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珍客
寝起きがすこぶる悪い。変な夢を観たからではなく、今日に限って寝相が悪かったのか、少し寝違えているからだ。首筋と、背中が痛い、痛すぎる。
「う~……」
目覚まし時計を見ると、まだ6時20分だった。目覚ましよりも10分早く起きてしまった。どこか損した気分だ。
時計のアラームを切り、自室から出る。朝食を摂りに食卓へ向かった。
「あら、今日は少し早いのね」
キッチンでは母親が朝食の用意をしていた。
「うん。少しだけね。それより、湿布ってある?」
「湿布?納戸の中の救急箱に入ってるけど。どうかしたわけ?」
「寝違えちゃってさ」
「うわぁ。大学生になってからの不摂生が祟ったのよきっと」
「学生生活を謳歌してるって言って」
不摂生。確かに最近軽く太って……いや、そんなことはない。断じてあり得ない。忘れよう。