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7年目の約束-連載版-  作者: ひろきち
第2章 7年目秋~冬
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冬の大会②

「久しぶりだな福島。確か川野辺バスケ部の部長になったんだよな」

「あぁ 小泉も倉北の部長になったんだよな。今日は遠慮なしで全力で勝ちに行くからな」

「ふん。それはこっちのセリフだ。夏は負けたが今度は俺達が勝たせてもらう」


中学時代。福島が仙台に住んでいた頃のチームメイトだという小泉。

仙台の高校からスカウトされて倉北学園に編入した実力者だ。

会話を聞いてる限り今は倉北の部長みたいだ。福島とは友人関係らしいし普段も交流があるのかな。


「ところで・・・今日は村田さんだっけ?お前の彼女さんは来てないのか?」

「ん?綾子か?あいつも別会場で試合だよ。女子バスも地区予選中だからな」

「そうか。そうだよな ふふふ。今日は俺の勝ちだな」

「何の話だ?」

「あれを見ろ」


と自信満々で小泉の指さす方を見ると観客席に女の子と言っていい位の少し幼い女性が何人か座っていた。


「あの子たちがどうかしたのか?」

「俺の彼女とその友達だ。今日は倉北を応援に来てくれた。どうだ凄いだろ!」

「凄いけど・・・・小泉。お前ロリ○ンだったのか?」

「な なにを言う。俺の下宿の大家さんの娘さんだ!ちょっと幼いかもしれないけど俺の事を慕ってくれてるんだ」

(ちょっと幼いって自覚はあるんだな・・・でも中学、いや小学校高学年?)


「うん。そうだな可愛い彼女さんだな。今日はお互い頑張ろう!」

「あぁ全力で行くぞ!」


あ、福島も軽く流したな。触れない方がいいのかも。

何だかぶつぶつ独り言を言ってるけど。

『でも いいのかあれ?犯罪?友達として 注意した方が・・・いや愛があれば歳の差なんて』


---------------------------

チームに戻りミーティングと軽めのアップを行い試合開始。


偉そうに話していただけあり倉北は確実に夏よりもレベルがアップしていた。

俺や長谷部よりも身長が高い選手も多くシュートも軽くブロックされてしまう。

この選手、夏の大会時は容易に抜けたんだけど確実に上手くなっているよな。ディフェンスがしつこいこと。

それならと福島と裕也がスピードで攻め込むと小泉と副部長の早見がカバーに入りドリブルのスピードを殺してくる。

一進一退の状況の中、セットプレイなどの連携で何とか点を稼ぐものの、すぐに逆転される状況が続きあっという間に第2クォーターまでが終了した。


「言うだけあってやるなあいつら。確実にレベルアップしてるぜ」

「だな。守りも堅いし点を取るのも一苦労だ」

「背が高いだけじゃなく、スピードもあるよな」


と口々に感想を述べているとコーチが会話に入ってきた。


「資料通りと言えば資料通りだが、中々の強敵だな」

「はい。正直夏からの短期間でこれだけ強くなってるとは思いませんでした」

「確かにな。第3クォーターだが少しメンバーを変更する。

 長谷部と田辺、それから清水は一旦高田と吉見、由良と交代だ」

「外から責める感じですか」

「あぁそうだ。福島は継続してディフェンスラインを崩し高田と吉見は外から3ポイントを狙う。由良と栗田は後方で福島のバックアップと守備固めだ。

 田辺と長谷部、それから清水は第4クォーターでもう一度交代して相手が疲れてきたところでスピードで攻める。体を休めておけ」

「「はい!」」


という事で俺はベンチに下がり体を休めながら皆の応援に励んだ。


「由良!吉見がフリーだぞ!」

「ナイスシュー高田!」


応援も悪くはないけど、やっぱり試合に出たいな。

横を見ると裕也や長谷部も同じ気持ちなのか今にもコートに飛び出しそうな雰囲気だ。

試合の方は速いパス回しと3ポイントで川野辺が点を稼ぎ少しずつ点差を広げることが出来た。

が、倉北の選手も攻撃パターンを読んだのか次第にパスカットされる率も増えてきた。

そして、第3クォーターが終了。点差はわずか1点で川野辺がリード。

正直シュート1本で逆転される点差だ。


この状態で迎えた第4クォーター。吉見達に代わり俺や裕也、長谷部が再度コートに戻り最後のピリオドが開始された。


「福島!」


長谷部と栗田が相手選手との間のスクリーンとなったところで走りこんだ福島へパスを送る。

そして、そのボールを更に裕也にタップし裕也がシュート。

何度も練習したセットプレイの1つだ。

が、一度使えば相手も対策は考えてくるので、そう何度も使えずカウンターを食らって逆にピンチになる場面もあった。


そして試合終了。

追い越し追い越されの状況が続いたが、最終的には第4クォーター開始前と同様に1点差で川野辺高校の勝利に終わった。


「後1点が遠かったな・・・」

「全国行けよな。今回はお前らの応援してやるよ」

「あぁありがとな」


試合中は敵同士でも試合が終われば友人同士な福島と小泉。

次も頑張ろう。


と小泉含め倉北のレギュラー陣は観客席の女の子たちのもとへ・・・応援のお礼だろうか?

ん?福島の奴また独り言か?

『小泉だけじゃなくてあいつら全員か・・・・色々やばいな・・・』

まぁあまり触れないようにしておこう。


田中先生に連絡が入ったけど楓達も2回戦勝利したらしい。これで男女ともに3回戦進出だな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 内容がとても好きです。幼馴染系が好きな人からは、最高傑作ではないかと。また、イチャイチャシーンをあのように表すのは、自身としても推せますね。 この先の展開、楽しみにしています。 [気になる…
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