3話 だから、世界を作ることにした。
世界は炎に包まれていた。
それはもう、世界中のドラゴンと、ドラゴンの食料となる草木と海水と、ドラゴンが。
彼らは共食いをするらしい。
何と恐ろしいことか。
さぁ。どうしてこうなった。
思い返してみる。
1、俺は詠唱をしようとした。
2、時間が止まってたからできなかった。
3、でも魔法は発動したらしい。
?
つまりは、無詠唱でやったってことか!
なるほど!!!すげぇな俺!
じゃねぇわ!!!!!
つまりはあれか?
詠唱をしたらファイヤーボールのはずだったけど
強すぎる俺の力と、初めて使う俺の精神が合わさって
間違って終焉の業火級の業火を解き放ってしまったってワケだな?そうだな?そうなんだな!?俺!?
何をやっているんだ!!!、、おれ!!
俺は再び感知を使った。
生命反応無し。星の活動停止。
(このままではこの星は空気の膜が消えたことにより自壊します。)
まてまてまてまて!
ドラゴン、玉か!?惑星ベジット的なのが、
滅ぶから緊急脱出しないといけないってか!?
大丈夫なのか?この星消えて平気なんか?
いやでもドラゴンしかいなかったしな。
てか待てよ、俺息できるんか?
でも死なないらしいしな。何とかはなるか。
よし、飛んで他の星にでもいって、探索してみるか。
!!!!
あっ、まだ時止まってるんだった。
そして時を解放した。
つもりだった。
俺は時を動かすつもりが時間の流れを加速させてしまったらしい。目の前でビックバンが起きて、星が壊れたかと思ったら、再度目の前で星がぶつかり、新しい星ができた。そこは良く地球に似た、自然豊かな土地で、生物が生まれるには十分なところとなった。
そして俺は急いで、加速を止めた。
!!!!!!
また、時間を止めてしまった。
次は、うまく動いたはず。
時間の流れが普通に進んでたとしても、俺しかいないからよくわからない。
まぁでも、前世で動かしてた感覚と何ら変わらないから大丈夫だろう。
そして、俺は今、新たな星の上を歩いてみた。
へへへ。なんとも言えない高揚感!
人類未踏の地であり、今さっきできた星であり!
出来立てほかほかの踏み心地を味わった!
飽きた。
だって、だってさ、なんも無いんだもん。
あるよ?確かに、海、山、草木! あとスッゲー火山も!2時間も堪能したらもう飽きたわ。
あっ時間は体内時計ね。
はぁ、疲れたな。
これからどうしよう。ちょっと寝るか。
彼は寝た。
そう。寝てしまったのだ。
彼は起きた時。
自分が時をまた加速させてしまったのかと思った。
しかし違った。
彼は初めての転生で、初めての大技を使い、
初めての大量時間加速を行い、つかれていたのだ。
そして彼の時間感覚はすでに前世の人間のものとは違ったのだ。彼は起きた時。
自分が寝坊したことに気づいたと同時に、
そこに見知った形態の生物。
人類がいたことに歓喜した。
彼はそれが自分の力で行ったのだとは気づかない。
彼は眠っていたから。
彼は自分がイメージを具現化する力があるとは知らなかったから。
彼は、それほど孤独を感じていることには気づいていなかったから。
でも、やっぱり、
『人っていいな。』と思ったのであった。