食堂での会議 各パーティのレベル
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今日の夕食はなんだろうか?
そんなことを考えながら食堂に入ると、かなりの賑わいを見せていた。
既に食事を始めている生徒もいるようだ。
「あ、九重さん! お疲れ様~!」
「お疲れ様!
加賀沢さん、今日は何を作ったの?」
キッチンから勇希が声を掛けた加賀沢……というクラスメイトは、初日から料理当番になってくれた子の一人だった。
「今日は簡単に肉野菜炒めだよ~!
それとお豆腐が入ったからお味噌汁も作ってみた!
まぁ~、こっちは長谷部ちゃんがやってくれたんだけどね」
そう言って、加賀沢はキッチンに立つもう一人の少女の肩をポンと叩いた。
この子は今朝、俺におにぎりを渡してくれた子だったな。
どこか幸が薄そうな感じだったので印象に残っていた。
「大したことはしていないけど……少しでも美味しく食べられてもらったら嬉しいです」
「こういう家庭的な感じの食事っていいよね。
大翔くんもそう思わない?」
「うん? ああ、そうだな」
まさかこんな場所で、味噌汁を飲めるとは思わなかった。
昨日のカレーに使われていた具材もそうだったが。
ポイントにより支給される食料は、現実世界の物と何ら変わらないようだ。
「なんだよ宮真~、適当な感じだなぁ。
折角、長谷部ちゃんが愛を込めて作った手料理なのにさ」
「か、加賀沢さん!」
「ははっ、可愛いなぁ~長谷部ちゃんわ」
加賀沢にからかわれて、長谷部は真っ赤になっていた。
「もう!」
「悪かった。拗ねないでって。
ほら、宮真くんたちにお味噌汁をよそってあげよ。
みんなお腹ペコペコでしょ?」
「そうだな。
そうしてくれると助かる」
「……あっ、ごめんね。直ぐに準備するから」
鍋で炊いたご飯からお米をよそう。
今更に気付いたが、米は炊飯器ではなく鍋で炊いていた。
炊飯器も購入することが出来るのだが、キッチン用品を買った際に鍋が付いてきていたからな。
これも節約ということなのだろう。
こういった些細なことでも続けていけば、大きな効果を生みそうだ。
二人は料理の担当者として、しっかりと役割をこなしていた。
「お待たせ、宮真くん」
「ああ、ありがとう」
「ううん。これはわたしの仕事だから……」
長谷部は慎ましやかに微笑んだ。
控えめながら、優しい印象を受ける。
このクラスの生徒の中では話がしやすそうだ。
そういえば……彼女には朝のおにぎりの礼もしっかりと伝えてなかったな。
「……朝のおにぎりも美味かったよ。
ありがとな、長谷部」
「え……!? あ、う、ううん! ――わたし、また作るから!」
びっくりしたように目を丸めた後、長谷部は満面の笑みを浮かべた。
自分の仕事が評価されたことが嬉しかったのかもしれない。
「ヤマトが餌付けされてる。
ボクも料理当番になった方が良かったのかなぁ……」
ボソリと呟く此花。
俺を犬扱いするんじゃない。
「九重さんたちの分も直ぐに用意するからね!」
「急がなくても大丈夫だからね」
「あ~お米のいい匂いがボクの食欲を掻き立てるよ~」
勇希と此花が料理の載ったお盆を受け取るのを確認して、俺は空いている席を探した。
「宮真く~ん! こっち、こっちですよ!」
野崎が食堂の席から立ち上がると、手をぶんぶん振ってきた。
相変わらず騒がしい奴だ。
他のグループは明らかに野島を避けるように席に座っていた。
こいつと同類に思われるのは少し不本意ではあるが……まぁ、他のテーブルには空きがない為、俺たちは野島のいるテーブルに向かう。
「野島くん、まだ食べてなかったんだね」
「おうよ! 宮真くんよりに先に食うわけにはいかねえからな!」
別に食べててもらっていいんだが……まぁ、好きにさせておくか。
「……とりあえず、食べるか」
「だね! ボクもうお腹ペコペコだよ!
いっただきっま~す!」
「いただきます」
「あ~腹ペコだぜ」
そして俺たちは食事を始めた。
「聞いてくださいよ、宮真くん!
オレは今日、モンスターを3体仕留めたぜ!」
「へぇ……じゃあレベルもいくつか上がったのか?」
「おう! 3レベルになった」
1階層ではモンスターに脅えていた野島も、2階層ではしっかりと戦えたようだ。
やはりポイントで武器を買えたのは大きかったのだろう。
「宮真くんは今、レベルはいくつなんです?」
「俺は……」
流石に本当のことは言えないよな。と考えていたところで、
「みんな! 今日もお疲れ様!
今日も情報交換をしていきたいと思う。
食事中の人は食べながらでもいいから聞いてほしい!」
三間が席を立ち話を始めた。
「まず聞いておきたいんだけど、レベルが上がった生徒は申告してもらってもいいかな?」
現段階で大きく差が付いている生徒はいないと思うが、クラスメイトのレベル、そして能力を把握しておくことは今後の作戦にも関わってくるだろう。
能力次第ではパーティメンバーの変更をした方が探索の効率だって上がるかもしれない。
「まずは……」
各パーティのメンバーが、自分のレベルを自己申告していく。
(……さて、俺はどう答えたものか)
事実を伝えるつもりはない。
もし俺が自分のレベルを伝えれば、最悪は俺一人にダンジョン探索を押し付けようとする生徒が出て来るかもしれない。
かといって、低く申告するのは怪しまれるだろう。
ボスを倒したところは見られていないとはいえ、パーティメンバーと協力してモンスターを倒しているからな。
1階層でのアドバンテージを考えると、周囲の生徒よりも多少高いレベルを伝えておくべきだろうか?
「次は久我くんのグループ、いいかな?」
「OK――まずはこのぼくのレベルから……」
久我……と呼ばれる生徒が自慢そうにニヤっと笑った。
そして暫く溜めを作り、周囲の注目を集め、
「ぼくは――5レベルになったよ!」
高らかに宣言した。
久我とか言う生徒は偉そうに言っていたが。
俺は思った。
低いな、と。
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