Lv1でもゴーレムと戦えますか?
「…で?結局ハルカに与えられた能力はなんだったんだよ?」
「ふっ、そんなの俺も知らん!」
威張って言えた事じゃねぇ…
「おいクソ神どーいう事だ!?」
「いやー能力はランダムだから何がつくかわからないし。てへ(棒)」
凄く腹がたつ。殴ってやりたい。
「もぅいいや。お前に構ってると胃に穴が空きそう…」
「ふっふっふっ。よく言われるさ!」
「ならその性格直せよ!」
〜次の日〜
今日は何のクエストに行くかな…
「あの〜カイン今日は私のレベル上げに付き合ってほしいのですが…」
「別に良いぞ。キリンも良いよな?」
「ウチも構いませんよ。」
「じゃあ行くのは…ゴーレムとかどうでしょうか?」
こいつ俺らのレベルのこと考えてるのか?
「いいですね!私もゴーレムと戦ってみたいですし!」
「おい待て、俺らのレベルじゃ無理だろ。」
「そ、それもそうですね…」
「安心してください!ウチが盾になります!」
「カインこれなら私たちでも行けますよね?」
…まぁいっか…
「わかったよ。ならゴーレム戦だ!」
レベル1でゴーレムと殺り合うのか…気がひける…
【ゴーレム の討伐×3体 ★★★☆☆】
報酬60000G
「受けちまった後で言うのも何だが…本当に大丈夫なんだよな?」
「ま、まぁ何とかなるんじゃ無いんですか?」
不確定要素だらけだ…
「さぁ!ハルカ行きますよ!」
「え?私どうすればいいんですか!?」
「攻撃してくれればいいですよ?」
「炎系以外の攻撃魔法を取得してません…」
「「…え?」」
今回のゴーレムの素材は石や岩でできている。だから炎系などの魔法は効かにくいのだ。
「カ、カイン後ろ後ろ!」
ハルカが俺の後ろに指を指しながら驚いている…なんだ?何か見つけたのか?
「ん?なん…だって!?うおっ!」
ゴーレムが俺の背後から拳を向けて殴りかかっていた…
「ふぅ間一髪だったよ…キリン助かったよ。にしても足が速いよなお前。」
キリンが俺を勢いよく突き飛ばしてくれた。ただあの勢いで壁にぶつかってたら俺、死んでた気がする…
「まぁウチとカインでゴーレムを倒します。近くにいるだけでも経験値は得られると思うのでさっさと倒しましょう!」
「「はい!」」
「な、なあコイツ硬すぎないか?」
「妙ですね…」
二体は簡単に倒せたがコイツだけは中々倒れなかった。それに他の2体と違いデカイ。何度も攻撃されたがギリギリの所でキリンの助けが入ったおかげで助かっている状態だ。
「さっきから手加減してやっていたが…よかろう貴様らに少しだけ構ってやる。」
「「「しゃ、喋った!?」」」
「お前ら我のことを知らずに攻撃しておったのか?」
「ゴーレムだろ?」
「まぁ間違てはいないが、ただのゴーレムだと思うな!」
「…んじゃなんだよ?実は魔王の幹部でしたーとか?」
と、冗談ぽく言ってみたら…
「な、なぜわかった!?」
「「えーー!?」」
「分かっていての攻撃とあらば容赦はせんぞ!」
まさか魔王幹部と鉢合わせするなんて…
「お、おい!キリンどーする!?」
「カイン…こんな言葉を知りませんか?」
何だコイツ、何を言い出すんだ?
「逃げるが勝ちです!」
最後の、です!と言う言葉が聞こえた時には見えなくなるまで遠くに逃げてた…クソがー!
「小僧1人のようだな。フハハハハ。楽しませて貰うぞ!」
ハルカには気がついてないみたいだ。
これ以上犠牲を出さない為にもここは黙っておこう。
どーにか隙を作って逃げるしかない!
「やってやろうじゃねぇか!うおーー!」
大きく振りかぶって剣を振り払った。
するとゴーレムが伸ばそうとしていた手をある程度壊すことができた、が完全に破壊することは出来なかった。流石、幹部様だ。
「ほほぅ我の腕をここまでにするとは面白い。貴様名を何と…
ゴーレムの言葉を無視してまた剣を振り払った。
「…やったか?」
…あ、これってフラグがたっ…た…?
「貴様、我が喋っているのを遮りおって!」
ですよねー死にませんよね…
胴の部分を軽く削っていただけだった…
「なら教えてやるよ!俺の名はカイン!レベルは1だ!」
「フハハハハ面白い!面白いぞ!レベル1でここまで我にダメージを与えると…
「喰らえ!」
大きく剣を振り払った。
「おぉー、会心の一撃だ〜」
「貴様いい加減にしろ!我が喋っている時に…
「ちっ!もういっちょ!」
今度は両足を狙った。見事バランスを崩し後ろに倒れていった。
「この外道め!」
「ふっ!モンスターに外道なんて言われたくないね。」
「いいだろう。お遊びもこれまでだ!」
地響きを立てながら石がゴロゴロと音を立てながらゴーレムに集まっていく。
そして、
「周りの石で体を修復できるとかチートだろ!」
「幹部を相手にしたことを後悔させてやる。まぁ後悔する間も無くお前は死ぬがな!」
ドス!最後に聞こえた音だった。