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初めてのエルフの王国訪問



さて、実は私は、エルフの王国に訪問するのは初めてです。


幼い頃にちょっといろいろありまして、

私はエルフの王国を訪問することはなかったのです。


けれど、今は頼れる仲間たちが一緒ですし、

ディルと護衛のアルダさんも付いて来てくれます。


それになにより、私とアナでシアを支えてあげないと、

と言う心構えなのです。


「エクレールだけお留守番になっちゃって、ごめんなさいね」


「いえ。こればかりはどうしようもないことですから。

メイリィさまこそ、大丈夫ですか?」

エクレールは私の執事をしていましたから、

もちろんそこら辺の事情も知っています。


「大丈夫よ。みんながいるし、

ディルも頼りになるしね」


「はい。皇太子殿下なら、

メイリィさまを安心して預けられます」


「そ・・・そうかな・・・?

ちょっと心配なところはあるけど・・・」

行き過ぎた心配性なところとかね?


「あぁ、メイリィは俺に身も心も全て預けるといい」

それを了承した瞬間、

物凄い過保護を発揮しそうな気がするとです。


「それじゃぁ、エクレール、

もふちゃんとふぃーくんのごはんや、

ブラッシングなどは大丈夫・・・?」


「はい、全てメイリィさまが用意してくださった資料の通り、

お世話いたします」


「よろしくね」


「アナさまのことも、どうかよろしくお願いします。

あの方は・・・守るべき存在の前では、

強くあれる方です。ですが・・・」

エクレールは・・・さすがアナのことをよくわかっているのね・・・


「もちろん。私も、アナとシアを支えられるように頑張る」


「・・・メイリィ」

そんな時、ディルが私の名前を呼びました。

何でしょう?


「ディル?何か心配事でも?」


「メイリィを支えるのは、

いつだって俺の権利だと思う」

役目・・・ではなく権利ですか。

その言葉の裏に、

尋常ではない執着心のようなものを感じるとです。


「た・・・頼りにしてますよ、婚約者さま」


「あぁ、存分に頼ってくれ。

そして、婚約者として同行するのは

メイリィでいいってことだよね?」

はい・・・?私、もしかして、

何か乗せられましたかね・・・?


―――


と、言うわけでいろいろと、

“いろいろと”って、便利な表現ですね。

準備を終えた私たちは、

早速エルフの王国へ向けて、出発することになりました。


ディルの婚約者としては、私が同行します。

そして何故かアナと招待客であるシアが

キャロルと一緒にノリノリで侍女の格好をして

にこにこしていたとです。

これはもう、完全に流れに身を任せるパターンです。


まぁ、しかし、シアを心無い言葉や偏見から守るための

盾となる・・・と言う意味では、

私かアナが矢面に立つのもいい案かもしれません。


ただ、ディルがどうしても私と言い張り、

ディルの目を離れて、シアに何かあった場合、

アナの竜族の婚約者兼公女と言う立場は

宗主国の貴族令嬢と言うだけでも、

おめおめと手は出しにくいということでした。

ま、皇太子殿下の婚約者と言う立場も使えることは使えるのですが、

それを無下にするエルフ族の王族の行動が目立ったため、

招待されているとはいえ油断はできません。

ここはディルのアドバイスに従って、

私が婚約者代表となりました。


因みに、ルゼくんとアルダさんも護衛として同行してくれます。

他にも近衛騎士隊員たちがついて来てくれます。

主にルゼくんの部隊です。

ルゼくんは皇太子宮の近衛騎士小隊の隊長さんなのだそうです。

何気にすごいですね。

・・・よく私の部屋でくつろいでますが・・・

護衛も兼ねている・・・のだと思うことにします。


もうひとりの獣人族のお姫さまは、

一応ディルに聞いてみたのですが、今回は同行しないそうです。

あくまでも招かれたのはシアで、

私は自発的にディルの婚約者として、

アナは自発的に侍女に扮してついていく、

・・・と言うだけのことなので、

獣人族のお姫さまには行く義務はないそうです。

まぁ・・・私たちのわがままで巻き込むわけにも行きませんし・・・

エクレールの分も合わせて、お土産でも買って帰るとしましょう。


出発の際は、ユリアナさまが見送りに来てくださいました。

シアはかねてより、シアの伯母君であるユリアナさまとは

旧知の仲だそうで、何か困ったことがあれば

気兼ねなく連絡してほしいと、声を掛けていらっしゃいました。


ユリアナさまは、紫がかった銀色のロングヘアーに

碧眼のエルフ族の女性で、

髪の色やおっとりとした雰囲気は、

何となくシアに似ているなぁと感じました。


あのレオハルト殿下の実のお母君だそうですが、

アナと確執のあるレオハルト殿下は

さすがにユリアナさまが会わせないよう

謹慎させているそうです。


そう言えば・・・レオハルト殿下は、

エルフ族との混血だったのですね。


しかし、あまりユリアナさまと似ていらっしゃらないと言うか・・・

こう言っては失礼かともおもいますが・・・

レオハルト殿下の外見は、エルフ族に特に多い

金髪碧眼でしたね・・・


そこら辺も、何か事情がおありなのでしょうね・・・。


まぁ、ともかく我々はいざ、エルフの王国へと旅立ったのです!!



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