表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7年目の約束-連載版-  作者: ひろきち
第2章 7年目秋~冬
155/189

田辺雫再び①

「わぁ結構綺麗な部屋じゃない!」

「そりゃ新築だしね」


俺が新しい家に住み始めて数日たったある日。

例の如く突然雫姉から"明日行くから!"と急な連絡が入った。


「にしても、来るなら来るでもっと早く連絡してくれよな」

「はは ごめんごめん。前と違って国内に居たしね」


雫姉は留学期間が終わったということで今月頭には日本に帰ってきて都内の実家に戻ってたんだよね。

荷物も実家に届いていたし、どちらかというとうちの準備待ちだった感じだ。


「それで、荷物なんだけどさ今週末入れようかと思うんだけど大丈夫かな?」

「あぁ俺も居るし大丈夫だよ。それに亮兄も週末には引っ越してくるはずだからね」

「ふ~ん了解・・・・ふぇ?亮兄もってなんで?もしかして亮君もここに住むの?」


ん?もしかして雫姉に教えてなかったのか?

亮兄・・・サプライズ的な事考えてたとしたら教えたのはまずかったかな。


「ねぇどういうこと?」

「え~と・・・それはその・・・本人に聞いてみるのが良いかと・・・」

「そ そうだよね。うん。ちょっと亮君に聞いてくる!

 あ、また後で業者の来る時間とか連絡するからね」

「あ、うん。了解。え?聞いてくる?」


相変わらずというか落ち着きが無いというか行動力があるというか、雫姉は近くに住む亮兄のアパートに行ってしまった。

電話かメールすればいいのに・・・いや、単に会う口実が欲しかったのか?

とりあえず亮兄ゴメン。


そして、予想通りというかその日の晩に亮兄からメールが来た。


[何で教えちゃうんだよ~ サプライズ狙ってたのに]

[ごめん。てっきり知ってるものと思って]

[まぁ良いけどな。雫も凄く喜んでくれたし。

 それに・・・朝俺の事起こしてあげるとか、一緒にご飯食べたり、一緒に学校行ったりしようねとか。メチャ可愛くね?]

(何だか最近同じようなセリフを聞いた気がするけど・・・・)

[惚気のメールならもう寝るよ。明日も早いし]

[悪い悪い。それでメールしたのは引っ越しの件なんだ。俺の荷物ってもう運び込んでも問題ないんだよな?]

[大丈夫だよ。この間鍵渡したでしょ]

[じゃ明日大学午前中だけだから午後に後輩に手伝わせて荷物運び込むわ]


後輩ってことは引っ越し業者は使わないのか。

まぁ近所だし男の独り暮らしだもんな。俺の引っ越しもおじさんに手伝ってもらうだけで済んだし。


[別に構わないけど週末予定じゃなかったの?]

[雫が土曜日に荷物搬入するらしいから、それまでに引っ越して完了させておこうかと思ってな]

[なるほど。亮兄も雫姉のために頑張るねぇ~]

[まぁ雫にも色々迷惑かけたしな]

[了解。俺も帰ったら片付けとか手伝うよ]

[おぅ頼むな]


え~と・・・・雫姉からは週末としか聞いてなかったけど土曜日に来るのか。

俺何にも聞いてないけど・・・まぁ本人も来るんだろうし大丈夫だよな。


-----------------

翌日。

学校を終えて帰宅すると駐車場に軽トラが停まりガタイのいい男性が荷台から荷物を降ろしていた。あれが亮兄の後輩さんかな?


俺は一旦部屋で着替えてから亮兄の部屋に行ってみた。

ドアは開けっぱなしだから引っ越し中の様だ。


「亮兄。来てるの?」

「おぅ健吾。絶賛引っ越し中だ」


部屋に入るとここにも別の男性が亮兄の指示で本棚や机を配置していた。俺も背は高いし体は大きいけど亮兄の後輩さんは更に背も高く体もがっちりしている。やっぱりバスケ部の人かな。


「はいはい ちょっとごめんよ」

「あ、すみません」


とさっきトラックの荷台から荷物を降ろしてた男性が大きな段ボール箱を抱えて部屋に入ってきた。


「亮先輩これで最後です」

「おぅサンキュウな」


と後輩さんを迎える亮兄。部屋はそこそこ広いはずなんだけどガタイのいい男が俺含め4人も居ると狭く感じる・・・というか何だか暑苦しいな。

ちなみに部屋は1DKだけど2階にある4部屋は3畳のロフト付きで一部の天井は高さもあり結構使い勝手は良さそうだ。


「そうだ、健吾。お前も来年は川野辺大学を受けるんだろ?」

「う~ん。確定じゃないけど多分」

「まぁいっか。じゃ入学予定ってことで、とりあえず2人の事紹介しとくよ。バスケ部の後輩の本橋と津川だ。2人とも今1年だから健吾が入学したときは3年だな」

「田辺です。川野辺高校のバスケ部2年です。もし入学した際はよろしくお願いします」(ん?というか大学入ったらバスケ部入るのは確定?)

「本橋です。こちらこそよろしく。川野辺高校は牧村先輩がコーチしてるんだよね。僕は森下学園出身なんだけど後輩から強敵だって聞いてるよ」

「そうそう。君の事も笹原から聞いてるよ。あ、俺は津川ね」

「笹原の事ご存じなんですか?」

「ああ。俺も森下学園の卒業なんだけど俺達が3年の時に笹原や藤原は1年だったからな。今でも時々OBとして練習見たり飯行ったりしてるよ」

「そうなんですね。そっか今はライバルですけど同じ大学に入ってチームメイトになる可能性もあるんですね」


考えたこともなかったな。笹原や藤原と一緒にバスケするとか。

笹原は・・・勉強苦手そうだしわからないけど藤原は成績良いみたいだから川野辺大とか受けるのかもな。あ、でも森田さんにあわせるのかな?

何だかそう考えると大学でバスケ部ってのもいいな。


その後は、津川さんや本橋さんから色々とバスケの話や大学での亮兄の話を聞きながら部屋の片付けをした。

ちなみに本橋さん達は明日も雫姉の引っ越しの手伝いに来るらしいけど、亮兄から雫姉の写真を見せられて散々自慢話というか惚気話を聞かされていたらしく雫姉に会うのが楽しみなんだそうだ。


まぁ見た目は美人だけど・・・キャラ濃いからな幻滅しなきゃいいけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
続編もよろしく! 恋人たちの四重奏
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