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初めての武器生成

更新遅れており申し訳ありません!

              ※




 三階層攻略の許可は下りた。

 しかし直ぐに探索に向かう班は少ない。

 まだ準備が出来ていないのだ。

 油断していたとはいえ、まだ他クラスの攻略が終わらない状態で次の階層攻略が始まるとは思っていなかったのだろう。

 多くの生徒たちが戸惑う中、


「みんな、慌てて探索に出てもいい結果は生まないよ。

 まずは万全な準備を整えよう。

 階層攻略はその後だ。

 必要な装備や道具があったら相談してほしい」


 三間は冷静に声を上げる。

 適確な指示を出せるリーダーがいるというのは、それだけ安心感を得られるものだ。

 間違いなく三間はクラスの精神的支柱となっている。


「……大翔くん、私たちはどうする?」

「探索に出る前に鍛冶屋を見ておきたい」


 昨日の探索で大峰が鍛冶スキル、そして桜咲が装備生成スキルを獲得している。

 もし新しい装備が手に入るなら確認しておきたい。


「あ、そっか。

 このクラスには鍛冶スキルを持っている生徒がいるんだよね。

 あたしも出来れば、新しい武器が欲しいかも」


 三枝の持っている武器は、俺と1階層を攻略していた際に使っていたホーンラビットの角のままだ。

 この角は剣や斧と違い武器スキルが発動しない為、どうせなら武器スキルを活かせる武器に装備を変更したいところだ。


「んじゃあ、宮真くんの言う通り鍛冶屋に行くとしようぜ」

「キミが仕切らないでよ。

 ボクたちのリーダーはヤマトなんだからさ」


 訂正しておきたいのだが、俺はリーダーになった記憶は全くない。


「んなことたぁわかってんだよ!

 だがオレは副リーダーとして宮真くんを支える役目があんだ」

「キミが副リーダー? 頼りない、ありえない、マジないの三拍子だよ。

 それにヤマトを支えるならボクが――」


 鍛冶屋の二人が抜けた穴に、三枝と野島が加わっている。

 三枝はともかく、此花と野島は相性が悪い……いや、良いとも言えるかもしれないが、とにかくこんな調子で言い合いをしている。


(……まぁ……暗く沈まれているよりは、よっぽどいいな)


 騒がしくはあるが、気は紛れた。


「それじゃあ、タウンに戻って鍛冶屋さんに向かう感じでいいかな?」

「そうだな。

 だがその前に、大峰、桜咲――鍛冶屋はもうやってるんだよな?」


 先に二人に確認を取った。


「ミャ―たちはOKだよ!」

「ちょうど、桜咲さんとタウンに戻ろうって話してたところだったんだ」

「そうか。じゃあ、俺たちも行くとするか」

「うん!」

「そうだね」


 騒ぐ此花と野島を置いて、俺たちは教室を出て鍛冶屋に向かったのだった。




            ※




「へぇ……ここが鍛冶屋かぁ……」


 タウン内に入って左の通路を真っ直ぐに行った先の扉を開くと――そこが鍛冶屋となっていた。

 鍛冶屋……と言っても、まだ何もないわけだが。


「空き部屋は沢山あるけど、今後は生成した装備を置くことになるからね。

 それなりに広い場所を使わせてもらうことになったんだ」

「ミャ―たち二人で使うには、今はまだちょっと寂しい感じだけど。

 これからた~くさん、役立つ装備を作っちゃうから!」


 二人はやる気は十分のようだ。

 早速、装備を作ってもらいたいのだが……。


「桜咲、装備生成には素材が必要だって言ってたよな?」

「うん!

 素材を渡してもらえれば、今のミャ―が出来る範囲で新しい武器を生成することができるよ」


 やはり素材が必要か。

 無から武器を生みだせたら最高だったのだが、そんな上手くはいかないか。 

 今のところ俺の持っているアイテムの中で、素材になりそうなものはなさそうだが……。


「三枝、ホーンラビットの角を桜咲に渡してみてくれ」

「う、うん、わかった」


 三枝はトレード画面を出して、ホーンラビットの角を桜咲に渡した。


「へぇ……こんな素材を手に入れていたんだ。

 ちょっと待ってね、この素材を使って生成できそうな装備を調べるから」

「サクラザキ、調べるって何かリストみたいのがあるの?」


 此花が尋ねた。


「うん。装備生成スキルの効果の一つみたい。

 素材を調べると生成可能な装備リストが画面に表示されるんだよ」


 説明しながら桜咲は手を動かして画面をスクロールしていく。

 すると、


「あ……生成可能な武器があったよ。

 え~と『ホーンラビットの槍』だって。

 攻撃力は30。さらに獣系のモンスターに対するダメージが5%増加だって」

「そんな付加効果が付くのか?」

「みたいだね。

 ミャ―も初めての装備生成だから、わからないことが多いけど……。

 ねぇ、三枝さん、折角の機会だからこのまま生成してみてもいいかな?」

「う、うん。あたしは構わないけど……いいかな、宮真くん?」

「いいんじゃないか?」


 単純な話、装備の性能が上がるというのは悪いことではないだろう。

 それに一度、武器生成という力を試しておきたい。

 本当に信用できる力なのかというのは、使ってみないとわからないからな。

 何かデメリットがある可能性もあるし。


「じゃあ桜咲さん、装備生成しちゃって!」

「了解! じゃあいくよ! 武器生成イークイップメントワークス!」


 スキルを発動した瞬間、桜咲が手に持っていた武器が強烈な輝きを放った。

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こちらが書籍版です。
『ダンジョン・スクールデスゲーム』
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