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エルフの王国でのお茶会



さて、昨晩と同様に、

エルフの王国の主食、

薄く平べったい丸いパンを使った朝食を堪能した私たち。


しかも朝は・・・なんと!

フルーツ&ホイップクリームの特製巻き!

これには女子陣大満足でした。

あぁ・・・ありがたや。


午後は軽くお茶をしてから、夜会の準備に赴きます。

お茶は先日約束した通り、

モニカさまを招いて、女子会を開くことになりました。


ディルは渋っていましたが、

皇太子としてのお仕事もあるようで、

渋々イザナさまと向かわれて行きました。


ルゼくんはこちらの護衛も兼ねているので、

女子会ではありますが、混ぜてみたら特に何の違和感もありませんでした。

※ルゼくんは正真正銘の美少年です。

普段もっふぃを愛でているもっふぃ効果ですかね・・・?

やはりもっふぃは偉大です。


本日のお茶はエルフの王国特産フルーツティーです。

そしてお茶菓子はモニカさまが

おススメのものを用意してくれました。


さくほろ食感のやわらかめのクッキーに、

クリーム、ドライ木の実をサンドしたお菓子です。


うん・・・ドライ木の実の甘酸っぱさがアクセントになっていて、

おいひぃです・・・


レシピがあれば作ってみたいとモニカさまに聞いてみたら、

シアがキラキラした目でこちらを見ていました。

シアも好物なのですね。


早速モニカさまが料理長に声を掛けてくださり、

シアの好物であることを知っていた料理長は、

是非、シアに故郷の味を、と喜んでレシピを譲ってくださいました。

シアとディルの次のお茶会の時に作ってみましょう。


「あのね、私・・・恋バナがしたかったの!」

と、モニカさまがいきなり宣言されます。

恋バナ・・・?


「ですが、モニカさま。

私たちは全員、ディランさまの婚約者ですわ」

と、アナ。

そうでした。しかもモニカさまも婚約者がいらっしゃいます。

何を隠そう、この大公宮たいこうぐうの主・イザナさまです。


「ぼくは違うけどね」

と、ルゼくん。いや、まぁ・・・それは当然なのですが、

何故か残念そうな表情をされています。

つか、相変わらず婚約者集団に違和感なく紛れております、ルゼくん。


アナも思わず見落としていたようです。


「でも、いつでも準備はできているよ」

何の準備でしょうか・・・


「えっ!?ほんとに!?どこまで進展してるの!?」

モニカさままで何故か乗っかっています。


「常に・・・兄上のベッド事情を把握しておくくらいには・・・」

ニヤリ・・・と微笑まれるルゼくん。

お恥ずかしいことに、私とディルのベッド事情は、

全てルゼくんに筒抜けなのです。

彼の闇魔法によって。

そして、もちろんディルの寝相の悪さもご存じです。


「今朝は後ろからこう、ぎゅっと、

メイリィ姉上を抱きしめて、姉上の首筋に顔をうずめて・・・」

って、ちょっと待ってください!

そんなマジな話を・・・


「ダメ!それ以上はダメ―――ッッ!!!」

私の姫らしくない、絶叫が轟きましたとです。

うぅ・・・今朝もディルの寝相は・・・

・・・危険域に達しておりましたとも・・・ぐすん。


「私はね~」

おや、モニカさま・・・?


「今日はイザナさまが、

私の腕に抱き着いて、顔をうずめてた―――っ!!!」

んま・・・っ!マジですか!?


あの寝相の悪さは、もはや血筋なのですかっ!?


「あ、それは俺も・・・」

ええぇぇぇっ!?まさかのルゼくんも・・・?

私たちとはいつも一緒にもっふぃを愛でていますが、

私たちはディルの婚約者ですし、

ルゼくんに婚約者がいそうな気配もないのです。


「たまに兄上に背後から抱き着いて、

兄上を堪能しているよ」

な・・・ななな、なんつーぶっちゃけトークをかましてるんですか!?

しかもそれ、寝相とか言うよりも完っ全に確信犯―――っ!!!

いや・・・まさかディルとイザナさまも、

確信犯・・・?い・・・いやいやいや、まさか・・・ね?


そんなとき、キャロルが一礼し、

私に文を手渡してくれました。


「こちらは・・・?」


「えぇと、メイリィさま宛てです。

ついさっき、大公宮たいこうぐうに届きまして・・・

一応私のほうで中身を確認しようと思ったのですが、

何らかの魔法で開かなくなっているようです」


「・・・魔法・・・」

私は文の差出人を見て、合点がいきました。


「あぁ、大丈夫。これは私に開けろっていうことなので。

多分、中身をあまり公にしたくないのでしょう」


「でも、危険なものだったら」

ルゼくんは心配してくれますが・・・


「この差出人なら、大丈夫ですよ」

そしてその名前を見せると、明らかにルゼくんは驚いた顔をされます。


「え・・・メイリィ姉上、どうして?知り合いなの・・・?」


「隣国なんですよ。山ひとつ挟みますがね」

差し出し人の国からであれば、山ひとつなんてあっちゅーまです。

そして、彼の国ともうひとつの隣国からの脅威から身を守るため、

我が祖国はその昔、竜帝国にくみしました。

祖国は小国ですが、竜帝国派歴は割と長かったりします。


今となっては、お互い竜帝国公認の元、

彼の国と国交を結び、もう一つの隣国から身を守っているわけです。

彼の国としても、竜帝国とのつながりを持てることは、

結構な利益があるそうで。

今では王子王女同士の付き合いもあるのです。


私は早速文の封をき、中身を確認します。


「・・・!あの、彼もこちらに来ているそうです!」


「え・・・っ!?うそ・・・兄上に知らせた方が・・・」


「えぇ・・・ですが、招待者の連れとして、

お忍びで来ていらっしゃるみたいで・・・

知り合いの私にはそのことを教えてくださったみたいで」


「それじゃぁ、私たちが知ってしまったのは良くなかったかしら」

と、アナ。


「大丈夫です。みなさん、仲のいい大切な友人ですから!」


「やった~っ!お友だち~」

はしゃがれるモニカさまは明るくてかわいらしい方ですね。


「でも、この方のお名前はルゼくんと、

私とディルの3人だけで共有しますね。ごめんなさい」


「えぇ、大丈夫よ」

アナと一緒に、他のみんなも頷いてくれる。


さてはて、今夜の夜会かぁ・・・

エルフの王国での夜会だなんて、

実家にいた時は絶対に許可がでなかっただろうなぁ・・・

だから、人生初である。



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