……自分だけでも生き残るべきだと車へと戻ろうとした時。



 ーー何かが、ある。



 振り返ると人では無い、まるで人形の様な小さな物がそこにはあった。暗くて詳細にはよく分からない物がそこにはあった。


 さっきには無かった。



 ーーー。

「! な、何だ!?」



 日本語でも、英語でも無い言葉にリーダーは動揺する。



 そして人形の周りの地面。そこから何本もの太い触手の様なものが飛び出し、蠢く。



「何だってんだ……」



 リーダーの視界はその触手に覆われ、意識を失うのだった。

「面白い!」

「続きが気になる!」

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