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day116 昼食と掲示板

「一旦休憩にしようか」


薬師の村を出て約2時間。そろそろお昼ご飯を食べなければ。

近くに安全地帯はなさそうなので、《魔除けの短剣》を地面に突き刺し、簡易安全地帯を作る。

テイクアウトしたお昼ご飯をアイテムボックスから取り出し、皆に手渡す。


「丁度半分くらいですかね」

「そうだね。今日中に辿り着きそうで良かったよ」

「着いたら荷物運びだよな?」

「うん。生産道具と家具……素材はどうしようか?」


今はトーラス街の家を拠点にしているけど、農業を始めたらテラ街の家で過ごす時間も増えるだろう。

両方に半分ずつ置いておけたら良いけど、運ぶのに時間が掛かりそうだ。

どこにいても共有できる倉庫があったら良いのに。


「必要な素材がなかったら取りに行けば良いだけだし、最低限で良いんじゃない?」

「そうですね。テラ街の家は2階建ての建物のようでしたし、多くの素材を置く場所を確保するのは難しいかと」

「そうだね。素材はトーラス街の家に運ぼう」


シアとレヴもお昼ご飯を食べている頃だろうか。

俺達と同じお昼ご飯を置いてきたけど、夢中で何かをしていて食べてないかもしれない。

シアとレヴの為にも早くテラ街に辿り着かなければ。


あ、そうだ。ここからシアとレヴに従魔念話が届くか試してみようかな。


『シアー、レヴー』


反応はない。

お昼寝してるって事はないと思うけど……何度か声を掛けてみても、一切反応がない。

どうやらここからでは届かないみたいだ。

と言う事は、隣の街や村には届かないのだろう。

同じ街や村にいれば届くのではないかと思う。広い街の端から端だとどうなのかな。


スライムのいる洞窟から銀の洞窟に届いたのはどうしてだろう。

泳いで十数分とは言え、別の洞窟のはずだ。

たくさんの空洞が迷路のように広がっていたから、どこかが繋がっている可能性はある。

別の洞窟だと思っていたけど、実は同じ洞窟なのかもしれない。

そうだとしても、黄色の珊瑚が目印だとシアとレヴが言っていた事を考えるに、銀の洞窟とスライムの洞窟を繋ぐ道は知られていなかったのだろう。


実は1つの洞窟であるのであれば、街の端から端でも届きそうではある。

街の端と端で話さなきゃいけない場面なんて早々ないだろうけど。


「テラ街に着いたら、クリントさんに教えて貰った園芸屋さんにも行ってみようね」

「カタログに載っていない種や苗木もあるって話だったわよね?

