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Lv1の冒険者でも魔王を討伐できますか?  作者: AM09:06
借金返済
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カインの勘違い

「おい冒険者!道が拓けた!こっちに来い!」

「あ、ありがとう助かったよ。急に囲まれ始めちゃって。」

「あとは俺が何とかする、さっさと逃げろ。」

その冒険者は頷き、足を負傷したのか左足を引きずりながら街へと帰っていった。

「さぁ!来いよ雑魚共!おりゃーー!」

森を破壊する恐れがあり斬撃を飛ばさないで戦ってきたが、なぜだどこか懐かしく感じる。冒険者になったのは初めてのはずなのに…妙な違和感を抱えながら戦っていると奥から拍手をしながら歩いてくる人影が見えた。

「流石だね〜兄さん。」

そいつは黒のフードを被り俺の持っている魔剣にそっくりな剣を腰に下げていた。そしてその男がスケルトン共に近づくと途端に攻撃をやめた。

「はぁ?兄さん?誰のことだい?俺は1人っこ何だけど?」

あいつの顔には一切の見覚えがなかった。でもあの男は俺のことを何か知っている。一体何者なんだよ…

「そうか…神々によって一部の人間は僕に関する記憶が消されてるんだったけ?無理もないかな〜」

「おい!どーいうことだ!説明しやがれ。」

「まったく〜焦っちゃダメだよ、兄さん。なら自己紹介といこうかな。僕の名前はアベル。カイン兄さんの実の弟だよ。」

フフフと楽しそうに笑うアベル。神々によって記憶を消されたとか全く意味が分かんなぇよ!

「それで?なんでお前に関する記憶が消されてるんだ?」

「簡単な話さ、僕は神と兄さんを裏切って魔王軍側に付いた。元々僕と兄さんは神によって神器を授けられた。兄さんのその剣と僕のこの剣だよ。」

そう言いながら腰の剣に手を置く。

「おい!全然話が見えてこないぞ!」

「ったく…だから、裏切り者の兄弟として兄さんは殺される。そうすると魔王を倒す有力候補が消えるからそれを阻止するために一部の人間の記憶を改変したんだよ。今から2年前の出来事さ。どんな記憶に変わってるかは知らないけどね。」

つまり俺は学校に通ってると思ってたのは勘違いで記憶を改変されていただけ?じゃスケルトンと戦った時懐かしく感じたのは2年前この剣で魔物と殺りあってたからなのか?

「それで?その裏切り者が何の用だよ?」

「怖いな〜兄さん。そんなに怒らないでよ。面白い報告をしにきてあげたんだからさ〜」

「はぁ?なんのことだ?」

「兄さんのパーティーメンバーのハルカって子を人質にとってあるんだ〜同行してくれるよね?」

「ふっ笑わせるな。今ハルカはキリンと一緒に用事があって出かけてるんだよ。キリンがそう簡単に倒されるはずないんだよ。」

「随分と信用してるんだね〜でもさ、そのキリンが魔王軍の関係者だったらどうする?」

はぁ?キリンが魔王軍の関係者?ふざけんじゃねぇよ!あいつはレベルこそ高いが攻撃をろくに与えられないやつだぞ?

「いやいや変だと思わなかったの?カンストした人が始まりの街にいるなんてさ?」

笑いながら指をさしてくるアベル。チッ!

「少し腹立たしいが同行する。ハルカは無事なのか?」

「勿論だよ〜人質に危害を加えて何かあっても困るからね〜」

楽しそうに喋りながら目的地まで案内するアベル。

「そうそう、兄さんなら絶対に助かると思ってたよ〜スケルトンに囲まれた冒険者を見捨てるなんて兄さんには出来ないもんね〜」

「あれは、お前がやったのか?」

怒りを表に出さないように前を歩くアベルに問いかける。すると、えへへ と言わんばかりの表情でこちらを見る。コイツ…!

「お前が…お前がやったのか!」

怒りに身を任せ剣を抜く。しかしアベルの方が一足早く俺の首元に剣を突きつけた。

「遅いなぁ兄さん。今の兄さんは僕でも倒せそうだよ。さて剣から手を引いて。」

言われるままに剣から手を離す。それに合わせアベルも剣を鞘に直す。その時、能力を使って時間を止めた。

「どりゃ!」

なぜかアベルはまた俺に剣を突きつける。なぜだ時間は止まってるはず。

「時間停止の能力でも使ったのかな?まさか兄さんが能力者になるとは思ってなかったよ。でもね僕は能力、魔法干渉を受けないって能力があるんだよ?まぁ忘れちゃっただろうけどね。」

余裕の笑みを浮かべるアベル。今の俺には勝てる可能性がない。

「そろそろおとなしく付いてきてもらっていいかな?」

「…わかった。なぁ聞きたいことがある。なぜお前は裏切った。」

少しずつ2年前の記憶を取り戻し始めたが裏切った理由だけが思い出せない。

「そうだね〜詳しく説明する訳にはいかないが…今の僕は操られているのさ。暴食の幹部によってね。喋ってる間にほら着いたよ。」

アベルの指をさした方には洞窟があった。

「さぁーて兄さん、気をつけてね〜中には幹部もいるんだから。」

「フハハあまり舐めるなよ弟よ。これでも俺は幹部の1人を葬ったんだぞ?」

自慢して見るとアベルは呆れたように、

「はぁ…あれは暴食の幹部が操ってた囮だよ、色欲の幹部はまだピンピンしてるよ。というか幹部がそんなに弱いわけないじゃん…」

囮…だと?囮であれほどの力があるのかよ…

喋っていて気づかなかったが洞窟に入ってしばらく経つ。魔法で作った火がアベルの手で燃えている。それを頼りにどんどん奥へと進んでいく。

「そろそろだよ、兄〜さん。」

「どーも初めはしめまして、色欲の幹部クロンデウスです。」

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