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7年目の約束-連載版-  作者: ひろきち
第2章 7年目秋~冬
92/189

親父とおっさん①

2学期が始まり、休みボケも落ち着いてきたところで秋の連休シルバーウィークがやってくる。

特に予定を立てていたわけではなかったんだけど、今年は海外赴任している親父たちが一時帰国をすると連絡があった。


そして今、俺は楓と一緒に空港で親父たちの到着を待っているところだ。


「飛行機はもう着いてるはずなんだけどなぁ」

「そうだね。何かトラブルかなぁ」


と到着が遅い親父たちを待っていたわけなんだけど・・・


「健吾!楓ちゃん!」

「え?親父何で後ろから?」

「いや結構早く着いちまったんでロビーでお前たち眺めてたんだよ」

「眺めてたって・・・なんで?」

「それはもちろん 健吾と楓ちゃんがイチャイチャしてるところを動画にでも収めておこうかと」

「母さん・・・・」

「それなのにちっともイチャイチャしないんだもの。お母さん悲しいわ・・・」


自分の親だし、嫌というわけではないが。。。。なんというか雫姉とはまた違う意味で面倒な人達なんだよな。


「あ あのおじ様おば様、ご無沙汰しています。楓です」

「あら~楓ちゃん 美人さんになっちゃって♡ ご丁寧にどうも。

 でもね、おじ様とかおば様とか堅苦しく言わないでお義父さんお義母さんでいいわよ」

「か 母さん・・・・楓も困ってるじゃん」


楓は顔を赤くして「お義父さんお義母さんって・・・・」と何だか小さい声でボソボソとつぶやいてる。

多分色々と妄想の世界に入っているのだろう。

にしても、五月おばさんたちも大概だけど、親父たちもなぁ~

まぁ昔から楓の事を可愛がってたしな。


「そ それよりさ、この後は俺のマンションまで行けばいいのか?

 後、親父達ってどこ泊るんだ?うちでもいいけど二人が泊まるには狭いよ?」

「ん?あぁ言ってなかったか。小早川さんのところに少し厄介になる。

 後は、兄貴のところに少し泊って、アメリカに戻る感じだな」

「え?うちに泊まるんだったんですか?」

「ええ。五月や大樹さんにも話してあるわよ。

 荷物も今日の午前着で送ってあるし」

「し 知らなかった」


まぁ色々と調整はしてあるみたいだし。

ということで、一旦俺の家に行くことになった。

親として俺がどんな暮らしをしているか見ておきたいとの事だ。

何だか自分の部屋をのぞかれるみたいで少し恥ずかしいけど、ま まぁ見られて困るようなものは無いはずだ。多分・・・


ってことでバスと電車を乗り継ぎ俺の家までやってきた。

楓は一旦家に帰り親父たちを迎えるとの事で、今は親子3人だ。


「へぇ写真では見てたけど中々綺麗なところだな」

「だね。俺も家賃聞いてもっと古い建物かと思ってた。

 親父の知り合いの紹介なんだよね?」

「あぁ。今度会う相良の紹介だ。前に地主って話しただろ。

 相良はIT系の会社に勤めてるSEだけど、お兄さんが親父さんの後を継いで不動産業をやってるんだよ」

「ここって相良さんの紹介だったのか・・・会ったときにお礼言わないとな」


しかし、地主って事は、もしかして小島先生って玉の輿的な感じなのか?


「あ、相良とは明日の昼に会う話してるから健吾と楓ちゃんもよろしくな」

「わかったけど、どこで会うの?」

「川北の方に相良の妹さんがレストラン経営してるらしくて、そこの個室を抑えてるらしい」

「妹さんもいるんだ。結構な資産家なんだね相良さんって」

「まぁ あいつもSEとかやってるけど株でも結構儲けてるらしいぞ。

 それに妹さんも結構なやり手らしいしな」


何だか凄い一族だな。小島先生大丈夫か?


「それより、そろそろ中に入れてくれないか?玄関で立ち話もなぁ」

「あ、ゴメン今鍵開けるよ」


「あら、綺麗に片付いてるわね。楓ちゃんが掃除に来てくれてるのかしら?」

「た 確かに時々家事をしに来てくれるけど、俺が自分で掃除とかしてるんだよ」

「ふふ 冗談だったんだけど半分本当だったんだ。

 でもまぁ健吾は、掃除とか料理とか昔から出来てたから、そのあたりは心配はしてなかったのよね」

「そうだな。料理とか普通に上手かったからな」

「でもまぁ家も綺麗にしてるし食事もしっかりしてるみたいだし、素敵な彼女も作れたみたいだし、お母さんも安心したわよ」

「それはどうも・・・」


褒められてるのかこれは?あんまりこういう言われ方した事なかったからな。

何となく照れるな。


ということで紹介するほど広い家でもないので、お茶を飲みながら久しぶりに親子水入らずの団欒を楽しみ、お世話になる小早川家に向かった。


「誠子!!」

「五月!!」

「「久しぶり~♪」」


何というか母さんたちのノリが女子校チックだ・・・

まぁ俺も楓も母さんたちが大学卒業してすぐ生まれた子供だから二人ともまだアラフォー。見た目も若いし、このノリでもそこまで違和感はないんだけど。


「さ、雄一さんも誠子も健吾君も早く上がって」


と五月おばさんに従いリビングへ。

リビングでは楓や紅葉が夕飯の手伝いで動き回っていた。

そして、テーブルの上にはお寿司の他に揚げ物やサラダ等美味しそうな料理が並んでいる。


「やぁいらっしゃい。雄一も誠子さんも久しぶりだな」

と大樹おじさん。親父の大学の先輩らしい。


「ご無沙汰してます。健吾が色々とお世話になってるみたいで」

「いやぁ~ うちは女の子ばかりだからね息子が出来たみたいでむしろ嬉しいよ。まぁそのうち本当の息子になるんだろうけどな」

「そういうことならうちにも娘が出来ますね」

「「はははは」」

「・・・・」


何だかコメントが難しいぞ親父。。。

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