1話 俺は転生1分後でもう死にそうなんだけど、
持て余した力を持つ存在というのは、存在する。
彼らは日々自分の出来ること、したいことを考えて実行する。
彼らは神ではなく、人であり、正解を知らない。
いや、もしかしたら、
この世界に正解なんて無いのかもしれない。
きっとこの答えも間違ってる世界もあるだろう。
でもそれでいいんだと思う。
考え方は沢山ある。彼らは、自分の置かれた状況を生きていく。そこで生まれる考え方に正解も不正解も無いんだと思う。あるのは、みんなの好みだと思う。
だから、俺はここで生きる事にした。
俺は剛悟。
今日生まれて初めて、死んだ。
うん。当たり前だ。
死因は事故死。車を運転していたら信号無視した車に横から突っ込まれて死んだ。普通の人生だった。
悪くもなく、よくもないこともなかったのか?
俺は今40歳の誕生日だったんだが、
車の運転をしていたのは、仕事の帰りで
妻と娘のいるマイホームへ帰る途中だった。
俺は何か実績を残したわけでもなく、
普通に仕事をして、貧しくもなく、裕福でもない生活を家族として、過ごしてきた。
娘の笑顔と嫁の笑顔、これで俺は幸せだった。
けど、心のどこかで、これでいいんだろうかとずっと悩んできた。世界では今日も死んでいく人がいて、戦争が起きてて、辛い思いをしてる人も沢山いる。
もちろん俺も仕事はきつい。辛いし、死にたいと思うことも良くある。けど毎度、娘と嫁に迷惑がかかると踏みとどまってきた。
俺は、世界を救う発明なんかを出来る様な
俺は、たくさんの人に必要とされる様な
『何か』
俺はそんな存在になりたかったんだと思う。
でも、俺は今日も生きている?
なぜだろうか。
そして、目の前にドラゴンがいるのは何でだろうか?
ドラゴンって見ただけでドラゴンってわかるんだな、
(あっ爪がこっち向いた)
あっ俺これ死ぬんじゃないかな。