表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/188

もっふぃがやって来た!



もっふぃ。


それはかわいいかわいい小動物!

魔物なのだけど、ひとになつくかわいい魔物で竜帝国の象徴である神龍の使いとして神聖化されている。そんなもっふぃはここ竜帝国で大切に保護されているそうだ。


シュガーブラウンの毛並みのもっふぃは狐耳しっぽのまるっこいふわもふな魔物である。サイズ的には抱っこするのにちょうどいいサイズ。そしてしっぽは5本!ふわもふしっぽは5本あるのだ!!


「わぁ、かわいい!」


「食べ物はひとと同じものを食べますので」

もっふぃを連れてきた侍女が告げる。


「え?私はひとめ見れたらよかったのですが、ここで一緒に過ごしていいのですか?」


「殿下よりそのように申し付けられております」


「そ、そうなの。ありがとうね」


「もったいなきお言葉でございます」

そう言うと侍女はそそくさと去ってしまった。


これはいわゆる冷遇ルート、で間違いないのだろうか?いや、何故かディルさまに押し倒された上にキス、された・・・けど。


うぅ・・・思い出すと恥ずかしいっ!


「もふぃ!」

あ、もっふぃだ。もっふぃの鳴き声かわいいなぁ・・・


「あなたお名前は決まっているの・・・?」


「もふぃ?」

やっぱり、私がつける系かな?


「・・・もふちゃん、でいいかしら?」

ふわもふだから。物凄く安直である。


「もっふぃ!」

もっふぃは満足してるみたいだからいいかぁ~・・・。

それにしても、抱き上げてみるとふわもふ。ふわもふの楽園に迷い込んだみたい!


「もふちゃん」


「もふぃ~」

あぁ、1日中抱っこしていたい・・・のだが。


まぁ、取り敢えずキッチンがあり、材料が揃っていたのでお菓子でも作ろう。


因みに私は料理もできる。何故かって?最初は孤児院の子どもたちのためにお菓子を作っていたのだけど料理にも興味を持ったのだ。もちろん城のみんなは止めたけれど・・・


シンシャ兄さまがやる気3倍になるエサとして提示したところ、宰相でもある伯父さまから即決裁がおり、今では外国の料理や国民的家庭料理を極めた身だ。何故、そのチョイスをしたのか。だって宮廷料理人が作るような料理は私にはとても無理!それに料理長に悲し気な顔をされるから!!


・・・そして暫くして。


クッキーが完成した。


まずはもふちゃんにあ~ん。


「もぐもぐ・・・もふぃ!」


「あ!おいしい?もう、かわいいなぁ・・・」

なでなで、ふわもふ。


上手くできたからディルさまのために少し包んでとっておこう。皇太子殿下が趣味レベルの手作りクッキーを食べるかはわからないけれど・・・。


その後私は、もっふぃと戯れたりお茶をしたり、ベッドの上で部屋にあった本を読んで過ごした。


夕方くらいになるとディルさまが帰ってきたのか扉の開け閉めの音がした。


私はベッドの上でもっふぃと戯れていたのだが・・・


「もふぃ!」

ん?もふちゃん?何だろう。“俺のことは気にするな!イチャイチャしていいよ!”的なその目は!

イチャイチャって。これは所詮政略結婚なわけで私はそんなものは望んでは・・・


「メイリィ?」


「はっ!!お帰りなさいませ!ディルさま!」

ベッドからすっくと立ちあがり扉に向かうと何故か敬礼をして出迎えてしまった。

あぁ、何故こうなった。


「嬉しい。メイリィ」

急に腰を抱き寄せられ、また近い近い!イケメン顔が近いです~~~っ!!!


「夕食に行こうか」


「夕食・・・ですか?」


「あぁ。夕食は他の婚約者ともとるようにと父上が駄々をこねていてな」

父上ってそれは竜帝陛下ではありませんか?


「・・・他の婚約者さまは何名いらっしゃるのでしょう?」


「3人」


「そ、そうなのですね」


「・・・本当はメイリィを他のものの前に晒したくはないし、1日中メイリィとふたりっきりで過ごしたいのだが」


「んな大袈裟な」


「本気なのだが。一度私の本気を見せないとメイリィは納得してくれないようだ」


「そんなことないです!!」


「もふぃ、もふぃもふぃ!」

あ・・・もふちゃん。


「えと、もふちゃんって言います。もふちゃんのことありがとうございます」


「いや。問題ない。私のいない間は彼女に君を任せるようにしよう。なかなかいい子なようだ。

私たちで楽しんで来て、だって」


「もふちゃんの言葉がわかるのですか?と言うか、おんなのこだったのですね」


「メイリィが私のいない間に私以外のオスと過ごすなんて耐えられない」


「いや、魔物ですけど。獣ですけど」


「オスには変わらないよ?」

やべぇですよ。この皇太子殿下ひと目がマジですよ!!


「そ、そうですね・・・んもっ、もふちゃん!ごはんは帰ってきたらでいいかしら?」

ここは平常心でもふちゃんにチェンジしようか。


「もふぃ!」


しかしその瞬間また顔をイケメン顔に戻された。


「じゃぁ行こうか」


「は、はい・・」


―――


あぁ。何故だろう・・・?何故なのか・・・。


私はディルさまに腰に腕を回されて廊下を歩かされております。

しかも辺りを見渡したら“私以外を見るのはダメだ”とまた謎の要求をされましたとです。


だからその、ディルさまのイケメン顔を見上げさせられております。これ、ちょっときついんですが。それを訴えたら腕で抱き上げられそうになったので・・・が、我慢です。さすがにこの年齢で腕抱っこは恥ずかしすぎます。


それにしても他の婚約者か。ギスギスしてたら嫌だなぁ・・・



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