第3皇子レオハルト殿下
☆おさらい☆
第1皇子(皇太子):ディル(ヤンデレ不思議っ子)
エストランディス王:イザナ(多分最恐)
第2皇子:ルゼ(ヤンデレブラコン)
第3皇子:レオハルト(ピンク髪<<<<<<兄上)
第4皇子:カイ(謎の愛称:ルゥ)
さて、本日のディルは公務で属国の客人を迎えているそうなので、
私たちは久々に、女3人+護衛のルゼくんと一緒に過ごしています。
ふと、庭園を見に行こう!と言う話になりました。
「えぇ・・・でも、兄上はメイリィをここに閉じ込めた・・・
いや、心配で外を歩かせたくないんじゃないかなぁ?」
今、ルゼくん・・・閉じ込めたいって言おうとしました?
まぁ、私も若干そんな気はしていましたけどね。
あぁ・・・遂に他者から指摘が入ってしまいましたね。
「あら、じゃぁ、ディランさまは
ルゼくんの警護を信頼していないのかしら?」
と、アナ。
「そ・・・そんなこと・・・ないじゃん」
何故かもじもじするルゼくん。かわいらしい。
そして、いつも口ではアナには勝てません。
と言うことで、私たちは竜帝国の庭園を見せていただきました。
「私、昔、ここの庭園で遊んだことがあるのですよ。
当時とは変わっているかもですし、
広いので詳しい場所はわかりませんけど」
「あ、私も!」
と、シア。
「私もよく来たわ」
え、アナもですか?
「じゃぁ、私たち、小さい頃に庭園で
一緒に遊んだことがあるかもしれませんね!」
そう言えば・・・昔、エルフの女の子と、竜族の女の子と・・・
あと、獣人族のお姉さんと・・・あれ・・・?
なんか・・・一緒に遊んだ子に・・・シアとアナが・・・似てる?
いや・・・本人?
まさか・・・みんな・・・あの時の・・・っ!!?
ちょちょちょ・・・ってことは・・・私たちって・・・
とんでもない事実に気が付いた、その時・・・
「姉上、宗主国の庭園で遊べるなんて、すごいね。お転婆だったの?」
ぐはっ
油断して、不意打ちを喰らったとです。
「こらこら―――、ルゼくぅん?」
確かに愛称はお転婆姫ですけど―――。
「えぇ~、姉上、顔が笑顔なのに恐いよぉ―――」
「でも、私も・・・だいたいお花を見て回るだけだったけど」
「・・・小さな頃に、よく、遊んでいたわ」
と、シアとアナ。
「え・・・みんな割とお転婆だったんだね」
「ルゼくん、淑女にそれはないですわ。
全く・・・それでは淑女の心を掴めませんわ?」
と、アナからぴしゃり。
「俺には兄上がいるから、平気」
そう言ったルゼくんに、何故かアナがびくっと肩を震わせ、
頬を赤らめ、グッドサインを出していたのは、何故でしょうか。
帝国の方にしかわからないジェスチャーかなんかですかね?
そんな時でした。
「うわっ、アナスタシア!?」
そんな素っ頓狂な声を上げたのは・・・忘れるはずもありません。
金髪碧眼の竜族の皇子・・・
かつてアナの婚約者だった第3皇子のレオハルト殿下でした。
「い、今更ウチのアナに何の用ですか!」
ここは、アナのために前に出ます!!
「そうだそうだ、皇族の恥さらし!!」
と、ルゼくんも加勢します。
「そ・・・そうです!え、えと・・・パツ金!!」
シア・・・それはかわいいんですけど・・・
ちょっと違う気がするのは、私の気のせいですかね?
「そ・・・その・・・あ、アナスタシアに・・・
・・・言いたいことがあって・・・」
「わ・・・私に・・・」
アナが俯きがちにレオハルト殿下を見ます。
おのれぇ~、ウチのアナに何の用だぁ~っ!!
・・・と、威嚇しておきます。
「あ・・・あの・・・先日や、婚約破棄の件、
申し訳ございませんでしたぁ――――っ!!!」
そう言って、レオハルト殿下が土下座されておりました・・・
いや・・・過日の件で、ディルに完全服従されておりましたが・・・
アナへの態度は高圧的だったため、
今の彼の行動に、みな、目が点になっております。
「あの・・・何故、謝罪を・・・急に・・・」
アナが、恐る恐る口を開きます。
「・・・ディラン兄上とイザナ兄上に怒られました・・・」
い・・・イザナさまかいっ!!
ディルだけじゃなくて・・・イザナさままでっ!
イザナさまはディル級・・・いえ、
ディルまでうまく転がしているような気が・・・
皇族を外れ、皇子の地位を継げなかったとはいえ・・・
「あ・・・そう言えば、レオハルト殿下は、
イザナさまと実のご兄弟・・・なのですか?」
レオハルト殿下は第3妃・ユリアナさまの御子で、
イザナさまもそうです。
ただ、イザナさまは竜族の特徴を継がなかったので、
ユリアナさまの母国にて、大公の地位につかれていて、
先日、その母国・エストランディスの国王陛下に就任されました。
「・・・ま・・・まぁ・・・そうだな・・・
イザナ兄上は・・・父似だが・・・私は、父はおろか
母に全く似ていない・・・けれど・・・母方の・・・祖父母似らしくて」
そう言えば・・・どちらかと言うと、髪と瞳の色は、
エルフ族によく見られる特徴ですよね・・・?
