色欲の悪魔
よしそろそろ追いつく。
「ハルカはここで隠れてて!」
「わ、分かりました。」
「おいゴーレム!待ちやがれ!」
「貴様、なぜ生きておる!確実に息の根は止めたはず。」
奴の体は負傷したまま。きっと再生するにも相当な魔力が必要なのだろう…ならば…ッ!
「時よ止まれ!」
自分の掛け声と共に時間を停止さた。
それと同時に攻撃を仕掛けた。
10秒という限られた時間…
足、手、首を中心に攻撃し続けた。
3、2、1…
ドス!ドドドドド!
ゴーレムの体勢を崩した。すると胴の中から
1人人が出てきた。そいつは見るからに武闘家のような格好をしており、とても筋肉質な男だった…
「まさか我のゴーレムがやられるとは思ってもなかったわい!」
ヤバい、まだ体が動かない。
「テメー何もんだ!」
「我こそが魔王幹部の1人、先の戦闘においてゴーレムを操っていたクロンデウスと申す者だ。」
「ふーん。お前人間なの?」
動け!まだか!まだなのか!?
どーにか時間を稼がなきゃ!
「種族的にはそうなるな、我は悪魔によって育てられた人間だ。」
そしてクロンデウスは地面に手をかざし呪文を唱えていた。
すると小さな石が集まり30センチほどのゴーレムを無数に作った。
「さぁ!どこまでお前のマナが保つかゲームの開始だ!」
ニヤリと口角が上がるのを確認できた。
ハァこいつきっと魔剣の斬撃を飛ばすのに限界があると思ってやがる…可哀想に…
取り敢えず…
「な、なんて事だーこれが幹部様の力かー(棒)」
「フハハハハ!今更後悔しても遅いわ!残念だったな小僧。」
う、動ける!今度こそ仕留める!
「行け!ミニゴーレムたち!」
まずはクロンデウスの思惑通り攻撃しといてやるか…そして途中から…グヘヘへへ
「おりゃ!それ!喰らえ!」
切っても切っても勝手に再生していく。
「フハハハハ無駄だ!もっと行けミニゴーレム!」
「ハァハァハァ…クッソここまで…か…」
「なかなか楽しかったぞ。さぁ留めだ!」
「時間よ止まれ。」
ボソッと呟いた。そして時間が止まる。
「これで終わりだーー!」
力一杯剣を振った。綺麗にクロンデウスに向かって斬撃が飛んで行きパメルの体ギリギリで止まり時間が動き出す。ドカーン!凄まじい音が鳴り響いた。しかし鎧がとても頑丈だったのか息はまだあった。
「よくも…我を…だが…幹部は…あと…6人…貴様ごとき…叶う相手…では…」
幹部の一体を倒すことができた…しかし凄くギリギリの戦いだった。
「勝った…のか?」
「おめでとうございます!カイン!」
「俺が、俺があいつを…倒せたのか…?」
「そうみたいです!…でも…」
「ん?…あっ…」
2人が見たのは木々はなぎ倒され、地面がえぐれてる状況だった。
「これの修理費いくらぐいでしょうか?」
「半径が1kmくらいの被害か…」
取り敢えずギルドに報告か…
「ま、まさか幹部のクロンデウスを倒してくるとは驚きですよ!」
ギルドの人はとても驚いていた。当然だろう…
まだ冒険者になって間もない俺たちが幹部を倒すなんて…
「…そーなんですけど…」
キョトンとした顔でこちらの顔を伺っている。
「そのぶんの被害が…」
「…一応聞いておきます。どれくらいの破壊が?」
「半径1kmくらいの木々をなぎ倒され(以下略)といった感じです…」
「えっと…その場合被害総額を含め払える報酬は…−450000G…になります…」
「聞き間違いですか?45万Gの間違いですよね?幹部を倒したんですよ!?」
「いえ、カインさんたちの戦った場所って…凄く土地が高い場所なんですよ…なので…」
もぅ売るものなんて何もないぞ!こっちとら家も土地も売ったんじゃボケー、っと叫びたい。
「あ、詳しい情報が入ってきました。…その残念なお知らせですが…」
「は、はぁ…」
なに!?これ以上どこに不幸になる要素があると!?言ってみろよ!
「報酬の金額は−50万だそうです。ギルドの方に行ってもらってるので、これが正確な金額になります…」
わー不幸になる要素あったー(泣)そんな…借金だらけの人生なんて…ちくしょー!