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【完結】くじ引きで竜帝国の皇太子妃に選ばれてしまった  作者: 夕凪 瓊紗.com
竜帝陛下と盃編

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ようこそ隣の晩餐会

※本話には御見苦しい表現が含まれております

※お食事中などは特にご注意ください

※自主規制はしております


女官さんたちからの嘆願を受け、私たちディル一行は、

念のためキーシャくんとたまは紹介前なので、

キャロルたちに任せ、

私たちは晩餐会会場をつなぐ給仕用の通路を通り、

お隣の晩餐会会場へ駆け込みました。


駆け込んだ私たちを待っていたのは、結界でした。

その奥には円卓があり、円卓に隠れて竜帝陛下の姿が見えません。

ユリアナさまとソシエさまもいらっしゃるはずなのですが・・・

そして・・・床や円卓に散乱している

あの膨大な酒瓶の数々は、一体何なのでしょうか。


「扉から入ろうとしても、ソシエさまの結界が張ってあり、入れないのです」

女官さんのひとりが狼狽えながら仰いました。


「これはソシエ妃の結界か?しかし、何故・・・」

そうまでして、結界を張らねばならない理由があったのでしょうか・・・


結界の奥からは、確かに甲高い叫び声と、低い声がします。

竜帝陛下とユリアナさま、ソシエさまの声ですよね、確実に。


「その・・・お酒に酔われた勢いで・・・張られてしまって」


「・・・」

その説明に、さすがにディルが絶句していました。

私の無属性魔法でも破壊できるのですが、

国家機密をおいそれとお見せすることはできません。


それに、ここにはディルがいますからね。

そのトンでも理由に、ディルは容赦なくソシエさまの結界を、

人差し指ひとつでぽんっと破壊してしまいました。


そして、響いてきた声は、思いもよらない内容でした。


「は・・・吐く・・・ぐえ・・・」


―自主規制―


「おらぁっ!吐けぇっ!あーしゃん!」


「全部吐いちまいなぁっ!!あーしゃんならイケる!」

その男前なセリフは、確かにユリアナさまとソシエさまの声です。

けれど、普段のおふたりの性格から考えれば、

とても考えられません。


・・・てか、“あーしゃん”って誰っすか。


しかも・・・


「は・・・はぁ・・・吐く・・・もう・・・おえ・・・」


―自主規制―


あの・・・明らかに竜帝陛下と思われる男性の声と共に、

吐しゃ物が清く床にぶちまけられてゆく音が・・・するのですが・・・


みんな、そのセリフと音だけで、固まっておりました。


「いや・・・と言うか、早く助けないと!」

と、アナ。


「そうです!竜帝陛下に万が一のことがあっては!!」

お国の一大事ですよ!


事の重大さを悟ったディルとルゼくんが飛び出し、

私たちや女官さんたちも駆け寄ります。


そして、そこで見た光景は・・・


「んもぅ・・・っ、あーしゃんもやればできるじゃない!」

「そんなに顔赤らめちゃってぇ・・・

なぁに~?猫耳しっぽ萌えだぞコラァ」

と、何故か竜帝陛下にめっちゃ泥酔して絡みまくり、

明らかに吐しゃ物をまき散らしている竜帝陛下に晩酌している、

ユリアナさまとソシエさまがおりました。


そして、竜帝陛下はと言うと・・・


「ひっぐ・・・うぐ・・・」

何で泣きべそかいてるんですか。

あの美しい陶器のようなお顔、

そして微笑はどこへやら。


顔を赤らめ、涙目で、口もとに吐しゃ物の欠片を付けつつ、

それでも注がれた酒を飲みほしては・・・


『ほぅらっ!吐けぇっ!』

からの、ユリアナさまとソシエさまの強烈な酔っ払い張り手。

そして・・・


「は・・・吐くぅ・・・っ、うぐぇ・・・」


―自主規制―


「は、早く止めなきゃ・・・っ!ディル!止めないと!」


「あ・・・あぁ・・・しかし・・・」

ディルもあまりの光景に、動揺しております。


「おら、もっと飲め」

「お代わりやるよ、あーしゃん」

その、“あーしゃん”と言うのは、竜帝陛下のことっすか?


そして、また盃に酒を投入され、

竜帝陛下が口に・・・


「と、とにかく、あの盃、没収してください!」


「わ、わかった!」

ディルが盃を回収に向かい・・・


「私たちは酒瓶を!

あなたたちはユリアナさまとソシエさまを拘束してください!」


『はいっ!』

私たち婚約者&ルゼくんは、ユリアナさまとソシエさまから酒瓶を回収し、

女官さんたちが酔っ払いふたりを必死に止めに掛かります。


「父上!盃を放してくださいっ!」

ディルが竜帝陛下から盃をとりあげようと必死に格闘しております。


「ふぇ・・・やだぁ・・・っ!」

泣き上戸・・・っ!!?


「ディル・・・ばかぁ・・・っ!」


「え・・・バカ!?」

ディルが唖然としている隙に、

あぁ・・・竜帝陛下が盃をがっしり胸元で握り締めちゃいましたよ!?

でも、酒瓶がなければ・・・


「ほぅ~ら、酒瓶おとし~っ!」

ぎゃあああぁぁぁぁっっ!!!

ソシエさまが魔法で酒瓶を浮かせて、竜帝陛下の盃に注いでるぅ~っ!!


「・・・うぐ・・・飲む・・・っ」


「ダメです、父上!これ以上は・・・!」

「兄上は盃を!俺が体を拘束するから!」

ルゼくんが加勢に入り、

竜帝陛下を後ろからむしろ羽交い締めのような形で押さえつけ、

ディルが思いっきり盃を奪い取ります。


パキ・・・ッ


ボロ・・・ッ


あ・・・盃、破壊しちゃいましたね。


「・・・えぐ・・・っ、うぅぅ・・・シャクヤに・・・嫌われるぅ・・・っ」

えええぇぇぇっ!!?ウチの父さまにですかっ!!?

何がどうなってそんな話になったんですか!!?


「吐けばいいのよ!そしたら~、

シャクヤ陛下もぉ~、オンリーユー!」

ゆ・・・ユリアナさま・・・発言の意味が、もはやイミフです。


「オラぁ!吐けぇっ!猫耳しっぽ萌えじゃぁコラァっ!」

それどんなキャラですかっ!ソシエさまぁ~~~っ!


「は・・・吐きそう・・・うぷ・・・っ」


―自主規制―


『父上―――――っ!!?』

兄弟の息の合った絶叫が響き渡りました。


「と・・・とにかく、引き剥がして別々に寝かせましょう!!」


「わかったっ!!」

ディルさまも頷きます。

かくして私たちは、大混乱の謎の酒瓶まみれの晩餐会会場から、

近衛騎士たちにも協力してもらい、酔っ払いどもを運び出したのです。



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