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大公宮での晩餐会



さて、エストランディスに到着して初日の晩餐会は、

イザナさまの宮・大公宮たいこうぐうでとることになりました。


ディルは夜会などがない限りは、

ここ、大公宮で食事をするそうです。


理由は・・・もちろん、媚びを売られることへの不快感です。

宗主国の皇太子殿下なので、

そこら辺の自由も利くそうですし、

久々に再会した“弟”と食事がしたいと言われたら、

断りづらいですよね・・・?


と言うことで、本日はこちらでお食事です。

さすがについた日に即夜会とはなりません。

夜会は明日の夜となりますね。


早速イザナさまが晩餐会会場で出迎えてくださいまして、

ディルと私たち婚約者・・・

アナは侍女としてくっついてきましたが、

未来の義姉をおもてなししたいとイザナさまに言われ、

アナも同席することになりました。

因みに、弟のルゼくんも一緒です。

キャロルは侍女として、給仕のサポートをしてくれます。


そしてイザナさまのお隣には、ふたりの男女がおられました。


ひとりは、淡い金色の髪を高い位置でツインテールに結んでおり、

ライムグリーンの瞳のかわいらしいエルフ族のお嬢さんです。


もうひとりは、茶髪にライムグリーン色の瞳を持ち、

耳に混血の特徴を持つ青年です。


「彼女はモニカ。俺の婚約者です。

そして、彼はエルタ。モニカの従兄で、聖者です」

聖者・・・つまりは聖女の男性バージョンです。

聖者は聖女に比べて数が多くはありません。


「エルタさまは、私の光魔法のお師匠さまなのです」

シアの!?


「私は出来損ないで、よく光魔法の教師や、

先輩の聖女に叱られていましたから・・・

イザナ兄さまの宮で暮らすようになって、

そこでイザナ兄さまの従者であるエルタさまに

光魔法を学んでいたのです」

と、シアが説明してくれる。

うぅ・・・シアも苦労したんだねぇ・・・

ここが晩餐会の会場じゃなければ、なでなでしてあげていたのに・・・


「泣かないで・・・シア・・・

私のエンジェル!マイ・エンジェル!よしよ~し!」

あ、一足先に、モニカさまがシアの頭をなでなでしておられました。

それに・・・シアを“エンジェル”・・・ですと!?

まさかその本質を見抜いている方が、他にもいたとは・・・!

これは仲良くなれそうです!!


「こら、モニカ!」

慌ててエルタさまがモニカさまを回収していました。


「モニカが失礼いたしました」


「いや・・・構わない。

お前の婚約者は、相変わらずのようで何よりだ」


「ははは・・・公の場だともう少ししっかりしているのですが」

イザナさまが苦笑されます。

モニカさまはシアと触れ合いたくてしょうがないようですが、

明日、お茶でも・・・とお誘いすると、

快く了承してくれました。


それまでは“待て”だとエルタさまに言いつけられて、

渋々従っていらっしゃるところは・・・

なかなかかわいらしいな、と感じました。


「そう言えば、ルゼくんは大丈夫ですか?」


「あぁ・・・エルタのこと?

大丈夫、何故か聖者は割と平気なんだ。

光魔法使いで、聖者ってことは、本能的にわかるけどね」

と、仰っていました。

それは何より。ルゼくんも快適に過ごせそうです。


エルフ族のお食事と言うと、

ベジタブル・・・な印象がありますが、

本日の食卓には、普通にお肉料理も並んでいます。


なんでも、イザナさまが訓練がてら、

専属騎士さまたちと毎日狩ってこられるのだとか。


エストランディスでは、野菜や木の実が主な食料となるので、

市場にもお肉はあまり出回らないそうです。

ですが、イザナさまはお肉がなくては力が出ないらしく、

自ら狩りに行っているそうです。


また、混血の方が多いこの宮では、

お肉を食べ慣れた方も多く、

お肉がないと物寂しいらしいですね。


シアはここで長らく生活していたようですし・・・

なるほど。シアのお肉好きはここからきているのかもしれません。


本日はイザナさまが狩ってきてくださった、

ゴールデンスパイシーポークと言う、

シンシャ兄さま曰くSR級の豚肉ステーキにサラダ、

コンソメ風のお肉と豆のスープに、

エルフ族の主食である小麦を使った薄く平べったい

丸いパンと、そのパンに包んで食べる、

お野菜、木の実、フルーツ、そしてベーコンが並んでいます。


シアおススメブレンドのパン巻きが、とても絶品でした。

これに関しては、モニカさまも大好物なのだとか。


お野菜や木の実、フルーツが新鮮でおいしいのも

エルフの王国・エストランディスならではなのでしょうが・・・

肉・・・めちゃまいう~です!


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