クロンデウスの最後
「もしかしてコイツの能力って紙に書いたことを具現化できるんじゃないか?」
「!?ま、まさか!そ、そんなのチートじゃないですか!」
「カーイーン、倒したなら言ってくださいよ!ずっと外で待ってたんですよ!」
頰を膨らませながら近づいて来るハルカ、やべー!やっぱ可愛い!!
「あぁ悪い悪いもうすぐ呼びに行こうと思ってたんだけど…さて、コイツをどーしたものかなぁ。魔王軍関連の情報でも吐かせるか?」
「カイン…ウチは、ウチは!!」
そーいえばキリンはコイツに家族を奪われたんだったな…早く仇を取りたいのだろう…げどやっぱり!
「ウチはコイツを下僕にして生まれてきたことを後悔させてやります!!」
違ったー!殺すなんて生易しいことじゃなかったー!
「おい、立てやゴラー!!」
クロンデウスの胸ぐらを掴み持ち上げるキリン…こ、コエー(泣)
「こ、殺すなら殺せ!だが我は幹部の中でも、最!弱!!」
「ねぇカイン、なぜアイツは誇らしげなのですか?」
「クロンデウス!そのセリフを言いたいのは分かる。だが!カッコつけてんじゃ、ねぇー!!」
キリンに掴まれていた体はキリンの手から離れ後方へ殴り飛ばされた。
「なぁキリン、コイツ本当に幹部の奴なのか?影武者の方がよっぽど強かったぞ?」
「か、カイン!それは言っちゃいけないことですよ!クロンデウスは幹部の中で最弱どころか、魔王軍の中でも最弱なのではないか?と噂されてるくらいなんですから!」
「…え?ちょちょちょ!どーいうこと!?アイツらそんなこと言ってたの!?許さねぇ!」
「そんなんでよく幹部が勤まったなぁ?」
「能力が能力ですからねぇ。」
「カイン、キリン、色欲の持ってる能力ってなんなんですか?」
「今俺らも考えてるんだが多分紙に書いたことを具現化するんじゃねぇか?違うか?クロンデウス。」
「残念だったなあ!俺の能力は設定変更!あらゆる設定を紙に書くことで変化させることができるのだよ!!キャラ設定にオブジェクト設定、ありとあらゆる設定を…」
「あ、もういい聞き飽きたし。その能力って俺らが書いても発動するわけ?」
「基本は紙なんて必要じゃない。その紙は私の魔力が込められていて魔力を肩代わりしているのだよ。つまり紙に書けば発動するね〜」
誇らしげに言ってるけどそれって…
サッ!とキリンがクロンデウスの近くに落ちてた紙とペンをとり何かを書き始めた。
『永遠のロリっ子』
!!何書いてんだ!?そして書いた紙をクロンデウスに貼り付けた。
するとスタイル抜群巨乳お姉さんからみるみる小学生くらいのお子ちゃまに若返っていた…
「お、おいキリン!貴様許さんぞッ!燃え上がれ火炎弾!」
この呪文ってアレだよな、超初級の魔法…レベルまで落とされたのかよ…炎の弾をヒョイと避け
「クロンデウス、さっきまでの勢いはどーした!」
いや、これ正義と悪の立場が逆転してるよね!?
いかにも年下の子をイジメてる様な光景だよ!クロンデウス泣きそうだよ!
「まだ私のターン!」
あ、まだ諦めてなかったのね…自分の足元に散らばった紙の1枚を拾い上げ予備のペンで何かを書き始めた。
書いた紙を投げると紙が銃に変わった。
「さっきは、銃の使い方が分からなくて失敗したが次は仕留める!」
…はぁ!ったく、しょーがねぇな!
撃たれる前に時間を止め紙を拾い上げペンを奪いこう書いた。
『攻撃不可』
それを背中に貼り付けると同時に時間が動き出す。
今度はトリガーを引き引き金に手を伸ばしていたが撃てないことに気づく。
そして能力の代償に動けない俺…
「な、なぜだ!なぜ撃てない!!」
「簡単な事さ、お前に『攻撃不可』って書いた紙を貼ればいいのさ。」
これでコイツは俺らに攻撃的な行動はとらない!
「ハルカ!散らばった紙を集めてくれないか?キリンはそいつが逃げれない様に出口を塞いでてくれ!」
完璧!攻撃できない以上ハルカが怪我をする必要なく紙の回収ができ、一つしかない出口を抑えれば奴はここから逃げれない!
「クソーー(泣)」
「よし、動けるよーになったー!あとは、ハルカ〜集めた紙をくれ〜」
「はい、これで全部だと思います。」
まずはこれから書かなきゃな
『カイン、ハルカ、キリンの言った事は絶対に守らねばならない』
『カイン、ハルカ、キリンのペット』
ふぅ〜ここまで書けば問題ないだろう!グヘヘへ
「カイン、顔がヤバイです!」
「ハルカ!そいつを抑えろー!」
逃げ出そうとするが小学生程度の体格ではすぐに捕まえられさっき書いた2枚を貼り付けられていた。