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銀の君主  作者: ひよこ豆大佐
第1章 勇王国編
14/23

14話 封印の謎

「報酬の受け渡しはもう済んだはずでしょ?」

「何を話していたの?」

「我々の長年の探し人が見つかったので、つい話し込んでしまいました」

「探し人って……聖王様が見つかったの!?」


 !?


「ギルドマスターはセミラス=エルナさんって知ってたの?」

「私だけが協力者無しに探してるわけないでしょう?」

「エルナが突然受付嬢にして欲しいって言ってきたときは驚いたわ……メナス君って同じ名前の人じゃなくて本人だったのね……以前は話したことはありませんでしたが、私は勇王国 王都ギルドマスター 兼 勇王国魔法士団団長 マーリン・メスポリアでございます。当時はどこかに飛ばされたと聞いて驚きましたが、ご無事で何よりです」

「ほぇ〜……メスポリアって姓のことだったのか……姓は聞いたことなかったな」

「なぜマーリンがギルドマスターをやってるか、については聞かないんですね」

「んー……隠居しようとしたら止められた、とかじゃないのか?」

「隠居……まぁ隠居であってますね……冒険者になって旅をしようとしたら、陛下に「ならギルドマスターにしてやる」と強引にギルドマスターにされたのです。ギルドマスターも冒険者ではありますが、また仕事の日々です……」

「陛下ってランゲルツ殿か?」

「マクファーレン王です」

「あー……ジジイの方か」

「あの方をそんな風に呼ぶのは、さすが聖王様ですね。他の王……冥王様と竜王様も聖王様と同じ呼び方ですが、なぜ守護者達は注意しないのか……」

「昔は注意していたのですよ。呼び方を直さないので諦めました」

「ジジイは人間だから死んじまったんだろうが、他の王は全員生きてるのか?」

「はい、他の方は無限に等しい命ですから」

「マクファーレン王も亡くなりはしましたが、転生を繰り返してまだ生きていますよ。今は冥王国にて、ムラクモと修行しているそうです」

「転生者同士、意気投合したのかな」

「どちらも武人兼戦闘狂ですので、強き者と高め合いたいのでしょう」

「生きてんのか〜……」

「嬉しいですか?」

「別に……」

「ニヤついてますよ」

「……」


「2人はこれからどうするおつもりで?」

「メナス様は人間界を楽しんでから戻るそうなので、私も勇王国にいる間はサポートを。勇王国を出るときにはついて行きます」

「しばらくはこの国にいるってこと?」

「そうだな、冒険者ランクがどこまで上げられるか試したいし」

「ふふふ。聖王であることを公表すればすぐにSSランクになりますよ」

「今の俺は《聖王》の異能を使えないからな……難しいだろ」

「は?使えない?」

「水晶ある?情報を全部開示するから見てみな」

「持ってきます」


 エルナさんはすぐに戻ってきた。


「こちらです」

「じゃあ、はい」

「「……」」

「封印……ですか」

「なんでこうなってるか分からないんだけど、使えなくなってたんだよね。気づいたら」

「封印……異能を封印できる者と言えば、冥王国のソルオーンしか……」

「あー……ソルオーンか……確かにあいつなら、というかあいつとノアの力なら王の異能すら封印できそうだな……」


 「王の異能」とは3〜5つの能力を持つ異能だ。ノアの《冥王》には「融合」「貸与」「絆」がある。他にもあるのかもしれないが、俺は知らない。「貸与」と「絆」は全ての王の異能が持っている能力だ。その2つに加えて固有能力があるため、最低3つの能力となる。「融合」を使えばソルオーンが持つ《知恵》の異能を「絆」と融合させることで配下の持つ異能をノアに集約し、異能同士の融合、強化が可能となる、らしい。何らかの異能とソルオーンが持つ『封印』を融合させ、強化した異能で俺《聖王》を封印したのだろう。


「なぜそんなことをしたのかは分からないが……」

「理由については本人に聞けば良いでしょう」

「そうだな……現状、俺は困ってない。と言ったらステラ達に怒られそうだが、スキルと《空間》《憤怒》があればある程度のことはできるからな」

「そうですね、いざとなれば魔神に備えて鍛えた我ら守護者の力がありますから」


「話は変わるんだけど、スタンピードの件。聖王様が冒険者としてこの国で過ごすなら、協力してくださるのですか?」

「あぁ、そのつもりだ。《聖王》の異能が無い状態で、俺の力が200年後の世界にどれだけ通用するのか気になるしな」

「そうですかそうですか!それはありがたいですね!あなた様の魔法があれば冒険者達の被害は減りそうですね!」

「マーリン1人でも何とかなるんじゃないか?魔法士団の団長なんだろ?」

「「……はぁ」」

「?」

「ヒュリンゲルも言っていましたが、魔法特化の我々よりも物理特化の聖王様の方が魔法の力が強い……にも拘わらず、我々の方が「魔法が上手いんじゃないか?」と言われるのは腹が立ちますね……」

「え」

「メナス様の魔法力は理不尽だと思いますよ。あなたに魔法で勝てるのは神王様と精霊王様だけでしょう」

「あいつらは魔法特化な上に王の異能で底上げされてるからだろ」

「あなたは物理特化なのですが。本来、魔法は苦手なはずなのですよ。全ての世界でトップクラスの魔法力を持つ物理特化なんて、理不尽以外の何ものでもないでしょう」

「ちゃんと教育して欲しいものね、私とヒュリンゲルは腹が立つ程度で済むけど。神王国と精霊王国の魔法士団長の前で言えば、激怒されるでしょうね」

「今後は気をつけるよ……」

「そうしてください」


 物理特化が魔法特化に魔法で勝つのは怒られることだったのね。そんなことを思っていたら、突然ドアが開いた。


「ギルドマスター!!森に異変が!!!低ランクの魔物たちが森の外へ大量に出てきました!!」



次回をお楽しみに!

午後よりも午前の方が安定した時間に投稿できるので7時です。何度も変更してすいません

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