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罠師ですけど戦います!!  作者: Saban
第一章: 罠師よ、常識を壊し続けろ!!
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005: 罠師成長中!!

リアルが忙しくなったため更新速度が落ちてしまいましたが、週二回以上は投稿できるようがんばるので、よろしくお願いします。

< 罠師ですけど戦います!! >


第一章:罠師よ、常識を壊し続けろ!!

005: 罠師成長中!!


「 はぁ、はぁ、・・・どうにかなったか・・・よかった 」


肩で息をしながらも、周辺に転がった三体とバラバラとなった元魔物であったそれが動かないのをもう一度確認し、俺は短剣をそのままに、その場に寝転ぶように地面へと身体を預けた。

死体から発せられる鼻につく嫌な臭いは不快であるが、達成感からか目の前に広がる夜空はいつもよりどこか美しく感じられる。


どれくらいの間ハードウルフと戦っていたのかは分からないが、かなりのダメージを負ってしまった。

硬化魔法を度々使用していたため致命傷はないものの、全身のいたるところには打撲痕が残っており、加えて魔法を使いすぎた為に消費した魔力もかなりのものだ。


もはや腕を動かすのさえ憂鬱と感じる程の疲労感を感じる。


「 とにかく崖を上って野営地に戻らないとな・・・荷物無事だったらいいけど 」


身体をそのままにポーチから気休め程度の回復アイテムを取り出し、使用していく。

持ってきた荷物の中になら“ライフドロップ”よりもより効果が期待できる回復アイテムもあるのだが、それもウルフマンから逃げるときに野営地へと放置してしたままであったため、残っているかは微妙なところだ。


ウルフマンを含め“人”に似た姿を持つ魔物の殆どは、道具を扱う知能を少しは有している。そのため放置した荷物などは巣へと持っていかれる可能性もあるのだ。

もしそうなら、かなり厳しい状況になってしまうな・・・


苦い顔を浮かべつつも、カードケースへと視線を向ける。


ポーチに残ったアイテムが少ないのもそうだが、何より持ってきたトラップカードの残り枚数が少ないのだ。

元々戦闘なんてするつもりも無かったからということもあるが、一度でこんなに、それも複数のトラップを使用するなんてこと想定してなかったので、カードケースに残った枚数はもはや目視で簡単に数えられる程となっている。


「 次戦闘になったらヤバイな・・・カードがないんじゃ戦いの幅がかなり縮まっちまう・・・荷物の中に予備のカードケースがあったけど残ってるかな・・・まぁ、今はなによりも体力の回復を優先するか 」


ゆっくりと重い瞼を閉じる。

このまま眠ってしまいたいが、上位危険種が蔓延るここでそんなことをするのは自殺行為でしかないため意識はそのままに、けど少しだけ身体の力を抜く。

耳に入るのは森林が風で靡くささやかなもので、それ以外にも小動物なのか魔物なのか、生き物が小さく鳴いているかのような音も聞こえる。


あぁ・・・眠い・・・


頭の中を全回転させて戦闘を行ったためか、もう何を考えるにも頭が熱くなる。

もういっそ、眠ってしまってもいいのではないか?

どうせ、今上位危険種に襲われても抵抗する手段なんて少ないし、それなら少しでも眠って活力を取り戻したほうがいいんじゃないか?


自分でも思考が鈍って変なことを考えているのは理解している。

抵抗する手段だってゼロではないし、眠ってしまうなんて愚の骨頂なのは分かっている。

けど、少しだけなら・・・数分だけなら・・いいよな・・・


理性が本能に負けたかのような気がした。

意識がゆっくりと黒の中に溶けていく。


・・・・・・・・・


「 おはようございまぁぁぁぁぁぁす!!! 」

「 うっ、うわぁぁ 」


鼓膜が裂けるのではないかというほどの叫び声が、意識を闇の中から引き上げる。

慌てて、痛んだ半身を起こす、すると目の前には見知った顔の女性がいた。


「 え?・・・なんでここにいるんですか?・・・・ナリィさん 」


いつも集会所の受付で身に付けているウェートレスが着ているような服を着用し、青のポニーテールと小悪魔を思わせるキリっとした目つきは、数時間前に見た彼女そのままであった。しかし、その顔には普段は見たことが無い不安の篭った表情を浮かべている。