 どんな種があるのかしら。うふふ、楽しみだわ」

「カタログにあるのはポイントで交換しちゃっても良いと思うけど、まずは家具が先だね」


57,000ポイントも残っているので、家具と交換してもたくさん残るだろう。

そうなったら、種と苗木、本と交換しようかな。


「裁縫の材料もだけど、錬金術の材料も育てられるよね?」

「そうね。裁縫で使わない植物も育ててみようと思ってるわ。

 ねぇ、ネイヤ君。なんでも使えるのよね?」

「そうさな。なんができるんかわからんが、使えるだろうよ」

「あ、そうそう。エルムさんに貰った魔道具の本に堆肥化装置と肥料化装置ってのがあったよ。

 堆肥と肥料を作る魔道具だと思うんだけど……使える?」

「まぁ! 嬉しいわ。エルフの集落にいた頃に使っていたの。

 うふふ、どんな組み合わせにしようかしら。楽しみね」


堆肥と肥料の違いはさっぱりわからないけど、コンポスターって言葉は聞いたことがある。

生ごみを使うとかなんとか……この世界で生ごみを見た事はない。

この世界では調薬や錬金術で作った薬類と何かしらの植物、それから大気中の魔力で出来るらしい。

本には設計図が書いてあっただけで使い方は書いていなかったけど、使ったことがあるなら大丈夫だろう。


「そう言えば……イリシアは綿や麻で布や糸を作っているよね?」

「そうね。他にも作る方法はあるけれど、基本は綿と麻、絹で作っているわね。

 一番使っているのは絹よ。お祭りの時に分けて貰えて良かったわ。

 絹の種はたくさん用意して貰いたいのだけれど、良いかしら?」

「絹? 絹の種?」


絹って……カイコの繭じゃなかっただろうか。


「絹の種……駄目だったかしら……」

「ううん、駄目じゃないよ。

 絹が育つって知らなかったから、少し驚いちゃった。

 どんな風に育つの?」

「もふっとした白いお花が……お花なのかしら? 実かもしれないわ。

 蒲公英の綿毛に近いわね」

「そうなんだね。早く見てみたいな。

 うん、たくさん交換しようね」


採掘で玉鋼が採れるように、カイコの育成をせずとも絹が手に入れられるようだ。

カイコなんて見た事もないから助かった。


「綿や麻、絹以外……羊の毛って使わないの?」

「あら、使えるわよ。でも、ほら……お家で羊を育てるのは大変でしょう?」

「なるほど……」

「ふふ、なくても大丈夫よ。どうとでもなるもの。

 でもね、街に売ってるっていわい君が言っていたから、必要な時はお願いして良いかしら?」

「もちろん。今度手芸店に行ってみよう」


クリントさんの牧場には羊もいたけど、街や村の商店に卸していると言っていたから、個人で購入するのは難しそうだ。

少しくらいなら分けて貰えるかもしれないけど、裁縫に使うとなると量がいるだろう。


もぐもぐと口を動かしながら思いを馳せる。

正直に言うと、家で育ててみたい気持ちはある。

羊を手に入れたとして、素人に育てられるものなのだろうか。

常に家にいるわけでもないし……ああでも、仲間が増えたから誰かは家にいる。

全員で出掛ける時もあるけれど……うーん。


「羊を育てるのってスキルが必要?」

「まさかとは思うけど、買うつもり?」

「いや、いや、ちょっと考えてみてるだけだよ」

「へぇ? ……ま、畜産ってスキルがあるね。

 なくても世話は出来るし、世話してたらその内取得できるみたいだけど」

「なるほど、畜産……」


もし飼うとしたら、1頭……いや、2頭かな。1頭じゃ寂しいかもしれない。

いくらくらいで買えるんだろう。餌等の必要な物を考えると今の所持金では厳しそうだ。

羊を飼うなら馬も一緒に……どうしよう、飼う方向に気持ちが傾いてしまっている。


「お金貯めなきゃ」

「買う気になってんじゃん」

「いや、いや、結構使っちゃってて、あんまり残ってないからね。

 そろそろお金貯めなきゃなぁって」

「羊かー……世話できっかなぁ」

「山にはおらんかったな」

「あら、あら。うふふ、昔少しだけお世話したことがあるわ。

 牧草の種も用意しなきゃね」


ばればれである。

とは言え、すぐというわけではない。

お金もだけど、買う方法もわからないし。

まぁ、クリントさんに聞いたら教えて貰えるかもしれないけれど。


「どのようにお金を貯めますか?

 暫くは異世界の旅人の方に売却するのは休憩すると言ってましたよね?」

「うーん……そうなんだけど……」


生産品を売る以外のお金を貯める方法は少ない。

魔物の素材は全て使えるようになったから売らなくなったし、納品依頼もこの先受けないだろう。

残る方法は討伐依頼と生産依頼、お手伝い依頼くらいだ。


討伐依頼は倒せば倒すだけ貰えるとは言え、常に狩りをしているならともかく、俺達くらいのペースでは稼ぎが多いとは言えないだろう。

生産依頼とお手伝い依頼の報酬も多くはない。スキルレベルの上がりやすさが一番の報酬だ。


別にそれらの方法で稼ぐのが嫌と言うわけではない。

最初の頃は納品依頼と討伐依頼、それとドロップアイテムを売って稼いでいたわけだし。

仲間が増えた今、その方法では出費の方が多くなるだろう。


「よく考えたら……いや、よく考えなくてもなんだけど。

 なんの意味もないかなって」

「意味がない、ですか?」

「うん。ちょっと隠れたいなって思って、生産品を売るのを休憩してたけど……」


隠れたいと言うか、怖くなって逃げたと言うか。

知らないプレイヤーと関わる場所から離れたくなった。

隠れていたらなくなると思っていたのだろうか。


結局あの後、何も起きていない。

多少の視線は感じたものの、それだけだ。

それだけだったから、皆もいるし気にせず過ごせた。

まぁ、エルフの集落にいる時間が多かったからってのも理由だろうけど。


「既に知られてるなら、今更隠れても意味ないかなって」

「……ま、そだね」

「でしょう? だったらもう、稼げるだけ稼いで、旅をしようかと」

「失踪でもするんか」

「違う、違う! 確かにそうとも取れるけど!

 お金の心配をせずに冒険をしたいって事です」


転移陣代、食事代、俺達で用意出来ない装備代等々。

思うままに自由に、楽しく皆で冒険するにはお金がいる。世知辛い。


俺の作る魔道具はともかく、皆の作る生産品が日の目を見ないなんてとんだ損失だ。

それを俺の我儘に付き合わせるのは申し訳ない。

既に付き合わせてしまっているけれど。


そもそもオークションに出品して何が起きると言うのか。

何かが起きるかもなんて、自意識過剰も良いところだろう。

何かあったらその時考えよう。


「それに、今の所持金じゃ、この家が良いってなった時に買えないでしょう?

