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7年目の約束-連載版-  作者: ひろきち
第2章 7年目秋~冬
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新居確定

楓との添い寝から始まった今年の正月。

『今年はどんな年になるのかなぁ』

などと思いながら部屋でごろごろしていると相良さんからメールが届いた。

用件は工事中で見に行けてなかった物件が見に行けるようになったので、時間があるなら午後見に行かないかというものだった。


テレビも見飽きてたし断る理由も無し!ということで楓に声を掛けて見学させてもらうことになった。


で、待ち合わせ場所となるいつもの川野辺駅前。


「あけましておめでとう健吾君 楓ちゃん」

「こちらこそ あけましておめでとうございます」

「元気そうで何よりだ。じゃ早速だけど行こうか」

「・・・あの何で小島先生が?」

「ん?あぁやっぱり気になるよね ははは」


と小島先生。

そう。不動産業をしているお兄さんの代理で相良さんが案内で来てくれたのはわかるんだけど、何故か小島先生も一緒に来てるんだよね。


「え~と俺と美香も新居探しててね。健吾君達の物件を見た後で俺達も何軒か見て回ろうかって話してたんだよ。正月で家に居ても暇だしな」

「あ、そういうことでしたか。相良さん達もこの近所に?」

「そうだな。美香の職場も近いし、俺も美香も馴染みのある土地だから出来ればこの近くが良いんだけどな」

「そうなんですね。じゃあもしかしたらご近所さんになるかもしれませんね」

「はは そうだな。そうなったらよろしく頼むよ。

 でも、雄一や誠子さんとご近所さんになると毎日飲み会にならないか心配だけどな」

「確かに・・・」(何かと理由をつけて毎日飲み会してそうだな・・・)


などと駅から歩きながら話をしていると程なく物件に到着。

川野辺駅からは徒歩で10分弱。悪くない距離だ。


「結構大きい家ですね」

「そうだな。居住部分はそれ程大きくないけど2F部分と建物奥はアパートになってるからな」


相良さん曰くお兄さんの会社で設計販売を始めた物件の1つで、賃貸アパートと大家宅がセットになった家ということで売り出しているらしい。

需要があるのかは微妙だと思ったけど実際に川野辺近辺は学生も多いため賃貸は多く近所に大家さんの家があることが多いらしいので、こういう形態の家の需要もあるらしい。


建物は1Fと2Fの一部が大家宅で間取りは3LDK。

中を見せてもらった限りは1Fはアイランド型のキッチンのある広いLDKとリビングに隣接する和室。そして2Fにベッドルーム2部屋と広めのベランダ。後は屋根裏収納といった間取りだ。お風呂も2Fにあり広々としていた。

俺は許可をもらいスマホで室内を撮影し親父達に送りつけておいた。

向こうは夜中なのを送ってから思い出したけど・・・・まぁ良いよな前に俺も起こされたし。


そして、賃貸部分は1Fに2部屋、2Fに4部屋と計6部屋あった。

間取りはすべて1DKで、2F部分はロフト付きとなってた。

部屋の広さも十分な感じで、学生の独り暮らしにはちょうど良さそうな感じだ。


庭は坪庭程度でほとんどなかったけど玄関も賃貸部分と分けられているし今まで見てきた中ではやはり一番気に入った。


「どうかな健吾君。中々いい物件だと思うんだけど」

「そうですね。値段が親父から聞いてる予算を少しオーバーするのでその点は気になりますが、値段を気にしなければ一番いいですね」

「だろ?俺もお勧めだよ。それに健吾君と雫ちゃんは1Fの賃貸に住むとかすれば雄一たちに気兼ねせずそれぞれ恋人ともイチャつけるだろ?結構防音もしっかりしてるしな」

「ちょ 洋さん。不純異性交遊を私の生徒に進めないで下さいよ!」


笑いながら話す相良さんと一応は注意をする小島先生。

なんだかなぁ・・・

でも、個人的には相良さんの言う通りとまでは言わないけど親父達と住みつつもプライバシーも保てるのは良いよな。

ということで、楓や小島先生も交えて建物の中を色々と見て回っているとスマホに親父からのメールが届いた。


[その物件でOK!後で相良と価格交渉する!]


『え?嘘マジで、もう決めていいの?結構な買い物だけど即決?』

と親父のまさかのメールに驚きながらも相良さんにそのことを伝えると


「相変わらずせっかちだなあいつは・・・」


と少し呆れながらも後で電話しとくよと言ってくれた。

親父との付き合いも長いみたいだし相良さんに任せておけば大丈夫かな。


相良さんと小島先生とは家の前で別れた。

2人の新居候補を今から見に行くそうだ。

先生凄く嬉しそうな顔してたな。


「ねぇケンちゃん。あの家に決まったんだよね」

「ああ、後は親父と相良さんの交渉次第だろうけど決まりなんじゃないかな。あそこなら駅からも近いしな」

「ふ~ん・・・」

「どうかしたか?」

「ケンちゃんが賃貸の部屋に住むんなら私も隣の部屋とか借りれないかな?」

「楓が?なんで?楓の家とそんなに遠くないだろ?」

「・・・なんかさ憧れない?幼馴染がアパートの隣同士で1人暮らししてるって」


いや、そりゃ確かにラノベとかでありがちなシチュエーションだけどさ・・・

現実だと実家が近いなら家賃もかかるんだから勿体ないだろ。

まぁそれを言い出すと俺も親父たちと一緒に住めよってなるけど・・・


「それに亮兄も雫姉が1人暮らし始めたら隣に引っ越したいとか絶対言うと思うんだよねぇ。亮兄って結構そういうの好きだから」

「そうなの?」

「うん。結構少女漫画とか恋愛小説とか好きだよ亮兄って」


楓、そう言うのって亮兄のイメージが壊れそうだからあまり人には言わない方がいいぞ・・・

でもまぁ確かにそういうシチュエーションとかちょっとアリかもな。


などと楓と2人、これからの生活の妄想をした1月2日の午後でした。

少しでも面白いなぁ~と思っていただけたら★を押していただけると嬉しいです!

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