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7年目の約束-連載版-  作者: ひろきち
第2章 7年目秋~冬
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文化祭①

中間試験も無事に終わり、いよいよ来週末は文化祭だ。

俺は初参加になるわけだけど、川野辺高校の文化祭は毎年11月第1週の金曜・土曜の2日間で行われる。

金曜日は在校生、土曜日は招待客や次年度の受験生向けで行われるとの事だ。

今のご時世、誰でも入れる文化祭とも行かず、基本は招待券を持っている人のみが来れる形だ。やっぱり警備とか色々大変なんだろうな。

そういうわけで外部から来るお客さんも基本は在校生の身内や学校絡みの来賓客、受験を控えた近隣の川北中、川野中の生徒が中心だ。

そして、日曜日は関係者のみ片付け対応を行い、月曜日が体育祭と後夜祭という怒涛のスケジュールになっている。

『誰が決めたんだ!』と文句も言いたいくらい去年は大変だったみたいだ。


せめてもの救いは体育祭の後の火曜が休校ということくらいだろう。

(生徒会と体育委員は後片付けに駆り出されるらしいけどな。お疲れさん・・)


そんな思いがあったからかは知らないけど、今回は渋川さんの発案で俺達A組はB組と合同で出店する。おかげで予算も人員も余裕が持てるようになったこともあり、計算上は比較的余裕をもって対応できることになっていた。


そんな感じのA組、B組の文化祭だけど今日もまた関係者を集めての打合せを行っている。


「早瀬さん。衣装の方ですがいかがでしょうか?」

「うん!いい!最高!」

「おぉ!!萌える」

「「・・・・・」」


渋川さんの家で打合せを行った後に発注された執事とメイドの衣装。

試作品が出来上がったということで、デザイン画を描いた早瀬さんと大崎さんへのお披露目を行っているところだ。

・・・執事のモデルは俺と楓。メイドのモデルは村田さんと"福島"だ。


っていうか執事カフェの男装はまぁわかるけど、メイドカフェで女装ってのはありなのか?まぁ面白そうだけど。

半ば強引に着替えさせられて村田さんから化粧やウィッグを施された福島。

・・・何だか顔が死んでる。

ただ、何というか元々色白で綺麗な顔立ちのせいか、オーソドックスな紺色系の落ち着いたメイド服が意外と様になってる。角度によっては普通に美少女だ。

村田さんも目をキラキラさせて福島を見てるし、変な趣味に目覚めなければいいけどな。


で、村田さん。こちらは予想通りというか普通にかわいい。

福島が来ている服とはややデザインを変えていてフリルが多い衣装になっている。この間の大室さん同様に正統派のメイドさんって感じだ。


そして楓。

男装しているわけだけど胸はそれなりに大きいのでやはり目立ってしまう。でも少し化粧をして髪を束ねた姿はアニメとかに出てきそうな美少年キャラの様だった。これ女の子に絶対人気出るよな。


そして最後に俺。まぁ自己評価は普通なんだけど、さっきから楓が『ケンちゃんカッコいいよ♡』とスマホで写真を撮りまくっている。

楓の俺の評価って多分普通の人より数倍高いからな・・・本当にカッコいいのかは不明だ。


とりあえず早瀬さんと大崎さんはいつの間にやら随分な仲良しになっており俺達の写真を撮りまくりながら二人でニヤニヤ楽しそうにしていた。

大崎さんもそっちの人だったんか? 何だか二人して怖いんですが・・・


「じゃ じゃあこれで大丈夫ね? サイズ違いで残りの衣装も発注掛けちゃうね」

「うん。お願い。前日までには出来るんだよね?」

「ええ。水曜には準備出来るってきいてるから木曜には学校に届けてもらえるわ」

「さすが!じゃあとは内装や当日のシフト割とか決めれば何とかなるね」

「あ、料理も料理部に任せっきりだから少し手伝わないと」

「私が後で顔出してくるよ」

「うん。美津子お願いね♪」

「・・・・・」


ちなみに俺達はいつまでこの格好で居ればいいんだ?

打合せは渋川さんと早瀬さん、大崎さんでほぼまとまったみたいだし、お披露目も終わったんだから、もう着替えてもいいような。

と教室のドアが開き、結城が入ってきた。


「悪い!部活の集まりが長引いちまった」

「大丈夫よ。隆さん副部長だもんね。色々忙しいのはわかってるから♡」


って村田さんも福島もバスケ部の部長なんだけどな。

しかもモデルってことで頼み込んで来て貰ったんだが。


「お、これが執事服とメイド服か。

 メイドの村田さんも可愛いけど、執事の小早川はなんというかカッコいいな。

 凛々しいというか」


そうだろ そうだろ中々似合ってるだろ。

そして福島の事は触れないところが流石結城だ。

ん?何だか渋川さんの様子が。


「隆さん?

 この間は私のメイド姿や執事姿を見て褒めてくださったじゃないですか?

 『麻友が一番だよって』それなのに村田さんや小早川さんの方が素敵だと?」

「え、や、いや、その・・・やだなぁ麻友が一番に決まってるだろ」


相変わらずだな結城。でもあの渋川さんは俺でも怖いな。

っていうかお前ら家で何やってるんだ?

渋川さんにメイド服とか執事服とか。

いろいろ想像してみんな何だか顔赤くしてるぞ。

聞いてる俺らの方が恥ずかしいわ。


まぁとりあえず渋川さんと結城の仲が良いのはわかったということで、来週までの各自の役割を再確認し今日は解散となった。

ちなみに後から自分の発言の意味を察して渋川さんはその後静かになってしまったいたのはまぁ察し。。。

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