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プロローグ

「お前との婚約は今ここで破棄する!!」

 王子の声が広いホール一杯に響き渡った。

 今まだ華やかに奏でられていた音楽もピタリと止まり、ホールは静寂に包まれる。

 舞踏会に参加しているすべての人々の視線が中央の王子たちに釘付けになった。


 王子の横には子爵令嬢が、そして二人を取り巻くように宰相の息子、枢機卿の息子、宮廷魔術師の息子が、…そして一歩前に彼らを守るように両手を広げて騎士団長の息子が立ちふさがる。


 そしてその前には顔色をなくした悪役令嬢とその取り巻き達が立ちすくんでいる。

「お待ちください、王子様。いったい私に何をおっしゃっているのでしょうか。悪いのはその女です。その女とその口車に乗っているあなた達こそ国を亡ぼす悪魔です」


 ◇◇◇◇


 さあこれで全てのルートはコンプリートだ。

 逆ハーエンドで、隠れキャラもコンプリート出来た。父さんが帰ってきたら見せて自慢してやろう。


 私はコントローラーを置いてペットボトルに口をつける。一息つくとベッドの上で大きく伸びをした。

 何やら廊下でドタバタと音がして、人の声がして響いて来た。

 気になって病室のドアに目をやると、引き戸の扉が開き緊張した顔の看護師さんが顔を出した。


「白石冬海さん、緊急手術です。あなたの心臓のドナーが見つかりました。お父様も了承済みです。今から手術室に向かいます」

 看護師さんは震える声で私にそう告げた。

 呆然とする私を尻目に、入室してきた主治医の先生と看護師さんたちがテキパキと準備を始める。


「ドナー? ドナーの方はいったいどういう方なのですか?」

「それは術後にお話しいたします。いまは手術の成功だけを考えて…。ドナーの方の為にも絶対にあなたは元気にならなけりゃあいけないんですから…」

 少し涙声の看護師さんの声に励まされて私は手術室に向かった。

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