ユリアナさまは紫がかった銀髪です。
瞳は同じ碧眼ですが・・・
「けど、顔立ちはよく似ていらっしゃいますよ?」
高圧的な言動をしなければ・・・
今のように素直になっていれば・・・
あの優しくもしたたかなユリアナさまの面影を感じます。
「ほ・・・本当か!?」
すると、レオハルト殿下は嬉しそうに顔を上げました。
「・・・その・・・アナスタシアには・・・本当に・・・
悪かったと・・・思っている・・・」
「・・・殿下・・・」
アナは気まずそうにレオハルト殿下を見やります。
「あの・・・何故、浮気なんてしたんですか?」
「えっ」
レオハルト殿下は驚いて私を見ます。
「アナには、それを知る権利があると思います。
ぶっちゃけ、浮気とかされたら、理由を知りたいと思いますよね。
それも知らされず、ただ謝罪されても、“だから何?”と、
言いたくなるのですが」
「ぐはぁっ」
あれ、レオハルト殿下の急所に入りました?
後ろでルゼくんが手を叩きながら大爆笑しています。
こら・・・一応ルゼくんの方が・・・お兄さん・・・なんですから。
あれ・・・?
そう言えば・・・ルゼくんのお母君は元第2妃・・・
そして、イザナさまのお母君・ユリアナさまは第3妃・・・
イザナさまの方が、ルゼくんよりも年上です。
妃の順番と、御子の順番が合っていないのですが・・・
これは偶然でしょうか?
それとも、ルゼくんの前に、元第2妃に御子がいたのでしょうか・・・?
ふと、そんな疑問が沸いたのですが・・・
レオハルト殿下が、ぽつりぽつりと口を開いてくださったので、
そちらに集中です。
「あの・・・あの女は・・・」
最早、アナからレオハルト殿下を寝取ったピンク髪さんを
もはや“あの女”ですよ。
それ、誰かの調教の賜物ですか?
猛烈にディルの影を感じますね。
「・・・その、母にも父にも似ていない、この髪を褒めてくれたんだ。
私は、両親に似ていないと・・・散々陰で悪口を言われたから」
それは・・・私も、心当たりがないわけではありません。
でも、その分家族が陰口から私を守ってくれましたから。
例えピンク髪さんに出会っても、シンシャ兄さまあたりが
“ピンク髪天誅―――っ!!!”と言って、撃退していたでしょうね。
つまり、私は守られていたけれど、
レオハルト殿下は見事に引っかかってしまったのですね。
「だから・・・私の外見について、陰口も言わない・・・
何も言わずに付き合っていたアナよりも・・・
いつも褒めて優しくしてくれる・・・あの女に惹かれてしまったのだと思う」
「ば・・・バカじゃないの!?」
アナは、珍しく口調を荒げていました。
「ば・・・バカ・・・ッ!?」
「あなたは、顔も仕草も、ユリアナさまにそっくりです。
もちろん、兄君のイザナさまにそっくりです。
イザナさまの件は、エストランディスに赴き、イザナさまの宮で過ごした時に、
それは改めて実感しました・・・ずっと離れて暮らしているはずなのに・・・
傍にいらっしゃるユリアナさまともこんなに似ているのに・・・
わざわざあなたの気にしていることを持ち上げて、褒める
・・・なんて、落として上げて気を引くようなことをするはずはないですし、
あなたは間違いなくユリアナさまと竜帝陛下の御子です。
それを疑ってなどおりません。だから、そんな会話をする必要はないでしょう?」
「あ・・・アナスタシア・・・そんな風に、思っていたのか・・・
もう少し、早く・・・それを、知っていれば・・・
いや、私の方から、悩みを君に打ち明けていれば・・・
結果は、少し・・・違ったのかな・・・」
「いいえ」
「ひぇっ!?」
アナ、即答です。女傑っぽくてかっこいいです。
「私、今、ディランさまの婚約者で、幸せなんです。
メイリィやシアと一緒にいられて、充実しています。
だから、それ以外の結果なんて、考えたくありません」
「・・・そうか・・・君は、幸せなのか」
「はい」
「それじゃぁ・・・私は、それを応援する・・・
私にできることがあるのなら・・・何でも言ってくれ!!
それが・・・罪滅ぼしってわけじゃない!!
えっと・・・その・・・未来の義弟・・・として・・・!」
「・・・殿下」
「ふぅん・・・?話は聞いたけど」
おや、ルゼくん?助太刀ですか?
「なら、兄上の下僕になると言う宣誓書にサインしな」
と、ルゼくんが何かの書類を掲げ・・・
「わ・・・わかったぁっ!!」
って、そんな怪しい宣誓書にサインしないでくださいっ!!
レオハルト殿下ぁ―――っ!!!
その後、アナにその宣誓書は没収され、
今度アナの好きな行列のできるチョコ菓子を
自ら並んで買ってくるというパシリで、
アナは手打ちにしていました。
しかし・・・何故かその後、レオハルト殿下が
ルゼくんやアナに対して、傅きながら
自らパシリになりにくるのは・・・何故ですかね・・・?
ディルもその件については・・・
“メイリィにすり寄る気がないなら、かまわない”
と、微笑んでいました。
そのセリフにちょっと気になるところはありましたが・・・
まぁ、これも兄として弟のことを思ってのことなのですかね?
竜帝国4兄弟・・・と、イザナさまを入れて、
5人兄弟仲良し。めでたしめでたしですね。




