表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/188

ラスボス降臨



「レオハルト。これは一体何の余興だ。

このような場で、堂々と私の婚約者を卑下し、

あまつさえ近衛騎士に命令して捕らえさせようとは、

一体どう言うつもりだ?」

ディルは低い声で、睨むようにレオさまとやら・・・

本名はレオハルト殿下と言うのですね・・・を見やります。

ディルさまの角が金色に変わっています。

今回は魔力・・・と言うか、覇気のせいでしょうか・・・?


「ち、違うのです、ディランさま!

また姉さまが私に酷いことを言うから、

レオさまが庇ってくださったのです・・・うぅ・・・っ!」

この空気で、果敢にも口を開く度胸は、賞賛に値します。

さすがは要注意人物・ピンク髪。

むしろ、竜姫さまに散々酷いことを言ったのはそちらでは・・・?


「貴様は何様だ?貴様に私の名を呼ぶ許可を与えた覚えはないが」


「そんな・・・えと・・・

私は、未来のディランさまの義妹ですよ?」

どうしてこの場で微笑むことができるのでしょう?


シンシャ兄さまなんて、「おのれピンク髪」と、

何やら呪文をとなえ始めましたし。


「不愉快だ。アルダ、この女が声を出せぬようつぶせ」


「はい、ディルさま」

冷静な声がそれに応じると、

するりと刀身を抜き去り、一気に間合いを詰めて

ピンク髪に迫ります・・・って、


ちょと―――っ!!?何を・・・っ!


「いやあああぁあぁぁっ!!!」

ピンク髪、間一髪で丸くなってその攻撃を躱す。

しかし、命じられたアルダさんの目がマジなんですけど。

めっちゃアサシンっぽい感じなんですけど!?


「ひいいぃっ」

レオハルト殿下なんて、ピンク髪を庇うどころか、

颯爽と逃げて騎士の礼を取り続ける近衛騎士隊員の影に隠れましたよ?


「腕が邪魔だな。斬り落とせ」


「はっ」

いやおい、アンタら!何言ってんの!?

アルダさんが感情を微塵も出さない冷たい目で刀身を振り下ろす。

あれ、一瞬アルダさんの瞳孔が、縦長に見えたのですが・・・

一方ピンク髪が狂声を上げながら後ろを向いて逃げ出しましたよ!?


「さすがはピンク髪、あの剣裁きを躱せるのは、

やはりヒロインチートか・・・ぶつぶつ」

シンシャ兄さまがまたわけのわからないことを呟いていますね。


「こざかしいから、脚を落としてしまえ」

って、そんなことを考えていた隙に、また行くのですか!?


「はっ」


「いやあああぁあぁぁっ!!助けて!私は、ドラグニール公爵令嬢よ!?」

そう叫びながら、群衆を掻き分け逃げるわ、逃げる。


「あの・・・ディル・・・?」


「どうした、メイリィ」

あの、私の方を見た瞬間に甘い表情になりましたけど。


「アルダさんを止めなくていいのですか?」


「何故?」

そうきたか―――――っ!!!


「取り敢えず、話しましょう!それからです」


「・・・メイリィが言うのなら・・・アルダ、戻れ」


「はい」

その瞬間、アルダさんはディルの足元にかしずいていました。

軽く仲間意識を覚えていたのですが、

別世界の住民のような気がしてきました。

そう言えば、目の瞳孔は丸く戻っています。


さて、ピンク髪の方はと言うと、

ありゃりゃ・・・近衛騎士隊員に腕を拘束され、

脚から血を垂らしながら引きずられています。


「ディルさま、申し訳ありません。

群衆の中でしたので、けんしか斬れませんでした」

いや、結局そこ斬ったんかいっ!!


「さて、竜帝陛下がいらっしゃるこの夜会の場で、

醜態をさらした罪は重いぞ?」


「ひ・・・っ、ひど・・・い・・・わたし・・・は、

ドラグニール公爵家の・・・」


「だから何だ?皇太子である私よりも偉いということか?」


「えと・・・」


「あと、レオハルト」


「は・・・はい、兄上」

レオハルト殿下は、顔面蒼白で正座しておりました。


「アナスタシアはもうお前の婚約者ではない」

あ、竜姫さまの名前を呼んだ・・・


「はい」


「アナスタシアの名を呼び捨てで呼ぶことは許可しないし、

私の婚約者たちをひとりでも侮辱するのならば、

それ相応の罰があると思え」


「は・・・はい」


「貴様は何様だったか?」


「だ・・・第3皇子で・・・ござい、ます」

何か、態度が急に大人しくなりましたね。


「第3皇子の分際で、第1皇子で皇太子の私を差し置き、

権力を振りかざすとはいいご身分だな」


「も、申し訳ございません!

この女とは別れますので、どうかお許しを!!」

レオハルト殿下が平伏していらっしゃる。

それを聞いて、ピンク髪が驚愕しました。


「そんな・・・レオさま・・・!

私を見捨てるなんて言わないでよ!」


「今度あの目障りなピンク髪を俺の前に晒してみろ。

アルダが即座に四肢と首を斬り落とし、

お前の部屋にまとめて朽ちるまで吊るすぞ」


「は、はいいいいぃぃぃぃぃっっ!!!」

えと・・・ディル・・・?

それ、冗談ですよね・・・?

何かレオハルト殿下が本気で

床に額をこすりつけて平伏してるんですが。


「いやあああぁあぁぁっ!!レオさま助けてぇっ!!」


「お前たち、即座にこの女を尼僧院へ送り、

一生そこですごさせろ!生涯出ることはかなわん」


「いや!尼僧院なんていやぁっ!!」

暴れるピンク髪を騎士たちが引きずって連れて行き、

ディルからウザイから下がれと命じられたレオハルト殿下は、

即座にその場を後にしました。


「いやぁ、緊迫の展開だったね、

今日もピンク髪をとっちめられて、

世界の平和は守られた!」

と、シンシャ兄さま。

シンシャ兄さまはピンク髪にトラウマでもあるのですか?


「メイリィったら、立派になったわね」

そう言って、エイダ義姉さまが優しく頭を撫でてくれます。

でも、すかさずディルに回収されたとです。


「あの・・・兄さまたちはどうしてここへ」


「あのような騒ぎが起これば、嫌でも見に行くさ」

と、颯爽と駆けつけてくださったシンシャ兄さま。


「でも、ディルが来ることを、エイダ義姉さまたちはよくわかりましたね」


「そうでなきゃ、王太子は務まらないよ~」

「そうねぇ~」

それは王太子のスキルに関係あるのでしょうか?

先を読んで行動する的なスキルですかね。

何はともあれ、シスコンな以外はとっても優秀なお兄さまですから。


「ディルも、ありがとうございます」


「・・・席を作ったから、メイリィを呼びに来た」


「そうでしたか。おかげで助かりました」

スリリングな展開にもなりましたけどね。


「竜姫さまのこともありがとうございます」

そう言って、竜姫さまを探しますが・・・

どこにもいらっしゃらないようです。


「あの女がうるさかったから、あれの名を使っただけだ」

そうは言いつつも、ちゃんと名前を憶えていらしたのですね。

意外とツンデレなのでしょうか?

ヤンデレ臭もしますけど。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