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7年目の約束-連載版-  作者: ひろきち
第1章 7年目春~夏
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地区予選

地区予選2回戦目。

俺達 川野辺高校としては初戦となる試合だ。

今日は市内の体育館での試合。

川野辺駅前に集合し電車移動だ。


「おはようございます。先輩 何だか緊張しちゃいますね」


初の公式戦だからか1年の栗田が、緊張した面持ちで話しかけてきた。

まぁ俺も公式戦は初なんだけどね・・・・

ということで俺も30分も前に集合場所に来てしまった。栗田には言えまい。

そんな栗田は1年だけど、コーチの評価も高く試合に出る可能性が高い。

裕也の指導が良いのかもな。かなりスパルタみたいだけど・・・


「よぉ早いな」


小宮先輩、畑先輩、森野先輩がバスから降りてきた。

3人は川北中出身だから少し駅からは家が遠いんだよね。


「うちは駅から近いんで」


間違っても緊張して早く来たわけでは。。。

まぁ多分、本当に一番近いだろうし。

と先輩達と話をしていると裕也や福島をはじめ他のメンバも徐々に集まってきた。メンバが全員揃ったところで、電車に乗り市内の体育館へ向かった。


車窓を眺めていると裕也が声を掛けてきた。


「おい 健吾。隣の車両見て見ろよ」

「ん? あ!」


隣りの車両には渋川さんと結城がドアにもたれかかる形で楽しそうに話をしていた。今からデートかな?


「ちゃんと付き合ってたんだな」

「あぁ これで健吾も安心して小早川とイチャつけるな」

「う うるさいな!」


ともあれ、ちょっとあの二人の事は気になってたからよかった。

まぁ結城には、どうやって告白したかと今度じっくり話を聞かせてもらおう。


二人は隣の駅で下車した。仲良さげに手を繋いで。

例のショッピングモールにでも行くのかな。

にしても、あの二人は美男美女ということで絵になるしお似合いだな。


-----------------------

4駅程電車に揺られ、市の中心駅に到着。

ここからは徒歩で移動だ。

駅前のバスターミナルを抜けた先にある緑地公園。体育館はその敷地内にある。

土曜日ということで緑地で遊ぶ家族連れを横目に体育館へ。

到着後、早速ユニフォームに着替えボールを持ってアップを開始した。


「よし、軽く柔軟とパス連してアップを開始しとけ。

 小宮と佐藤、あと福島は話があるからこっちへ来い」


とコーチ。作戦の最終確認かな?

とりあえず、俺は裕也と組んで柔軟やパス連を行った。

いつものルーチンで身体を動かすと、だいぶ緊張もほぐれてくるな。


程なくして、本日の対戦校である倉北学園の選手もアップを開始した。

昨日福島を訪ねてきた小泉も居る。

何だかこっちを睨んでるけど、昨日何か余計なスイッチ入れちゃったかな・・・


小宮先輩達がコーチと戻ってきたところで試合前のミーティング。

そして、いつもの様に


「今までの練習の成果が出せれば勝てる試合だ!気合入れてけ!」

「「おお!!」」


とコーチの激で試合に臨んだ


◇◇◇◇◇◇◇◇

そしていよいよ試合開始。

今日は俺もスターティングメンバーだ。

他は小宮先輩に佐藤先輩、そして福島と森野先輩。


森野先輩と倉北の小泉のジャンプボールは小泉が競り勝った。

そして、流れる様にボールを拾いゴールに向かう川北のスモールフォワード。

コーチ曰く俺とプレイスタイルが似ているらしい2年の石森。

とにかく前へ向かう突破力と攻撃性、シュートやポジショニングのセンスとスピード・・・と言われたが間接的に褒められてる様でちょっと照れたなあれ。

ということで、今日の俺の相手だ。


石森と並走して走る。そして俺が前に出るとドリブルを止め走りこんできた小泉にパス。

小泉には森野先輩が付いているが、パスが通る前に福島が間に走り込みパスカット。そしてそのままゴール近くにポジションをとっていた佐藤先輩にパスし先制点を決めた。


「先輩!ナイスシュート」

今日のディフェンスはマンツーマンが基本だけど、状況に応じて福島と佐藤先輩はフリーで動き残りのメンバでゾーンを組みディフェンスをすることとしていた。


倉北の攻撃パターンはある程度予測はしていたけど、実際に戦うのと机上の予測とでは違うところも多く、マークも度々外され得点を許すことになった。


ただ、相手はまだ選手層が薄いのか交代が少ないことに対して、こちらは交代を多用しスタミナのある選手を相手にマッチし体力を奪っていった。


そして・・・


スコア68対71で川野辺高校の勝利。

本当ぎりぎりだけど何とか勝ち残れた。

正直なところ倉北のレギュラー陣だけ見ると個々のレベルでは負けていた気がする。来年さらに選手層が厚くなったら・・・・


-----------------------

帰りの電車。

皆疲労困憊状態だ。

座れたものは既に寝てるし、吊革にぶら下がりながら寝てるのもいる。

倉北の上を行くため、運動量だけは負けないようにしてたからね。

俺もとりあえず早く帰って寝たい。。。。


と別会場で試合だった楓からメールが来た。

『勝ったよ~!!恩田先輩凄かったんだよ!!

 あ、私も得点入れたけど綾ちゃんも大活躍で・・・』

何だか勝って興奮してるのかテンション高めのメッセージが送られてくる。

とりあえず、男女ともに2回戦突破ということで楓にも[おめでとう]というメッセージと[俺達も何とか勝てた]とだけメッセージを送りそのまま吊革にぶら下がりながら眠りついた。

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