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7年目の約束-連載版-  作者: ひろきち
第1章 7年目春~夏
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また頑張ろう。そして今を楽しもう。

試合の後、病院に向かう恩田先輩と女子バスの三上コーチ、それに付き添いを申し出た小宮部長を残しバスケ部メンバは川野辺に戻るバスの中に居た。

負けたからということもあるけどムードメーカーでもあった恩田先輩の負傷が余計に全体に影を落としていた。


「ほらみんな元気出せ!負けたとは言っても男女ともに全国大会3回戦まで行けたんだ。俺達の頃なんて全国大会すら出れなかったんだぜ。もっと堂々としろ!

それに3年生は確かに今回で引退かもしれないが、1,2年はまだ来年があるんだ。バスケ部がなくなるわけじゃない。来年は更に上を目指そう!」

「そうだ。俺も顧問になって初の全国大会だったが、みんなの活躍は素晴らしかったと思う。たくさんの強豪校と戦い、そして全国でも2勝した。

ただ、3戦目はあと一歩相手の力が上だったんだ。次はその一歩を越えられるようまた頑張ればいいと思うが違うか?」


コーチと先生からの言葉。何だか身に染みるな。

確かに全国大会に出るまでは倉北や森下と色々な高校と戦ってきたんだ。

そして神奈川代表として宮城や奈良の代表とも戦った。

だから俺達が自分達の力を恥じることは彼らにも失礼だ。先生が言う通り次は今日の負けを越えられる力をつければいいんだよな。


「裕也。それに福島、長谷部。来年は優勝しような」

「「あぁ!!」」


ちょっと田中先生を見直した気がする・・・・今度真面目に授業受けよう。


-----------------

疲れも溜まっているだろうということで、翌日から3日間は部活は休みとなった。そして4日目からは福島を部長、裕也を副部長とした新体制で活動が再開される。あいつらも張り切ってるし盛り立ててやるつもりだ。

ちなみに女子バスは村田さんが部長だ。副部長は当初楓がなる予定だったらしいけど、楓が戦術眼の優れた浜野さんを推薦し浜野さんが副部長となったらしい。

確かに浜野さんは川北中のキャプテンとして定評があったらしいし、1年の頃はマネージャとして各高校の偵察なんかにも行ってたらしいので、その知識量や人柄から見ても適任なのかもしれない。


それから今まで顧問は田中先生が男女両方のバスケ部を見ていたけど、今回の大会で色々と事務仕事で人手が足りなかったらしく、田中先生は男子バスケ専属となり、女子バスケ部は小島先生が顧問として入ることになった。

意外にも小島先生もバスケ部のOGだったらしい・・・・

本人曰く万年補欠でほとんどマネージャ業だったらしいけど。

でも先生が走っている姿とか・・・あんまり想像できないんだよな。


まぁそんな感じで色々と環境は変わるわけだけど、夏休みの部活のスケジュールも見えてきたので、今日は紅葉に頼まれていた海水浴の計画を練るため小早川家にお邪魔している。


「というわけで、親父の知り合いが経営しているプライベートビーチに行こうかと思うんだけどそこで良いかな?」

「うん!もちろんいいよ。プライベートビーチって言うくらいだから空いてそうだし海もきれいなんだよね?」

「まぁ俺が行ったのは10年以上前だから、あんまり覚えてないんだけど綺麗だった気はするな。客は隣接ホテルのお客さんだけみたいだから空いてるとは思うよ」

「何だか楽しみだよね」

「あ、そうだ紅葉。行くのは俺と楓と紅葉の3人だけでいいのか?一応先方からは何人でもいいとは言われてるんだけど人数だけ教えて欲しいって言われてるんだ。友達とか呼びたければ呼んでも大丈夫だぞ。それから出来れば俺も裕也達に声掛けたいんだけど構わないかな」


伊豆のホテルに泊まった後、真壁さんから連絡があって話をしてたら折角だから友達も連れて遊びに来ればいいって言ってくれたんだよね。紅葉がOKなら裕也達も声掛けようかと思ってるんだよね。


「清水先輩達は全然構わないよ。私もお世話になってるし。私の友達かぁ・・・・・一人いいかな」

「裕也達の件ありがとな。後で連絡入れるて調整するよ。紅葉の友達は一人でいいのか?」

「う うん」


何だかちょっと顔が赤いけど・・・・・そういうことか♪


「ケンちゃん。紅葉が彼氏を紹介してくれるみたいだよ~♪」

「お お姉ちゃん!高坂君はまだそういうのじゃないから!!」


おっ楓も気が付いたみたいだな♪というか名前出しちゃってるしw


「そうか高坂君かぁ~ ちゃんと紹介しなさいよ♪紅葉も結構モテるみたいだしねぇ」

「うぅ~ 告白はされたけど本当にまだ付き合ってはいないんだよ」

「ん?どういうこと?」

「私も高坂君の事は好きなんだけど、付き合うのは一緒に川野辺高校受かってからにしようって話してて・・・

 でもやっぱり告白とかされちゃうと意識しちゃって夏季講習でほとんど毎日会ってるんだけど、彼の事目で追っちゃって何だか勉強も集中できなくて・・・」

「それなら、もう付き合っちゃえばいいんじゃないの?」

「高校受かったらって言いだしたの私だし・・・今回は特別にってことで1日だけでも一緒に楽しみたいなぁ~って思って」

「・・・・・」

「お姉ちゃん?」

「紅葉めちゃくちゃ可愛い!!うんお姉ちゃんも応援してあげるからね!!

 ケンちゃんももちろん応援してあげるよね!!」

「え? あぁぁもちろん!」


何だか楓のテンションメチャクチャ上がってるな。

でも、あの紅葉に彼氏かぁ~どんな子なのかなぁ~


ちなみに裕也と浜野さん、福島と村田さんに声を掛けたら4人とも部活が無い日なら今のところOKということだった。

楽しい夏休みになりそうだな。

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