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銀の君主  作者: ひよこ豆大佐
第1章 勇王国編
19/23

19話 報酬とランクアップ

 夢か……。俺からしたら割と最近の夢なのだが、あいつらからしたら昔の話なのかもしれない。助け合う……か。『憤怒』が無ければピンチだったが、呼んだ方がよかったのかな。ノアが見せたがってた物は何だったのかな……。ギルドに行くか。


「おはようございます。セミラスさん」

「メナス様!お目覚めになりましたか!」

「一晩しか寝てませんが、体の疲れは消えましたね」

「一晩?いえ、4日間ですよ?」

「ほぇ?」

「スタンピードが終わってから4日経っています。相当お疲れのようでしたが、疲れは消えたようで」


 4日か。そりゃ、疲れも消えるわな。


「メナス様、報酬の件なのですが。無数とも言える素材を一度に出すのは控えていただきたいのですが……少しずつ買取させていただけませんか?」

「構いませんよ。解体場が埋まってしまいますからね」

「申し訳ございません……。では、侵略者(アグレッサー)討伐の報酬についてお話がございますのでギルドマスターの部屋へ」

「分かりました」


「ギルドマスター、メナス様をお連れしました」

「入ってちょうだい」

「失礼します」

「おはようございます」

「やっと起きたのですね。ヴォルフ達は翌日に来たのに、聖王様は3日経ってもいらっしゃらなかったので何かあったのかと」

「ただずっと寝てただけですね」

「そこまで疲労が?」

「《空間》は対して役に立ちませんでしたし、《憤怒》は低位魔神が出てきてから発動させたので魔神獣戦はスキルと魔法を駆使しましたから。この体は本体ではないですし、他の王と違って種族進化もしてないので《聖王》無しだと疲労が酷いですね」


 《銀王》については伏せておく。そもそも7つしか無いと思われていた王の異能、1人の王につき1つと思われていたものが2つ所持していることが公になれば全王国での戦力バランスが崩れる。《銀王》と《聖王》を使ったところでクルトゥヴァールには勝てないかもしれないので、気にするだけ無駄なのだが……。


「スキルと魔法のみで魔神獣を倒せるものなのですか?」

「種族を魔法神に変更した状態で【闘神化】、【魔力闘法】を乗せた『王剣』と、魔法でゴリ押しました」

「神が付くスキルと『王剣』ですか……。よくその体で『王剣』を使う気になりましたね。森の状態を見る限り、極級魔法を使ったと思われるので【闘神】』と極級魔法を使ったことによる疲労ですか」

「よくあれだけを見て極級魔法を使ったって気づけますね」

「魔神獣は魔法で消し飛ばしたにしても、低位魔神は何で倒されたのですか?」

「《憤怒》と【闘神化】を使った状態で種族を闘神に変えて『王剣』で斬りました」

「低位とはいえ、魔神を物理攻撃で倒したのですか?いくら闘神化していても種族が闘神状態であれば、全ての攻撃は物理攻撃になりますよね?闘神化した意味が……」

「身体強化と物理最強ですね」

「……力の使い方が下手…………」

「わざわざ物理で戦おうとするのは物理特化故の性なのか、頭が悪いだけなのか」

「辛辣ですね」

「以前のムラクモであっても、魔神相手に物理で戦おうとはしなかったでしょうね」

「精神生命体を相手に物理攻撃を有効化させたのはムラクモが最初だったはずだけどね」

「はぁ……」


「倒し方については分かりました。魔神討伐報酬なのですが。聖王様が眠っている間に各国のギルドマスターと連絡を取り、元々決まっている低位魔神討伐報酬に合わせてランクアップさせることになりました。低位魔神討伐報酬は白金貨70枚、ランクはS+になります」

「中位魔神を倒さないとSSにはなれないのか〜」

「いえ、今すぐ上げられるのがS+までと言うだけです」

「?」

「聖王様には現勇王様との謁見と褒賞授与の(のち)に神王国にある冒険者ギルド本部へと行っていただきます。本部に着いたらこちらの書状を受付へ、SSランク申請書でございます」

「本部は神王国にあったのか」

「メナス様。勇王国にいた時間は短かったですが、本来の目的は神王国に行くことですのでちょうど良いですね。神王様に会えるかも?」

「ゼファーには会いたいけど、サクヤには会いたくねぇな」

「人神サクヤですか……。サクヤも戦闘狂ですからね。前線向けじゃない異能の聖王様に自衛用の剣を教えていた頃は良かったのですが、その後が酷かったようですね」

「スパルタ神サクヤだな。冒険者としては濃密な数日だったけど、また来ればいいからな。今度はマクファーレンを連れて案内させよう」

「そのためには聖王国に戻った後に冥王国へ行かねばなりませんね。『封印』について聞かねばなりませんし」

「おっと、そうだったな」

「忘れていたのですか……?」

「ソ、ソンナコトハナイヨ?」

「……」

「色々と忙しかったから……」

「まぁいいですが」


 冥王国に着いたらノアが見せたがってた物を見せてもらうか。守護者に会うのも楽しみだが、ノア達に会うのも楽しみだ。強くなってんだろうなぁ……。


「謁見と褒賞については、後日連絡致します。エルナが念話を送りますので」

「念話……。そうだよな、念話があれば狂化したドラゴンロードのこともすぐに……」

「過ぎた話です。スキルの数が多いのですから、使い忘れることもあるでしょう」

「まずは白金貨70枚をお渡しします。お確かめください」


 神王国へ向かうための資金を与えるために、魔神は来てくれたのかもしれない。来なくてよかったが。


「ちょうどですね」

「では、受付へ行きランクを上げましょう」


 受付まで行く時にマーリンも一緒に来た。


「侵略者討伐にあたり、メナス君のランクをS+に上げます。おめでとう!」

「ありがとうございます!」


「「「「おお!!!!」」」」


 初登録時の比にならないほど、ギルド内がザワついた。騒がしかったギルド内はマーリンが来たことにより静かになったが、ランクアップを宣言するとまた騒がしくなった。


 ランク:S+

 名前:メナス・ハルファール

 (他者には「メナス」とだけ表示されています)

 種族:野良神(魔法神、闘神)

 適正属性:火、水、風、地、光、闇、無

 異能:《聖王(封印)》《空間》《憤怒》



次回をお楽しみに!

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