襲来!魔王軍幹部
「…イテテテ、って生きてる?」
「何やってるんですか!?カイン!」
「ハルカ!?なんで出てきたんだよ!」
「カイン1人に任せるなんてできません!」
クッ!いいこと言うなぁ…それに比べてキリンめ俺のこと置いていきやがって!
「…ところでカイン…どーします?」
「作戦もなしに出てきたのかよ!?」
「…カインを助ける一心でして…」
その心はありがたい、けど…
「…1つだけ策はある。」
「…それは、なんですか?」
「能力を使う…しかし動けるのは10秒…その間に決着をつけてやる!」
「…わかりました。頑張ってください!」
何かの呪文をかけてくれた。
「これは?」
「攻撃力アップのバフ魔法です!そこまで急激には上がりませんが…」
いつの間にそんな呪文を覚えていたのだろうか?でも今は考えてる余裕なんてない!
「いや助かるよ!」
「おい貴様ら!いい加減戦闘に戻らんか!」
「「律儀に待ってたのかよ!」」
「いくぞ!」
掛け声と共に時間を止めた。そして連続でひたすらに斬撃を飛ばし続けた。10秒という限られた時間で。ハルカたちには伝えなかったが10秒を過ぎると自分自信も動一定時間動けなくなる。その前に…ッ!
5、4、3、2、1…うぉーー!
心の中で叫んだ。
そして時が動き始める。
ドン!ドス!ババババ!様々な音が聞こえてきた。
「…チッ!まだ動けるのかよ!」
口だけは動かすことができるらしい。しかし体がピクリともしない。
「悪くない攻撃だったな。だがその程度我にはきかんぞ!」
相手が大きく拳を振り上げた。
今度こそ終わりだ。
せめてハルカだけでも逃げてほしい。だから
「ハルカー!逃げろー!」
最後に思いっきり叫んだ。
「チーッス神でーす。」
「…は?」
「なにその顔?ちょーウケる〜」
チャラ神に思いっきり拳を叩きつけてやった。
「痛ってー、とか言っときながら全然痛くなーい。」
ダメだ構ってたらキリがない…
「で?ここはどこなんだよ?」
「天界でーす。君はさっき死にました〜。」
「やっぱりアレは夢じゃなかったのか…」
「無様だったね〜」
もう一回殴ってやろうか。
「俺はどーすればいいんだ?生まれ変わ…
喋っていると、ふと目の前が真っ暗になった。
そして少しずつ音が聞こえてくる…
誰かの泣き声だった。
重い目蓋を開けるとハルカが泣いていた。
この状況は…膝枕!?
「逃げろなんて言われても逃げられませんよ!」
どーしよ声をかけづらい…
「まだまだカインと冒険したかった…きゃー!」
あ、やっと気付いた。
「カ、カ、カ、カイン!?生きてたんですか!?」
「生きてたと言う表現が正しいのか知らないけど生きてるよ。」
「あの幹部は別の場所に移動中です。移動する前に俺の嫁にならないか///?とかなんとか言ってましたけど…」
ハルカが無事なのは良かったが、なぜ俺は生きてるのだろう?不思議だ。
「またまたチーッス。生き返った理由なんだけどね、ハルカって子についた特殊能力が蘇生だった、みたいな?」
蘇生!?ナニソレもーチートじゃん最強じゃん!
「あ、でもね、死んで1時間以内で…自分に好意のある人限定だってさ!」
な、な、な、何を言いだすんだ!このチャラ神は!
「べ、別に好きじゃねぇーし!ちょっと気になるだけだし!」
「…はぁ…まぁ、ハルカって子に感謝するんだな〜」
ふぅ、あのゴーレムに勝ち逃げさせるものか!
ゲーマーとして譲れない…ッ!
それに…ハルカに手を出そうとした事を後悔させてやる!