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7年目の約束-連載版-  作者: ひろきち
第2章 7年目秋~冬
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休息日?

『疲れた・・・』

文化祭という大きなイベントが終わり気が緩んだせいか、一気に疲れが出て、昨日は帰宅後シャワーも浴びずに寝てしまった。

接客業はバイトで慣れているつもりだったけど、執事服を着て慣れない口調で話すのは思ったより疲れる。

それに・・・思った以上に女子人気が高かったんだよな俺。

普段は楓が近くにいるので、皆遠慮してるのかはわからないけど、在校生や他校の生徒含め俺目当てのお客さんが結構な数いた。

宣伝のためということで一緒に写真を撮ったり話し相手になったりもしたし交代制じゃなかったら体力気力共にもたなかったよなあれ。

ついでに俺が女子と話しているときの楓の視線が・・・

意外と楓って独占欲というか嫉妬深いというか、そういうところあるよな。

まぁ俺も浮気とかするつもりないし楓が一番だけどな。


ってもう9時か。お腹も空いたしシャワー浴びて何か飯でも食べるかな。


[ピンポーン]

ん?誰だ日曜の朝っぱらから・・・


眠い目をこすりながらドアを開けると楓が居た。


「あ、ケンちゃんおはよう!」


俺は静かにドアを閉めた。

うん。楓に間違いはない。

ただ、何というかいつものバスケ少女的な雰囲気ではなく清楚な佇まいの服を着て少し化粧までしている。

何だ。今日は何かの日だったかのか?


「ちょっとケンちゃん。なんでさっきはドア閉めちゃったのよ!」


その後、もう一度ドアを開け、楓をリビングに通したわけだけど、当然の如く叱られた。まぁそうだよな。


「わ悪い。何というか楓の雰囲気がいつもと違くて・・・驚いて」

「えっ・・・その・・・変かな私。化粧とかこういう服とか変かな?」

「いや、その逆というか・・凄く綺麗で驚いた」

「ほ ほんと?綺麗って」

「あぁいつもの楓ももちろん好きだけど、何だか緊張しちゃうくらい綺麗だよ」


何だか俺に褒められて楓の顔が笑顔で緩んでる。

そうお世辞とかじゃなくて本当に綺麗なんだよな。

化粧をすることで大人っぽく見えるし、服も落ち着いた感じのチョイスだから余計に・・・正直見惚れた。


「でも、何で急にこんなカッコで?」

「その・・・昨日ケンちゃんモテモテだったでしょ?

 何だか悔しくてイライラしてたら、早瀬さんがこの服とお化粧のやり方教えてくれて・・・やっぱり嫉妬深いよね私」


早瀬さん。文化祭で山口先生や小島先生をメイド姿に変身させたのも凄かったけど、楓にここまで化粧の仕方とか教えられるとか。天才かよ!

ってまぁそれは置いとくとして


「楓。前にも言っただろ。嫉妬してくれてもいいけど、俺は楓一筋だって」

「ケンちゃん・・・」

「愛してるよ楓」


楓へのキス。

もう何度もしているはずなんだけど・・・

この日はいつもの楓と雰囲気が違うせいか妙に緊張した。


「あ 朝ご飯作るね ケンちゃんまだ食べてないよね?」

「ああ よろしくな」


ちょっと照れながらもエプロンを着けて俺のために朝食の用意を始める楓。

前に紅葉に"通い妻"ってからかわれてたけど、俺としてはこのまま嫁さんに来てもらいたい気分だ。

とは言ってもお互いの夢もあるし、俺もまだ楓を養ってくだけの収入もない。

まだもう少し先だな・・・




朝食後は、折角綺麗に着飾ってるんだしということで2人で買い物デートに出かけた。行先は例の如く隣町のショッピングモールだ。

近いし色々な店があるから楽しいんだよね。


「な 何だか私・・・注目されてない?やっぱり変?」

「違うよ 今日の楓が綺麗だからだろ?」

「わ わたしが?」


またもや顔を赤くして照れてる楓だけど、元々背も高く人目を惹く美人だ。

ただ今日は化粧をしていることもあってか、少し大人っぽくいつも以上に注目を浴びているんだろうな。

本当。ナンパ男が来ないか気が気ではなかったよ。


「楓、あの店ちょっと見ていいか?」

「うん。あ、あの服ケンちゃんに似合いそう!」


そんなことを思いつつも、俺達は洋服や雑貨のお店を見て回り買い物デートを楽しんだ。

何を買うというわけでもないけど二人で買い物ということだけで楽しい。

そんな中、雑貨屋で可愛らしいアクセサリを見ていたときにふと思い出した。

『そういえば、もうじき楓の誕生日だよな。再会して初だし何をプレゼントしようか・・・』

11月20日は楓の誕生日だ。

というか生まれた時間は俺の方が少し早かったけど俺も同じ誕生日で、小さい頃はよく一緒に誕生日のお祝いもされていた。

親友とはいえ、同じ日に子供まで産むとか・・・母さんたち仲良すぎだよな。

プレゼント・・・

『本人に聞くのもな・・・紅葉にでも相談してみようかな』


「ん?どうかしたのケンちゃん」

「え、いや、なんでもない。

 あ、このイヤリングとか、今日の楓の服に合うんじゃないかな」

「え、ほほんと じゃ、じゃあ買っちゃおっかな」


という感じで買い物を楽しんだ後は、スーパーで食材の買い出し。

夕飯も楓が作ってくれるということで、2人仲良く買い物袋をぶら下げて家に向かっているわけだけど、さっきから楓はずっと嬉しそうにしている。

理由は・・・


「んふふ~」

「そんなに嬉しかったのか?」

「だってさっきのスーパーの店員さん私の事"奥様"って」


店員さんに新婚夫婦と思われたのが余程嬉しかったらしい。

でもまぁ・・・俺も嬉しかったんだけどな。


そして、その日の夜は"新婚さん"らしく燃え上がりました♡

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