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竜帝国の帝国城にいざ、乗り込みました



馬車に揺られてガタンガタン。早速竜帝国の帝都にある帝国城についた私は何故か裏口的なところから入らされました。


まさかの冷遇ルートに直行でしょうか?しかも案内するのは竜族の侍女だけです。


因みに竜族と私・人族の外見上の違いは、竜族には角が生えておりずんぐりとした竜のしっぽが伸びています。本当は翼も出せるのですが、屋内では背中に収納するのが普通です。翼の出し入れができるように竜族の方々の服装は背中が開いた服や、背中の翼を出し入れする部分だけ肌があらわになっていたりします。


大体は肩から薄いレースのような布を下げて妖艶な魅力を引き出しております。ぶっちゃけ言ってちょっとセクシーで羨ましかったりします。まぁ平凡な私には似合わないでしょうが、少しだけ着てみたいとも思います。私だって女の子ですからね。ファッションには敏感なのです。


因みに竜帝国も我が祖国と同じく冬は寒いのだそうですが、竜族の方々は体が丈夫で肌も頑丈なので背中のセクシーゾーンも特に寒くはないようです。


かくいう私は冬はふわもこケープが無いと生きていけません。あぁ、ふわもこケープ。こちらでも支給してくれたら嬉しいのですが。


やがて、とある一室に案内されました。どうやら私はここで生活するようです。


用があればベルを鳴らしてくれと言い、侍女は退室していきました。


因みにこのベルは魔動ベル。中に魔石が内蔵されておりふたつで1セットになっています。ひとつを鳴らすともうひとつのベルも鳴動する仕組みになっています。対のベルは侍女たちの元にあるのでしょう。


部屋には大きなベッドがあります。ベッドルームから続き部屋で食事をとる用とみられるリビングルーム、あとサロンもあります。あと洗面所にお風呂にトイレに、あ!簡単な厨房もあるのですね。これは趣味のお菓子作りもできるかもですね。このスイートルームから出なくても問題なく生活できそうな感じです。


さて、ひととおりお部屋を見たらまずはクローゼットチェックですね。全て竜帝国で用意すると言うことなので、きっと衣服も最低限の着替えは用意してくれているといいのですが。


―――いざ、クローゼットオープン!!


おぉ、たくさんそろってるな。そして、ありました!!背中がセクシーに開いたドレスです。色はシックな黒ですね。更に肩から背中部分を覆うようにとりつけられた半透明の黒いレースには金色の糸で刺繍が編み込まれています。そして胸元と袖にも見事な金色の刺繍が!


ちょっとだけ、ちょっとだけプチファッションショーを開きましょう。


普通は侍女に付き合ってもらうのでしょうが、ほぼ初対面の侍女にプチファッションショーに付き合ってとはなかなか言えません。


なのでおひとりさまでお着替えです。因みに実家でプチファッションショーをやっているのが侍女にバレた時はすぐさま侍女たちに着せ替え人形化されたとです。あれは恐ろしい体験でした。


さて、着てみました~。

おぉ、サイズぴったり!全てこちらの帝国で用意すると宣言しただけのことはあります。しっかり私のサイズを把握しているのですが、祖国にスリーサイズを売られたのか!?私!!


いや、でもそうでなくてはサイズの合わない服を着させられるのは、別に着られればいい派なのですが(これはちょっと王女らしくない考えかもしれませんね。王女のくせに私は貧乏性なのかもしれません)もしくは仕立てられるまで元の服装のまま延々と過ごさなくてはならないところでした。危ない、危ない。


―――さて、せっかく着たことですし。


以前父さまとシンシャ兄さまにくっついて、宗主国であるこの竜帝国に連れてきてもらったことがあり、そこで王城に招かれていた竜族の踊り子さんの舞を見せてもらったのです。


幼いながらにとてもセクシーでキレイだと感じました。まぁ、成長したところであの踊り子さんにはまるで及ばない体型ですが。しかしこのふくらみだけはちょっとだけ自信があります。


昔ユーリィ姉さまに“どぉして私のは膨らまないの?”と言ったところ、次の日からユーリィ姉さまと侍女総出で矯正下着開発とエクササイズを始め、魔力ヨガと女神の神殿への巡業を繰り返した結果、努力が実ってか私とユーリィ姉さまは女神さまからの恩恵を賜ることができたとです。


あぁっ!髪も白くて目の色もぱっとしない普通の顔立ち、しかも小柄な!私にとってそれは唯一女神さまから下賜された努力の勲章と言えましょう。女神さま、ありがとう!!


ではさっそく、踊り子さんのマネ!!ついでに実家でやったのが侍女にバレた時は次の日から本格的な神楽の練習をさせられて、いつも使わない筋肉を動かしたせいか翌日とんでもない筋肉痛に襲われたとです。


因みに巨大な扇子とか、番傘とか、錫杖をぶん回して舞うのが祖国の神楽の特徴であったりします。

扇子は運気を風に乗せて運び、番傘は恵みの雨を、錫杖は豊かな豊饒の大地を導くと信じられているのです。


―――何故巨大でなくてはいけないのか。その謎は未だ明らかになってはいない謎だそうです。それを舞の師匠に問うた結果“古代への探究会”に勧誘されそうになり、必死で逃げたのを思い出しました。しかし、あの体中に走った激痛は今でも思い出すと身震いが。もしかしたら探究会のせいかもしれませんが。


ぶるぶるる。


あぁいけません、いけません。まぁちょっとばかりやってみましょうかね。

はい、私的セクシーポーズ!


1:アレン義兄さまに取り押さえられながらも必死に手を伸ばすユーリィ姉さまのポーズ!


2:リンファ義姉さまの抜剣の真似!


3:シャンリィ姉さまの吐血のポーズ!


―――あれ、何か違う気がしますね。もっと、こう?


体をのけぞらせてにょにょにょ~と言う感じで。


しかと見よ!私の体の柔らかさを!!そして私は固まりました。

回想に夢中になるあまり、扉が開かれ誰かが入ってきたことに気付かなかったのです。

そうして実家でも数々の秘密を侍女たちに見つかったのですが、あぁ、私ったら何故こう何度も見つかっちゃいますかね?


しかし侍女に見つかるだけましだと思いました。―――この時だけは。あぁ何故、よりにもよってこの方に見つかりますかねぇ。


いや、“見よ”とは心の中で言ったものの本当に見せるつもりはなかったのです。


例え逆さまに見ていても気が付かないわけはありません。


漆黒とはどことなく違う鉄のような色と形容されるその光沢のある髪色、頭の上に伸びた象牙色の竜角、金色に輝く切れ長な瞳。いつも氷のような表情に凍てついた微笑を浮かべている美青年が私のはしたない姿を目の当たりにし、目を見開いて固まっておりました。


い、いやっちまったああああああああぁぁぁぁぁぁ―――っっ!!

あぁ、父さま、母さま、姉さま、兄さま、そして祖国の国民の皆さま。私、とんでもない失態をやらかしてしまったとです。もう故郷の土を踏めないかもしれません。

私、涙目です。



※シンシャ兄さまと私※

シンシャ「あぁ、メイリィ!お兄ちゃんが嫁入り先でも使える護身術を教えてあげよ~うっ!」

メイリィ「秘技、目つぶし!」

シンシャ「ぎゃああぁぁぁぁぁっっ!!!」

アルシャ「ナイスヒット~(笑)」

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