6話 消えた異能
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「メナス様、試験は合格になりますがメナス様の得意属性である水だけ、使えるかの確認をさせていただきます」
「ん、わかった」
属性を聞かれたから水って答えたけど、本当は氷なんだよな〜……。まぁ、大きな括りで言えば水だし、水魔法も使えるし……いっか!
「こちらの的に向かって魔法を当ててください」
「質問しても?」
「どうぞ」
「属性を聞かれたから水と答えたけど、魔法限定なの?スキルとか異能にも水属性ってあるはずだけど(俺は水系のスキルも水系の異能も使えないけどな!)」
「得意属性というのは基本的には魔法の得意属性のことを指しています。魔法が使えない場合はスキルや異能でも構いませんが?」
「いや!魔法でいこう!(焦)」
「それでは準備を終えたらいつでもどうぞ」
準備することなんて特にないが。俺は手を前方に向けて、発動する魔法をイメージする。そして、
「『ウォーターランス』」
5本の水の槍が現れ、1つの的へ……撃とうとしたのだが1本の槍で十分な気がした。なので残り4本は隣の的へ。全部で的が7つあったから7本出せばよかったな。5本の槍は的の中央へ突き刺さり、5つ全ての的を破壊した。
「無詠唱……それに5つ同時だなんて……威力も高すぎる……」
何やら受付嬢さんが驚いているが、威力は俺の魔力強度の高さと熟練度の問題だとしても複数本は魔力制御の問題だし、詠唱に至っては使ってるやつの方が珍しいんじゃないか?
「そんなに驚くことなのか?中級魔法だぞ?」
「中級だとしても5本同時に放つなんて普通ではありません。威力はスキルの補正や魔力強度だとしても、です」
「んー……そうなのか……無詠唱にも驚いていたようだが、詠唱を使ってるやつの方が珍しくないか?」
「確かに、無詠唱の方も少なくはないのですが、少なくないと言うだけで多くもないのです。それに詠唱使用者の方が珍しいなんて有り得ません。完全詠唱を使う方が魔法使い全体の5割、詠唱省略まで達してる方が3割、無詠唱を使える方は残りの2割と言ったところですね。とは言っても、無詠唱を使えると言うだけで実戦レベルの無詠唱による速射が出来るのは勇王様や宮廷魔道師だけです」
……そんなに少ないのか。200年前の奴らがイカれてただけなのか、それとも今の時代の奴らはレベルが低いのか。
「そうなのか……俺の周りにいた奴らがおかしかったんだな。無詠唱は基本中の基本だと思ってた」
「いつの時代の方ですか?」
200年前です!
「メナス様の水魔法の実力は分かりましたので、これにて試験を終了させていただきます。受付に戻り、手続きを致します」
使える異能次第でランクアップできるんだよな。今使える異能は…………ん?あれ?《空間》と《憤怒》はある……《聖王》が……無い!?え?え?え?異能って無くなるのか!?王の異能は自身よりもその異能に対して高い素質を持つ者に移ることはあるが、元○王となるはずだ。それが無いってことは……消えた?異能が消失するなんて聞いたことないが……。いよいよ、俺が聖王であることの証明ができなくなったな。
「メナス様?どうされましたか?」
「あー、いや、何でもない」
「そうですか?」
受付に戻るとエリーゼが待っていた。
「メナスさん!試験はどうでしたか?」
「問題なく合格だったよ。帰っても良かったのに待っててくれてたんだな」
「当然です!結果も気になってましたし」
「第3王女様、メナス様の登録手続きに入りますので暫しお待ちください」
「あ、そうですよね」
「それではメナス様、こちらの水晶に手を置いてください。……犯罪歴は無し、と。ギルドカードには冒険者ランク、名前、種族、適正属性が表示されます。ご本人様にだけ、異能も表示されますのでランク上げの申請をする場合には異能を表示するように念じてください。見せたくない異能は表示させなくて結構です。その場合、生産系のみ表示されていると異能の格にもよりますが、ランクが上がらないこともあります。ご了承ください。」
ランク:F
名前:メナス・ハルファール
(他者には「メナス」とだけ表示されています)
種族:野良神(魔法神、闘神)
適正属性:火、水、風、地、光、闇、無
異能:《聖王(封印)》《空間》《憤怒》
《聖王》あったぁぁぁぁ!!!!……ん?封印?
明日から土日なので
たくさん書けるかも?