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7年目の約束-連載版-  作者: ひろきち
第1章 7年目春~夏
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バスケ仲間と王子様

バスケ部入部がいつの間にやら確定した俺は、清水達2年のメンバと体育館の掃除をし、その日の部活動を終了した。


そして、今は更衣室。

着替えながら、清水に同じ2年のメンバを紹介してもらった。

背は少々低いが、スピードのある福島、背は俺と同じくらいだけど筋肉質でガタイがいい長谷部等など2年は清水を入れて全部で7名。俺を入れて8名だ。

ただ、先輩たち3年生6名が抜けると一気に寂しくなる人数だ。

新入部員が沢山くればいいのだけど進学校ということで意外と運動部の人気は低いらしい。折角部活動としては結構成績を出しているのに残念な話だ。


とマッチョな長谷部が声を掛けてきた


「そういえば、田辺って女子バスの小早川と付き合ってるんだよな?」

「そうだけど、そんな話題になってるのか?」

「あ~ 俺もお前さんたちとクラス同じなんだけど・・・」

「すまん。まだ全員の顔と名前覚えてなくて。。」


どうやらあの騒動をクラスで見ていたらしい。。。


「いや それは全然構わないんだけど、小早川がずっと好きだったって王子様って田辺何だろ?」

「な なんだその王子様って?」

「これは有名な話なんだけどな。小早川って中学の頃から結構告白とかされてたんだけど、断るときに"遠くに行ってしまった大好きな人が帰ってくるのを待ってるの"って言ってたらしいんだよ。

 ちょっと中二病っぽいし、フラれたやつはみんな断るための嘘だと思って"王子様にはかなわないよな"とかふざけあってたんだ。

 けど、昨日の小早川の様子と田辺へのベタ惚れ具合を見て"王子様が帰ってきたんだ!"って話題になってるんだよ」

「そ そうなのか・・・ 王子様って・・・楓ももう少し言い方あっただろうに・・・」


「まぁでも田辺を見て、俺は小早川が待ってたってのも納得したけどな。小早川も身長高いけど、田辺はそれ以上に背が高いしつり合いも取れる。

 それに成績優秀で運動神経も良いイケメン。ハイスペックすぎだろ田辺って。半端な奴が小早川の隣に居たら色々と言われたかもしれないけど、田辺ならみんな納得するんじゃないかな」

「そんなに持ち上げられてもなんも出ないぞ」

「いや 正直な感想だよ。さっきのオフェンスも凄かったしな。清水って県大会とかでも結構活躍してたんだぜ」

「そうそう、俺を軽く抜いてシュート決めてくれちゃったんだから。先輩たちの期待も大きくなるぜ~」


と裕也


「今日は運が良かっただけだって」

「運だとしても、十分な戦力だよ。次の大会で先輩たちが抜けると俺達2年が主体に活動するんだしな。頼むぜ健吾」 

「あぁ!もちろんだ裕也!」


と何だか男子更衣室は青春ドラマ的な盛り上がりをみせていた。


*******************************************

そのころの女子更衣室 ---楓---


「ねぇ さっきの清水君と1対1してたのが楓の王子様でしょ」


とキャプテンの恩田先輩。

この人って恋バナ大好きだよな。。


「はい。ご両親はまだ海外らしいんですが、田辺君だけ先に帰国したんです」

「ふ~ん で、もちろん付き合ってるんでしょ」

「昨日 その・・・あらためて告白されまして。。 付き合ってます」

「「おぉ~」」


と聞き耳を立てていた他の部員からも歓声が上がる。

『う~恥ずかしい・・それに王子様って私が言いだしたんじゃないし』


「まぁでも、真面目で可愛い我らの小早川が惚れちゃうのもわかるよね。実際清水君と対戦してるときの田辺君カッコよかったもん。フリーなら逆ナンするレベルだね」

「だ 駄目ですよ 幾ら先輩でも!」

「妬かない妬かない取りゃしないよ 本当恋する乙女だねぇ~

 言うだけ言って顔真っ赤だしw」

『う~この人には何言っても勝てる気がしない・・・』


「でもさ、真面目な話だけど田辺君ってバスケも上手そうだし、イケメンで高身長。確実にこの先モテまくると思うよ。大丈夫とは思うけど、しっかり捕まえときなよ」

「あっ。。。。」

『そうだよね。あいつ確実にモテるよね。私みたいに料理も化粧も下手な女じゃそのうち・・・』


「ほら、楓! 暗くならないの。確かにこの先田辺君は人気が出るかもしれないけど田辺君が楓を捨てるわけないでしょ」


と綾。


「でも・・・」

「でもも何もないの! 7年も待ったんでしょ!田辺君だって楓の事をずっと気にしてたわけだし、お互いそんな簡単な想いじゃないでしょ」

「そうだよね。ありがとう綾ちゃん」


*******************************************


着替えを終えて俺は校舎入り口に向かった。

楓と帰るため待ち合わせをしていたのだ。

一緒に入り口まで来た裕也たちに楓を待ってから帰ることを告げるとしばらくからかわれたが、「仲良くしろよ!」と言って先に帰っていった。

何だか一気に知り合いが増えた気がする。

ただ、さっき紹介を受けた福島さんだけ何故か入り口に残っていた。


「福島さんも誰か待ってるんですか?」

「ん?あぁ女子バスの村田を待ってるんだ」

「村田さんって、もしかして福島さんが村田さんの彼氏さん?」

「え!まぁそうだな恋人だな」


何だかこの人顔赤くして照れてるぞw


「付き合いは長いんですか?」

「い いや去年の夏に告白したんだ。だからまだ半年ちょっとだな」

「へぇ 村田さんかわいですもんね~」

「な 何言ってんだよ田辺こそ小早川と付き合ってるんだろ」

「はい。聞いてるかわかりませんが、村田さんも裕也や楓と同じで幼馴染なんです。大切にしてあげてくださいね」

「あぁ言われなくても大丈夫だよ。というか俺相手に"さん"はつけなくていいし敬語も不要だぞ」

「了解。これからは福島って呼ばせてもらうよ」

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