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夜会の夜明け



夜会の夜明けと言うのは、どうしてこうも、

だる~く感じますかねぇ・・・?

※感覚については、個人差があります


ふあ~ぁ・・・なんだか、早く目が覚めて・・・


あれ・・・?

何だか体に違和感があります・・・


体を起こしてみると、普通に体を起こせることに違和感がしました。


そして、隣に・・・


そこで私は思い出しました。


・・・そう言えば、昨日調子に乗って、

女子会したんですよ。


本格的な女子会と言うことで、

ルゼくんは他の近衛騎士たちと警護に当たってもらうことに。

ディルは不満げでしたが、

お仕事の打ち合わせだと、イザナさまに引っ張って行かれました。

あのディルをあぁもたやすく・・・

イザナさま、すごい方ですね。


まぁ、私の隣で寝ているイザナさまの婚約者、

モニカさまも、とてもすごい方です。


いつも明るくて元気で、シアエンジェル説を、

あぁも情熱的に語ってくれるとは・・・

私は、モニカさまとシアエンジェル愛好会を結成しました。


部屋では、モニカさま、アナ、シア、キャロルと

一緒に、女子メンバーですやすや爆睡したのでした。

ディル・・・昨夜はひとりで寝たのでしょうか・・・

いえ・・・寝たのでしょうね・・・

もしかしたらルゼくんが添い寝してくれていたかもしれませんし・・・


・・・あ、


「シアも目が覚めたの?」


「うん・・・メイリィも・・・?」


「うん、ちょっと目が覚めてしまって」


「では、宮の中でも散歩する?」


「わぁ、いいの?」


「もちろん、案内するわ」


てことで、私はシアと一緒に、朝の散策に出かけました。

部屋の外を警護してくれていた近衛騎士さんに声を掛けると、

念のためだと、私たちについて来てくださいました。


大公宮たいこうぐうの庭園が見えると、

その見事な景観に圧倒されます。


「とてもすごいですね」


色とりどりの花の数々。


「少し外に出てみましょうか」


「うん!」

庭園のお花はどれもみずみずしく、

祖国で見ないお花ばかりです。


「エストランディスには、花を象った工芸品があるの」

なるほど、自然を愛するエルフ族ならではですね。


「それじゃぁ、エクレールやもっふぃたちに何か買ってく?」


「いいかも。アナやキャロルたちも連れて・・・」


「モニカさまに紹介してもらおうか」

モニカさまはお菓子の情報や、エルフ族のファッション事情など、

様々なガールズインフォに精通していらっしゃいます。

きっといいお土産屋さんもご存じでしょう。


「あの、そう言えば・・・」

その時はルゼくんも一緒に行けるかどうか・・・そう、

部下の近衛騎士さんにお聞きしようとしたのですが、

何故か、近衛騎士さんが、地面に突っ伏していらっしゃる・・・


・・・はっ!


「シア、急いで中に・・・っ!」


「うん、メイリィ!」

シアも異常事態に気が付いたようですが、

ひとあし遅く、私たちは後ろから拘束されてしまいました。


相手が魔法に頼っていないため、

私の国家機密では対処不能。


巨大扇子神楽で鍛えた筋力・・・も、

特に役に立たず・・・


私たちは、意識を失ってしまったようです・・・


―――


目を覚ますと、

シアが心配そうな顔をして私の顔を覗き込んでいました。


う・・・手首が痛いです。


どうやら、ふたりとも手首を後ろで

括られているようです。


「ここは・・・」


「私も、起きたらここにいて・・・でもね・・・」


「何か気が付いたのですか?」


「多分、昨日の黒ずくめさんと同じ言語をしゃべっていたの」


「・・・っ!」

と、言うことは、外国の方がこの件に関わっていたのでしょうか。


「あの、黒ずくめさんは・・・」


「関係ないと思います。彼は、むしろ最強の味方です。

ディル級の方ですから、心配いらないです」


「そう・・・なら、よかった・・・」


「種族などは、わかりましたか?」


「床に、何かが擦れる音がしたから・・・竜族?」


「なるほど・・・アナがいぶかしんでいた・・・」

レンゲシュウマイさんたちのお国が・・・ちょっと怪しいですね・・・


「そうだ、シア、この手枷の特徴、わかりますか?」


「・・・特徴?」


「一応、縄抜けについては鍛えられているのです」

シンシャ兄さまの、よくある姫イベント対策とかで、

無理矢理プロの方から習ったとです。

前科3犯の方でしたが、

シンシャ兄さまに心底心酔してしまった、

宰相の伯父さま曰く、“犠牲者”だそうです。


本当にシンシャ兄さまはそこしれません。

まさか、こんなイベントが本当にあったなんて・・・


「材質は・・・金属・・・かな。

カギ穴がないですし・・・魔力を帯びた金属・・・みたい」

つまり、魔力封じの魔動手枷と言うことでしょうか。

解除には、特殊な解除魔法が必要なはずです。

しかし、そんな物は私には効きません。

魔力封じと言えど、その封じているのも魔力・・・

ならば私の国家機密で何とかなります。


ほいっ


やぁっ!!


パキンッ


見事に外れました。

シアはこのことを知っているので、

それをみて合点がいったようです。


続いてシアの手枷も解除します。


パキンッ


どうやら、扉も魔法でカギをかけているようです。

魔法に頼りっきりじゃないですかね?

まぁ、便利で有能ですけども、

前科3犯(更生済)のシンシャ兄さま狂の御仁曰く、

最後に勝つのは、結局はアナログで、

アナログが一番手こずるのだそうです。


こうして、私とシアは難なく脱走にこぎつけました。



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