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7年目の約束-連載版-  作者: ひろきち
第1章 7年目春~夏
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反省会

練習試合の翌日。

今日は試合直後と試験が近いという事で部活はお休み。

という事で俺は楓達と商店街にある喫茶店に来ている。

メンバは俺、楓、裕也、福島、村田さんと浜野さん

そして、店名のロゴが入ったエプロンを着た長谷部。

そう長谷部の実家は喫茶店なのです。

休みの日は家の手伝いをしているという事でモーニングが終わって比較的空いている時間帯で場所を借りているわけ。


「じゃ始めるよ」


とノートパソコンを広げ動画を流す浜野さん。

動画は昨日の練習試合。

コーチの指示で浜野さんが全試合を撮影していたんだ。

今日は、次期部長となる村田さんと福島の発案で、その映像を見ながらの反省会を行う。


「おっ!きれいに撮れてるじゃん」


と裕也。


「撮ってる私の腕がいいからね〜」


と浜野さん。

お世辞抜きで、メンバの動きやボールの流れが見やすく撮影されている。

まぁ若干裕也の映っている率が多い気がするのは言わないでおこう・・・


「そう、ここのパスがカットされちゃったんだよな」

「狙いは良かったけど、フェイントがあからさま過ぎたのかも」

「確かにな。次の練習でちょっと試させてくれ」

「了解」


と裕也と福島。二人とも技巧派だからチェックも厳しい。


「恩田先輩ってやっぱりカッコいいよね〜 同じポジションとして憧れるわ」

「うん。それで美人で明るくて成績も学年トップクラスでしょ。凄いよね」

「あ、そ!ここのフェイントからのドリブルがカッコいいんだよ」


と楓達。

何だか自分たちのプレイのチェックというより恩田先輩のファンクラブ的な話になっている・・・

でもまぁ贔屓目無しに恩田先輩カッコよかったよな。人気があるのもわかる。


「昨日の試合で気が付いたけど、田辺はフェイントするときに軸が少しぶれるんだよな。直しておかないと横からのチェックでやられるぞ」

「まじか。気を付けるわ」


と福島のアドバイス。試合の中でよく見てる。流石は次期部長。

そういえば、小宮部長は当初裕也を部長にする予定だったらしいけど、裕也が自分は視野が狭いし人に厳しく出来ないからと福島を押したらしい。

最初は福島も無理と固辞したらしいけど、裕也が副部長になるという事で受けたという話だ。まぁ福島は真面目だし俺も部長に向いてると思う。


「ん?みんな何やってるの?」

「あ、湯川ちゃん。今日バイトなんだ」


と俺たちのテーブルに長谷部と同じくお店のエプロンを着た背の高い女性が近づいてきた。


「うん。どうせ連休中は暇だし部活の無い日はバイト入れたんだ。楓みたいに遊んでくれる彼氏もいないしねぇ〜」


と湯川さん。

福島と同じB組でバレー部所属の同級生だ。

休みの日はこのお店でバイトしているらしい。

楓とは出身中学は違うものの1年の時クラスが同じで仲が良かったらしい。

背は楓と同じくらいでショートカットのボーイッシュな女性だ。


「そ そんな毎日会って遊んでるわけでもないし・・・湯川ちゃんこそ、そんなこと言いつつ可愛いんだからその気になれば彼氏とかすぐできるんじゃない?」

「ふふ〜 楓 照れてるかわい♪

 彼氏は・・・自分で言うのも情けないけど、私って女子力低くて男っぽいし背も高いしね。全然モテないよ・・・」

「そんなこと無いと思うんだけどなぁ〜 ね!長谷部君!」


と会話を長谷部に振る楓。


「な 何で急に僕にふるんだよ! で でもまぁ湯川は その・・・可愛いと思うよ」

「え?」


と湯川さん。そして一瞬の静寂。


「な 何を急に真顔で・・・ し仕事よ仕事ほらお客さんも来たし!」


と少し顔を赤くした湯川さんは、長谷部を引っ張ってカウンター奥に消えていった。


「なぁ楓。長谷部って・・・そういう事か?」

「うん。だよね清水君」

「そだな。前に好きな人が居るって話しで盛り上がったんで問い詰めた」


と裕也。いやそれ楓とか他の人にバラしちゃダメなやつだろ。。。。


「そうなんだ。じゃ両想いなんだ」


とサンドイッチを食べながらさり気なく福島。

福島はこの件を知らなかったらしい。


「「え??」」

「どういう事?太一」


と村田さん。


「あ、俺って湯川とクラス同じだろ。席も近いんだけど、前に湯川がバレー部のメンバーと恋バナしてるのが聞こえてな。確か湯川が長谷部の事が好きとか言ってたんだよ」


と福島。サラッと言ったけど結構凄い情報言ってるぞそれ。


「な なるほど。まぁ部活もクラスも違うけど、湯川ちゃんも長谷部君の家でバイトしてるんだもんね。接点はあったわけだ」


と浜野さん。


「これは、同じ部活仲間として応援しなくちゃだね」


と楓。うん。楽しんでるだろ楓・・・


「おじさ〜ん。誠君と湯川ちゃんのバイト終わりって何時ですか?」


とマスターである長谷部のお父さんに質問する裕也。

裕也の家の小料理屋も同じ商店街にあるので顔なじみらしい。


「うん?今日は暇そうだし、昼のピーク過ぎて14:00位で上がっていいぞ。みんなで何処か遊びに行くんだろ?」

「お! おじさん話が分かる!」


という事で、長谷部たちのバイト上がりを受け皆で近所の複合アミューズメント

施設に行くこととなった。

・・・反省会は?

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