表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7年目の約束-連載版-  作者: ひろきち
第1章 7年目春~夏
83/189

田辺雫③

突然現われ、嵐の様に去っていった雫姉。

何だか亮兄こと牧村コーチが三上コーチに色々と追及されてるけど・・・・

深く考えないことにしておこう。ゴメンねコーチ。


雫姉の乱入で一時部活も中断されたけど、その後は普通に練習が行われ昼過ぎに解散した。今日もいい汗かきました。

ちなみに夏休み中の練習は基本午前中で練習試合とかの時だけ午後も行うこととなっている。体育館の俺達は直接関係ないけど、午後は日差しも強いし屋外の部活は熱中症とか危険だし部活動の統一ルールということで確か施行されているんだよな。


というわけで練習を終えた俺は楓や裕也達との帰り道だ。


「なぁ楓、雫姉ってコーチと付き合ってたのか?」

「う~ん。私もわからないんだよね。ケンちゃんが引っ越してから雫姉とはメールだけで滅多に会うこともなくなっちゃったからね」

「ん?俺が引っ越した後も雫姉とは会ったことあるのか?」

「うん。何回か川野辺には来てたよ・・・・・あ、もしかして亮兄に会いに?」


亮兄は楓の従兄なわけだけど、家は割と近くて同じ川野辺町だ。

俺んちが無くなったなら、雫姉が川野辺に来る用事もないはずだし、亮兄に会いに来て帰りに楓達と会ったりしてたのかも。


「亮兄さんが雫さんに会いに行ってたりとかもあるかもしれないし、やっぱり付き合ってたのかもね」

「あぁ確かに当時から仲良さそうだったし、なんだかんだ雫姉さん美人だしな」


と裕也と村田さんも同意。

この2人は昔の2人の事も知ってるからな。


「雫さん。急な登場ってこともあったけどメチャクチャバスケ上手かったよな。

 コーチを抜いた時のフェイントからのシュートなんて俺も無理だよ」

「うん。うん。凄かったよ。恩田先輩も『凄ーーい』ってびっくりしてたよ」


福島と浜野さんは初対面だったわけだけど、結構衝撃だったみたいだ。

確かに俺もあんなにバスケが上手いとは思ってなかった・・・


[ピン]

「ん?雫姉?」

[バタバタしちゃってごめんね。実家に着きました。アメリカに戻る前にまた川野辺に寄るから裕也達にも声掛けといて]


「ケンちゃん 雫姉からメール?」

「あぁアメリカ帰る前にまた川野辺に来るらしい。で、裕也達とも話したいから声掛けといて欲しい書いてあった」

「そっか。帰っちゃうんだよね。来週末だっけ?」

「あぁ。ということで裕也、村田さん多分来週の土曜だけど少し付き合ってくれるかな」

「あぁいいよ。俺も雫姉さんとは久々だしな」

「私も良いよ。バスケの話とかも聞きたいし」

「ありがと。ということで福島と浜野さんもどうだ?」

「え?俺達もいいのか?」

「うん。会えるなら私もバスケの話とかしたいな」

「あぁ裕也と村田さんの彼氏・彼女にも会ってみたいだろうしなw」


福島と浜野さんが来れば、裕也と村田さんも弄られるだろうし、俺や楓への口撃も少しは緩まるかななんて考えて誘ったわけじゃないよ。


「じゃ予定決まったらまた連絡するよ」

「雫と会うなら俺達も行っていいかな」

「へ?亮兄に三上コーチ」


いつの間に追いつかれたのか、俺達の後ろには牧村コーチと三上コーチ、それに恩田先輩が居た。それにしても亮兄はわかるけど三上コーチたちも雫姉に?


「お前ら知らなかったと思うけど、俺と雫は中学の頃から付き合ってたんだ。まぁ今にして思うと俺が一方的に惚れてただけなのかもしれないけど、高校卒業の時何も言わず海外に行っちまったんだよ。携帯変えたのか連絡もつかないし」

「そ そうだったんだ」

「今日は急だったし話も出来なかったから、ちゃんと話をしたいんだよ」

「わかったよ。雫姉には連絡しとく」

「ありがとうな健吾」

「三上コーチは亮兄の事が気になるのかもですが恩田先輩も?」


三上コーチはあきらかに亮兄の事好きだよな。

高校時代からクラスメートらしいし大学も一緒だもんな。


「ば ばかなこと言うな私が亮の事でとか・・・こら村田、浜野それに恩田!笑うな」

「 ふふ・・・すみません三上コーチw

 田辺君。私たちは純粋に雫さんとバスケの話しがしたいんだよ。"田辺 雫"私が高校1年、三上コーチが3年でバスケ部部長だった時に全国大会で優勝した東京女子学院のエースでポイントガードだった選手だよ」

「そ。さっきは思い出せなかったけど、亮に名前を聞いて思い出したんだ。

 当時川野辺高校は県予選で敗退したんだけど全国大会は恩田と見に行ったんだよね。同い年なのに凄いプレーを見せられて凄く感動した」

「全国大会優勝チームのエース・・・雫姉さん凄いんだな・・・」


うん。俺も驚いた。確かに上手かったけど全国大会優勝チームのエースとか凄すぎだろ。それに確か前に成績は学校でトップだったって聞いたことあるぞ。

東京女子学院って結構な進学校だった気がするし、留学先でも英語とか不自由してないみたいだし、普通にカフェでフロアのバイトもしてるとか言ってたよな。

今更ながらに凄すぎるな雫姉。


「わ わかりました。人数も多いしどうするか雫姉とも相談します」

「うん お願いね」


さぁてどうやって雫姉と会えばいいんだ?

亮兄は別枠の方がいい気がするし、だとすると三上コーチはどうしたもんか・・色々と面倒になってきたぞ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
続編もよろしく! 恋人たちの四重奏
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