 俺達の第一目標は大きな家を買う事だからね」

「そういやそうだったなー。3軒もあるから忘れてたぜ」


今あるトーラス街の家やエルフの集落の家、今向かっているテラ街の家に不満はないけど、仲間が増えた時に増築したり、改築したりしないで良いような、凄く大きな家が欲しい。

最初の頃はいつ仲間が増えるかわからなかったけど、今ではパーティーが組めなくなるくらい増えたし、この先も増えるんじゃないかなと期待している。

この際残りのポイントも全部召喚石に……いや、テイムに制限がないプレイヤーでも召喚に失敗するらしいから、そろそろ大爆死しそうな気がする。


何にせよ、何もしなければお金は減るだけだ。

どう思われても良いと考えるのはまだ難しいけど、開き直る事は出来る。と、思う。

俺達の生活は変わらない。隠れる前に戻るだけだ。


「よし。そろそろ出発しよう!」







サポート枠情報と考察11


214 名無しの旅人

いやだから生産の時魔力なんて見えないって


215 名無しの旅人

魔力感知で見えるでしょ 赤い点


216 名無しの旅人

赤い点見えたからって何も変わらんが?


217 名無しの旅人

剣作るじゃん?

作ってる時の点は小さいけど、途中大きくなるんだって


218 名無しの旅人

なりません


219 名無しの旅人

だーかーらー!!

鉄⇒小さい赤い点1つ

溶かす⇒小さい赤い点がいくつかある

カンカンしてる時⇒小さい点がうごうごしてる

完成間近⇒小さい点がくっつく

わかる!?


220 名無しの旅人

そもそも赤い点1個しかないんですけど!?

大きくも小さくもなんねーの!!!


221 名無しの旅人

レベル上げたら変わるんじゃね? 知らんけど


222 名無しの旅人

ちな>>219は魔力感知スキルのレベルなんぼ?


223 219

>>222

5


224 名無しの旅人

俺6 1つしか見えません


225 名無しの旅人

魔力感知のレベルじゃなくて生産スキルのレベル?


226 219

鍛冶スキルは3

てか魔力感知も鍛冶スキルもイベント後に一緒に取った


227 名無しの旅人

魔力感知7 鍛冶12

鉄の状態では見えない

溶かす~完成まで大きな赤い点が1つ


228 名無しの旅人

サポート枠の人に聞いても魔力感知覚えてないって言うし

なくても大丈夫なんじゃないの


229 名無しの旅人

なくても感じるって言ってた


230 名無しの旅人

感じません


231 名無しの旅人

この世界の人達にとってのスキルは

なくても作れるor戦えるけど

あれば省略できるって感じらしいし


232 名無しの旅人

戦闘スキルなら攻撃力上がって動きやすくなるとかなんとか


233 名無しの旅人

鍛冶で言うならスキルないと作る時間も長くなるし行程も増えるし品質も悪い

鞘とかそういうのも全部用意しないと完成しないらしい


234 名無しの旅人

魔法なら詠唱やら創造?計算?やらが必要 攻撃力も低い

杖も初心者向けしか装備できない


235 名無しの旅人

俺らはスキル覚えなきゃ使えないし関係ない


236 名無しの旅人

そうでもないよ

料理スキルなくても肉焼いたりは普通に出来る


237 名無しの旅人

野菜炒めは?


238 名無しの旅人

出来ない事はないけどまずい

同じ材料と同じ手順で作っても料理スキルなしだと品質低い


239 名無しの旅人

じゃあスキルなくてもやろうと思えばなんでもできるってこと?


240 名無しの旅人

知らね

この世界の人はそうなんじゃね?


241 名無しの旅人

プレイヤーとNPCの差なんてNPCも知らんだろ


242 名無しの旅人

プレイヤーだとやり続けてもスキルは取得できないけど

NPCはやり続けてスキルを取得できる


243 名無しの旅人

解放するスキルはどうなん?

それっぽいことしてたら解放する?


244 名無しの旅人

それこそわからん


245 名無しの旅人

覚えてるスキルレベル上げてたら解放されてるやつもあるけど


246 名無しの旅人

魔力制御11 魔力感知5 魔力回復16

↑の時にスキル一覧見たら魔力冷却(クールタイム回復)解放してた


247 名無しの旅人

魔力制御と魔力回復のレベル>>246より高いけど出てない

魔力感知取ってないから魔力感知は必須かも


248 名無しの旅人

魔力制御10 魔力感知5 魔力回復15 で解放かね

魔力制御と魔力回復は10でもいけそう?


249 名無しの旅人

解放条件考察スレ作って移動した方がよさそ

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