息を切らせ、額には多量の汗を浮かべていた。


「 はぁ、はぁ、はぁ・・・眠ったら駄目ぇぇぇぇ!!! 」

「 へっ!!? 」


襟元が瞬間にして捕まれ、彼女の眼前へと引き寄せられたかと思うと今度は額にかかる、カチャという金属音と鉄の冷たい感触。


ん?なにこれ?銃?・・・ファッ!!?


「 ちょぉぉぉぉ!!!起きてます!!!俺超、起きてますよぉぉぉ、ナリィさん!!! 」

「 起きろぉぉぉぉ!!!ハント・トリックスター!!! 」


慌ててアピールを繰り返すが、それも全く彼女には伝わっていないようで、引き金に掛かった彼女の指がゆっくりと動いていく。


「 いぃぃぃやぁぁぁぁぁ!!! 」


自分でも聞いたことがないような奇声が喉奥から発せられた・・・・


・・・・・・・・・・・・


「 はぁ、はぁ、はぁ、ほんとに、死ぬかと思いましたよ・・・ 」

「 ・・・ごめん 」


肩で息をしながらも目の前のナリィさんに視線を向ける。


ホント死ぬかと思った。

まぁ、こんな場所で寝ようとしていた自分が悪いのだが、その仕打ちが魔弾となると酷くないか?


ナリィさんは手にしていた銃を腰にぶら下げたホルスターへとしまうと、背負っていた荷物を下ろして、その中からかなり高価とされるアイテム“マジックウォーター”が入った小瓶を取り出した。


「 はい、これ。とりあえず魔力回復するだけでも大分体調よくなるよ 」


彼女は、まるでさっき自分が錯乱して俺へと銃を押し付けてきたことなどなかったかのように、話を進める。

まぁ、そこまで気にしてないから別にいいけど・・・


ナリィさんから小瓶を受け取り、その栓を外す。

そして舌を血が滲む程度に噛みしめ、その中身を流し込んだ。


マジックウォーターは魔力を大幅に回復する高級アイテムだ。

使用するには、まず対象者が自らの血液をそれへと流し込むだけでいい。そうすることによって無色のその液体は対象者と同質の魔力へと変換するのだ。

後はそれを体内に摂取すれば、大幅に回復することができる。


本でしか知らなかったアイテムだったが、それが体内に入ると同時に力が漲ってきている辺り、効果は本物らしい。

魔力が回復したおかげか、ナリィさんの言うとおり身体に篭った疲労も少し楽になった気がする。


その様子を見て、今度は先ほどの不安とは一変した怒りのような表情を浮かべた彼女が俺の顔を覗き込むようにして近づいてきた。


え?なんで怒ってるの?


「 ところでハント君!!君は一体なにやってるの!!!魔よけのアイテムに“魔力を込め忘れる”なんて初歩的なミスやってこんな危険な目に遭うなんて!!! 」

「 へ? 」


ナリィさんの言っている言葉の意味が分からずに唖然となってしまう。

魔力を込め忘れる?そんなはずはない。

俺は確かに魔よけアイテムの“オウルポール”を設置する際に、その四本のアイテム全てに十分な魔力を注いだ。


よく見るとナリィさんが下ろした荷物は全て俺がこの森に入る時に持っていたモノのようで、その中には彼女が回収したのか“魔力の切れた”オウルポールもある。

しかし、四本全ての魔力が切れている訳ではなく、内一本にはまだ多量の魔力が込められていた。


・・・・どうなってるんだ?


