キリンの本気
「…ーい、おーいカーイーン。」
「んあ?チャラ、神?なんだよ?」
「いやいやーまさか時間止められてるのに眠るって凄いよある意味只者じゃないぜ?クスクス。」
面白いのは分かったけどわざわざクスクスって言わなくてもいいだろ…」
「で?思い出せただろ?昔の記憶。」
「いやそれが途中までしか思い出せなくって…」
「えー寝てたくせに思い出せてないの〜まぁそのうち思い出すか〜そ・れ・よ・り〜前見た方が良いんじゃないかな〜」
ん?前って……あ、忘れてたキリンが裏切って攻撃をって…いや裏切ったわけじゃないか、元々アイツは魔王軍側だったっけ。取り敢えずアイツをなんとかしないとな。
「それじゃーカイン君時間を戻すぜー頑張れー(パチン!)」
「せやー!」
チャラ神が指を鳴らした途端にキリンが剣を振りかぶってきた。今までの振りとは違い美しい剣の振りだった。俺の魔剣の能力の1つ身体能力向上のおかげでギリギリのところで避けている状況だ。
「くっそ!」
俺は剣を抜きキリンの剣を強く弾く。バランスを崩したキリンが一歩後ろに退がる。ガラ空きになった腹部に軽く体当たりをして更に後ろへ。
「おい!キリン!俺たち色んな思い出を作ってきただろ!?魔王軍なんて辞めちまえよ!!」
「思い出なんて…ありません…」
複雑な顔を浮かべ下を向くキリン。
「そんなこと…いや、確かに大した思い出なんて…無かったな…よしお前切るわ。どりゃー!」
正面から突っ込む。がキリンが俺に左手の平を向け、電撃を放った。
「!?お、おい!キリンさん!?今の何だよ!?知らねぇぞ電撃なんて!?」
辛うじて避けることが出来たが、今までアイツがあんな能力を使うことなんてなかった。それどころか能力持ちであることすら知らなかった。さっきの剣技といい俺の知ってるキリンは偽りだったのか?本当にあれは…偽りだったのだろうか?
いやまぁ弱ければ魔王軍にいるはず…
「カイン死んでください。」
「え?」