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銀の君主  作者: ひよこ豆大佐
第1章 勇王国編
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9話 報告

 飛んでる状態で街に入ることはできない。門でカードを見せなければどんな者でも入れない(らしい)のだが、見た感じ女達は何も持っていなかった。

地面に降りてそのままペガサスに馬車をひかせて門へ向かう。


「おい!そこで止まってくれ!」


 門兵が近づいてきた。俺は馬車を止めて馬車から降りる。


「カードを見せてくれ」

「ほら」

「C+……その馬車は依頼に関することか?そのペガサスはなんだ?」

「馬車自体は依頼には関係ないのだが、依頼先の森でゴブリンの集落を見つけてな。そこに捕まっていた女達を馬車に乗せて空を飛んで来たんだ。できれば女騎士とギルド職員を呼んできて欲しいんだが、頼めるか?被害者達は身分証を持ってなさそうだから、ギルド職員に報告をして何とかしてもらうつもりだ。俺達はここで待ってるから、頼む」

「わ、わかった。すぐに呼んでくる。女騎士とギルド職員だな?それから治療師も呼んできた方がいいだろう……ちょっと待っててくれ!」


 なぜ空から来たのか、どこから馬車2台をどこから出したのか、とか聞かないんだな。今日はよく待つな……。


 しばらくすると、門兵が騎士を連れて戻ってきた。セミラスさんも一緒だ。


「メナス様!ご無事でしたか……被害者の女性たちは騎士団の方で一時預かることになりました」

「馬車はどうします?ペガサスは俺の召喚獣だから渡せませんが、馬車の中にいるのは全裸にタオルを巻いてる女です。服を持ってきてるわけじゃないなら馬車のまま移動させた方がいいと思うのですが」

「馬車をお貸しいただけるのであれば、馬車はそのままでお願いします。馬はこちらで用意致します。メナス様はゴブリンの集落に関する詳細をお願いします」

「話せることはそう多くはないのですが、森に入ってオークを探しているとやけに多くのゴブリンに遭遇しました。多すぎておかしいと思ったので探知魔法を広げてみると、1000を超える魔物が一定の範囲に集まっていました。その時点で集落と分かったので、オークを討伐した後に集落の殲滅に向かいました。無数のゴブリンに対し、範囲魔法で一掃しようとしたら【マップ】に人族の反応があったので巻き込まれないように別の方法でゴブリン共を殲滅しました」

「あの女性たちは……?」

「人族の反応が1箇所に集まっていたのでそこへ向かうと……ゴブリンの苗床にされていたと思われる女達がいました。腹の中にいたゴブリンの子供は《空間》の異能で腹の外へ転移させ、転移と同時に治療をしました。戦えない者を複数人連れて森の中を動くのは危険と判断したため、創造魔法を使い場所を創りペガサスを召喚。空を飛んでここまで戻ってきました。《空間》の異能でまとめて転移してこなかった理由は女達の身体を隠す物がタオルしかなかったからです」

「報告は以上ですか?」

「はい」

「いくつか質問があります。ゴブリンの集落にいた魔物は全て倒しましたか?また、ゴブリンの集落に他の人族の方はいませんでしたか?」

「集落にいた魔物は倒しましたが、集落の外にいた増えすぎたゴブリンは放置してきました。女達の救出が優先と判断したためです。念の為、集落の建物を全て見てきましたが他に捕まってる人はいませんでした」

「そうですか……残りの魔物を倒すための冒険者は我々が集めますので、メナス様はギルドへゴブリンとオークの討伐の証を提出してください」

「分かりました」


 「様」って付けなくてもいいのにね。


「すいませ〜ん、セミラスさんに言われて討伐証明をしに来たのですが。どこに出せばいいですか?」

「ギルド右手の解体場へお願いします」


「討伐証明に来たんですけど、出していいんですか?」

「おう!ここに出してくれ!」

「まずはゴブリンの集落の分を出すので少し下がってください。量が多いので」

「集落!?わ、わかった」


 解体場のおっさんが下がったのを確認すると、アイテムボックスを開き、通常ゴブリンの耳と魔石を出した。上位種はそのまま出す。


「うおぁ!?すげぇ量だな……ロードの死体もあるじゃねぇか!!」

「俺が受けた依頼の方はゴブリンの素材の精算が終わったら出しますね」

「わかった……おい!お前ら!ゴブリンの上位種の解体をするぞ!!」


 俺は帰っていいのかな。受付に戻るか。


「ゴブリンの集落の方は出してきましたが、忙しそうなので俺が受けた方の素材は明日持ってきます。今日は帰っても?」

「はい、ギルドマスターへの報告もして欲しいところですが。お疲れと思いますのでまた明日ギルドへ来ていただければ」

「それでは、また」


 あ、金がない……。森で一晩過ごすか……。

午後の投稿は気分で変わります

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