「 たまたま、君の荷物に危機察知用が入っていたから気づけたけど、私がこなかったら・・・え? 」


そこまで言ってナリィさんは言葉を止める。そして辺りに四散したハードウルフであった四体の死体に目をやると、目を丸くして俺へと視線を戻す。


「 これ・・・全部君が倒したの?・・・ 」

「 まぁ・・・はい 」


頭の中にある “疑問”へと思考を凝らしているため、若干呆けたように返答を返す。

それを耳にナリィさんはなにやらキョロキョロとし始めたが、そんなことなど気にせず、俺は再び脳裏を回転させた。

どうなっているんだ?俺は確かにオウルポールへと魔力を注入した。それなのに“何故か”魔力が切れている・・・ナニカが気にかかる、これは一体なんなんだ?


「 すっっっごいじゃない、ハントくん!!! 」

「 ちょっ、ナリィさん、声が大きい!! 」


不意にナリィさんが目を輝かせながら叫びを上げた。

咄嗟にその声を制して、慌てて周りを警戒するが、俺の意思など関係なしに彼女は言葉を続ける。


「 すごいよハント君!!!ハードウルフを、それも四体同時に倒しちゃうなんて!!!やっぱり私の予感は正しかったんだわ!!! 」

「 ちょっ、ナリィさん!! 」


歓喜の叫びを上げ続ける彼女だが、そのせいであろう、奥の森林から先ほどまで嫌という程に聞いていたハードウルフの咆哮が発せられた。

そしてやはりというべきだろう、彼女の叫びに応えるようにしてそれらは現れる。


しかし、それらの姿が目視できるレベルまで距離が縮まると同時に俺の全身は驚愕と共に激しく震えだした。

全身の毛穴から汗が吹き出て切るかのような気持の悪い感覚が脳裏を襲う。


「 嘘だろ・・・さっきの四体でもやばかったのに・・・ 」

目の前のそれらは先ほど俺が相手していたハードウルフであった。しかし、その数は八体。加えてその全てが先ほど俺が相手したものよりも巨大な上に膨れ上がった筋肉は強靭であった。


「 ナリィさん!!早く逃げないと!! 」


瞬間、全身を襲う先ほどとは違った悪寒。


風が止まり、森林から発せられる音が消え去る、そして俺の頬へと一滴の生暖かい赤の液体が飛び掛った。


「 全く・・人がせっかく喜んでるときに水をさすのは止めてほしいのよね・・・ 」


何が起こったのかわからなかった。

気が付くと何時の間にかホルスターにしまっていた筈の銃を構えたナリィさんと、その目の前で胴に巨大な円状の“穴”をあけたハードウルフが俺の視線へと映し出されている。


「 ・・・いち、撃かよ 」


唖然とするしかなかった。


一匹でさえ倒すのに苦労したはずのハードウルフを一撃で、それも目で追うことが出来ない程の速度で倒すなんて・・・


「 でも丁度よかったわ、貴方たちが出てきてくれたおかげでハント君の実力をこの目で確かめることができそうだから 」


「 へ?ナリィさん、何を? 」


耳に入った不思議な言葉に反応して俺は彼女を見つめる。するとナリィさんはニッコリと笑みを浮かべると、淡々と言葉を口にした。

「 相手は残り七体。四体は私が倒すから後の三体お願いね? 」


・・・・は?

思考が追いつかない。

俺、さっきまで必死に戦ってたよね?もうへとへとなんだけど・・・


「 えっと・・・俺もうへとへと 」


「 じゃあお願いね~~ 」


「 ちょっ!!!! 」

言い終わるよりも先に彼女は駆け出すと、自らに強化魔法を施した訳でもないのに、目で追うのがやっとという速度を纏い一直線に残り七体のハードウルフへと突っ込んでいった。

