バイト初日
「店長〜着替えて来ました。」
「おぉー中々似合ってると思うよ。早速働いてもらうからね。えっとーまずは5番テーブルの食器を片付けてくれる?」
「了解です。」
パリーンパリーンパリーン
「ちょちょちょ!カイン君!?何やってるの?」
「片付けろって言われたから言われたとうりにしてました。」
「ゴミにしろって意味じゃないからね!?流し台に置いといてって意味だから!」
「え!?言われなきゃわからないですよ!でもこっちの方が効率良くないっすか?」
全くこの店長やっぱダメダメだな…
「言わなくても分かるでしょ普通…それに割ったら使えないでしょうが…」
何かボソボソと言ってるみたいだけど落ち込んでないで店長も働いてほしいものだ。ただでさえ人が少ないのに。
「店長〜食器片付け終わりました。次何やれば良いですか?休憩でいいっすか?」
「まだ10分も経ってないよね!?はぁ…次は床を拭いてもらっていいかな?」
「えーまだ働くんすか?ったく人使い荒い店長だな…ハルカがいなきゃとっくに辞めてるっつーの。」
「こっちだって人が足りていれば君なんて雇わないけどね!」
「あぁもう店長いいですから、さっさと働いてください。」
店長、拳をプルプルさせて何やってるんだろ?何?中二病?全く…仕事をしてほしいものだ。
「店長〜床掃除終わりましたよ。次休憩でいいっすか?」
「…あぁ、どうぞ休憩に入ってください。」
「んじゃお言葉に甘えて〜」
それから閉店時間まで仕事に呼ばれなかった。
「これカイン君の日給…明日からは頑張ってね…」
「はーい。」
どれどれ金額はどれくらいかなぁ〜
小袋の中を覗くと200G…え?
「ちょっと店長!少なすぎじゃないっすか!?」
「働いてないのに文句を言うなー!」
「あぁーもういいっすよ!クエスト行った方が金になります!」
初日でバイトを辞めることにした。
「はぁーよく寝た…早速クエストでも受けるか。」
「あ、カインやっと来ましたね。」
ギルドの前でキリンとハルカが待っていた。
どうしたんだ?
「カイン、私たち今日用事があるのでクエストに参加できないんです。」
「そうなのか?分かったよ。クエストは俺1人で行ってくる。」
てことは無茶なクエストは受けられないか…
ギルドに入りクエスト掲示板を見渡すとピッタリのクエストがあった。
「金額は高くないし、楽勝だろ。」
【ゴブリンの討伐×10体★☆☆☆☆】
報酬500G
「そりゃ!ラストー!…ふぅ思ったよりも早く狩れたな。ん?スケルトンの群れか?」
森の奥の方でスケルトンが何かを囲っていた。そして中の方から金属音が聞こえる。まさか!
「どけー!スケルトン共!」
もし中心部分に冒険者がいるのだとしたら斬撃は飛ばさない…巻き込んでしまう…クッソ!
カキーン!
「クッソ!地道に倒していくしかないのか!」
俺は何とかなるが中心にいるやつは360°警戒しながら戦わなきゃいけない…そんなの持つわけがない。
「中心にいる冒険者!伏せろー!」
横に一閃スケルトンたちの頭を吹っ飛ばした。
そして中心まで届いた。そこには1人の冒険者がいた。