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7年目の約束-連載版-  作者: ひろきち
第1章 7年目春~夏
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バイト初日

日曜日。

今日はバイト初日。長谷部の親父さんに言われた通り喫茶店に来ていた。


「朝早くから悪いねぇ」

「いえ早起きは得意ですから大丈夫ですよ」


今は朝6時。この喫茶店は駅前ということで6時半に開店してモーニングサービスを行っているんだ。

まぁ平日朝は、俺も長谷部も湯川さんも高校生で学校があるから、バイトは出来ないんだけど一応土日はバイトできるし、どんな業務をしているかの説明を行うとの事だ。


「え~と、この人がバイトリーダをしてくれている島田さん。

 今日の教育も島田さんにお願いしてあるからわからないことがあれば彼女に聞いてね」


と店長。おじさんが教えてくれるんじゃないんだ。

というか湯川さんや長谷部以外もバイト居るんだな。


「はい。田辺健吾です。今日はよろしくお願いします」

「こちらこそ。島田琴美です。川野辺大学の1年生よ。このお店は高校の頃からバイトさせてもらってるの。

 田辺君って川野辺高校の生徒でしょ?部活って何やってるの?」

「あ、バスケ部です。この店の息子さんと一緒です」

「誠君のお仲間か。私はバレーボール部だったんだ」

「じゃあ湯川さんの先輩なんですね」

「そうよ。美代ちゃんは元々店長とも知り合いだったみたいだけど、部活でバイトの相談されたんで紹介したの。他にもバイトの子いるけど、元バレー部の子とかも多いわよ」


なるほど。バイトが集まりにくいから部活つながりで声掛けたのか。

でも、湯川さんもだけど島田さんも美人さんだよな。


「日曜の朝は比較的空いてるからゆっくり説明できると思うけど、とりあえず一通りの業務説明するわね」


ということで島田さんにメニューの種類、店内の設備、レジの使い方、接客マナーの説明を受けた。接客業が初めてということもあるけど、意外と覚えること多いな・・

説明を受けているといつの間にやら6時半。開店時間だ。

島田さんに説明を受け、入り口に掛かっている札を"営業中"に切り替え、モーニング実施中の立て看板を外に出した。

と早速のお客様。


「いらっしゃいませ~」


島田さんに習った営業スマイルで挨拶。

年齢は若そうだけど、落ち着いた感じの服装をした男女カップルだ。

マニュアルに従い奥のテーブル席にご案内。

と島田先輩がこっちに向かってきた。

『ん?何か間違ってたか?』


「あ、小山内君に麗香ちゃんか。いらっしゃい。こんな早くから、二人してデートかなw」

「せ 先輩からかわないでくださいよ。ま、この後映画に行くんでデートであることは間違ってないですが」


と小山内と呼ばれた男性。島田先輩と知り合い見たいだ。後輩かな?

女の人の方は照れてるのか顔を赤くして俯いてるけど綺麗な人だなぁ~


「あ、そうだ二人とも。この子今日からの新しいバイトの子なんだけど、川野辺高校の2年生だから君たちの後輩だよ」

「へぇ朝早くからご苦労様。僕は3年A組の小山内源、島田さんは図書委員の先輩だったんだ。で、こっちはC組の梶麗香さんだ」

「よろしくね」


島田先輩って図書委員だったんだ。あまり本のイメージ無いけど。。。

梶先輩?梶麗華?どこかで聞いたことあるような。

それにしてもさっきから俺の事ちらちら見てくるの何故だ?


「僕は2年A組の田辺健吾です。A組というと小宮先輩や恩田先輩と同じクラスの方ですね」

「小宮・・・ということはバスケ部の子か。うんあいつとは中学からの付き合いというか腐れ縁でね。後、麗香は恩田さんの幼馴染だよ」

「そうなんですか。先輩達にはいつもお世話になってます」


と今までおとなしかった麗香さんが急に話しだした。


「バスケ部で思い出した!源君、田辺君ってランキング3位で模試4位の人だよ」

「あぁそれでか、どこかで見たような気がしてたのは」

「え?何3位って」


と島田先輩。


「校内新聞のランキングですよ。今年の彼氏にしたい部門の3位なんですよ彼。

 それと5月の全国模試で川野辺高校初の全国4位も取ったんです」

「え!田辺君ってそんな凄い子なの?頭良くて、モテてて、バスケ部なんでしょ?超優良物件なんじゃない!」

「島田先輩。。。後輩に手を出しちゃダメですよ。田辺君も気を付けてね。この人肉食系だから」


に 肉食系・・・・確かに背も高いし強そうだ。


「だ、大丈夫ですよ。彼女いますし俺一途なんで」

「ちっ 彼女いるのか・・・」


先輩?・・・今舌打ちした?


[カランコロンカラン]

あっまたお客様だ。


「いらっしゃいませ」

「島田先輩!俺対応しますね。小山内先輩、梶先輩それでは失礼します」

「バイト初日だというのに中々の働き者ですね」

「そうだな。にしても彼女居るのか・・・・」

「先輩、、、、もしかして本気で狙ってました?」

「ま まさか。。冗談よ」


この日は開店から入ったので、ランチライム終了の14:00でバイトは終了。

店長からお疲れさまとコーヒーとサンドウィッチのサービスも頂いた。


今日は島田さんから一通りの説明は受けたので、次からは普通にシフトに入ることになる。次は火曜日の放課後。

何気に接客業ってのも結構楽しいな。

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