色欲の幹部の能力
「おい、キリン!助けに…来た、ぞ…おい!キリン!」
そこには右手を自分の血で真っ赤に染め腕を抑え、うずくまっているキリンの姿があった。
それを見た途端記憶ピース1つはまった。
「フェムト…俺、お前のこと守れなかった…ッ!俺、誰も守れなかった…ッ!ごめん…ごめん!…アベルも父さん、母さん、村の人!誰一人守ることができなかった!」
涙を流しボロボロになった村の中、一人で泣いていた。この記憶は、一体なんなのだろう?
フェムトって、誰?いや、今は関係ないか。それよりもキリンを助けなきゃね。
「キリン、立てるか?」
「一人で立てます。大丈夫です。」
そう言って俺の差し出した手を断った。
「奴の能力は不思議なものです。気をつけて下さい。ウチは剣を持てそうにないので雷撃がカインに当たらない程度にサポートします!」
「俺一人で十分だ!」
親指を立てキリンに見せつける。キリンは無理に決まってると首を振る。
「なぁキリン、この戦いが終わったらお前の話聞かせろよ。ハルカとお前のこと分からないことだらけだしさ。あとコレ、フラグじゃねぇからな!」
「…ふふ、そ〜ですね〜キリンちゃんのお話をしてあげましょ〜かね〜」
と、さっきまでとは違ってどこか嬉しそうに見えた。そして頰から一筋の線が見えた。クロンデウス、絶対に許さない!
「アタシに勝てるとでも思ってやがんですか?馬鹿にするのも大概にしやがれです。能力の腕は幹部随一なんですから!」
そう言ってクロンデウスは紙とペンを取り出した。一体何をするんだ?
紙に何かを書き始める。書いてるのはおそらく文字…書き終えた途端地面に叩きつけた。すると紙は消え一本の剣が現れた。一体こいつの能力はなんだ?