そして・・・


「 せぇぇぇのっ!! 」


群れへと姿を消したナリィさんの声が聞こえたかと思うと、その中心からナニカが宙へと舞う。そしてそれは俺の目の前へと落下した。


それは予想するまでもなく、三体のハードウルフであった。


「 その三体倒しといてね 」


「 自分で倒せるでしょうが!!! 」


苦情の叫びを上げるが、群れの中からはナリィさんの「あぁ、やられちゃう~」という棒読みの叫びが聞こえるだけで、こちらに手を貸すつもりはないようだ。


全く、三体相手とかどれだけしんどいと思ってるんだよ・・・


「 やるしかないよな・・・ 」


急いでカードケースから中身だけを抜き取り、荷物の中から予備のそれを取り出す。

そしてそれを再び腰へと装着し先ほど使用していた短剣を太股に取り付けている鞘へと戻す。そして毎回やっているように深呼吸によって集中力を上げる。


敵は三体。

さっきやったように戦えばいい。

対複数戦ならさっき嫌という程に味わったからな!!!


「 ウェイクセンス セット、マグネットトラップ 」


五感強化と共に磁力トラップの+を両手にセットする。

準備は十分だ。


目の前のハードウルフ達を睨みつける。

そしてそれと同時にそれらは真正面とその左右とで俺へと駆け出してきた。予想通り、先ほど相手した個体よりもそれらの速度は速い。けどまだどうにかなりそうなレベルだ。


「 セット、スライドトラップ 」


近づいてくる正面のそれに対して、足元に設置した移動トラップによって高速で間合いを詰める。

逃げれば殺される。ならこちらから立ち向かうしかない。


突然間合いを詰められたことによって、ハードウルフは驚愕に似た咆哮を漏らすが、瞬時に手にしている剣を振り下ろしてくる。同時にその左右にいるそれらも俺に向けて手にしている剣を突き出してきた。


予想できていることなら対処できる。

目の前のハードウルフによって振り下ろされた剣を寸前で交わし、剣先が地面に潜り動きが止まると同時にその腹に手の平を押し付け、マグネットトラップ+を強制的に付加させる。


「 セット、スライドトラップ 」


続けざまに強化された五感によって左から突き出された剣を交わし、右から来る一撃にあわせてそれにスライドトラップを付加する。

付加を施された剣はそれを手にするハードウルフの意思に関係なく突き放たれると、その刀身を左にいたそれの胴へとふかぶかと沈めていった。


集中力を高める。

左のハードウルフが胴から赤の粘液を噴出し、苦痛の咆哮を上げているその間にも目の前のそれは地面に潜った剣を横ばいし、そのまま横一線に払ってくる。同時に“スライドトラップ”によって武器を失った右のそれも自らの爪を得物とし、こちらに襲い掛かろうとしていた。


「 予想通りに動いてくれて嬉しいぜ、マジックスレッド セット、マグネット- 」


手の平を右から来ているそれの顔面へと向け、そこから高速で魔法糸を放出する。同時にその先にはマグネット-の付加を施し、先ほどの剣同様にそこへと強制的に付加させる。


そして剣が俺に命中するよりも先に、足元へセットしたジャンプトラップによってその一撃を回避した。


しかし、この一撃はこれだけでは終わらない。


マグネットトラップは+と-がセットされた対象物を引き寄せ、或いは反発させる効果を持っている。

つまり、+がセットされた剣と-がセットされたハードウルフの顔面は互いに引き合う。


俺を切り裂くはずの一撃はしかし、その強靭な腕からなる威力に加えて俺のトラップの付加によってさらに強化され、右から襲ってくるはずであったそれの頭部を二つに分裂させた。

咆哮を上げさせる間もなく、頭の半分を失ったそれは地面へと倒れこみ、そこ一面に赤の大きな水溜りを作り出す。


俺自身にはハードウルフを真っ二つにする程の力はない。なら相手の力を利用すればいいだけの話だ。

必要なのは敵の攻撃を恐れず、正面から立ち向かう勇気と、最大限まで高めた集中力。

それさえあれば、相手が上位危険種であろうと、なんとか渡り合うことができる。


一体はどうにか撃退できたが、左にいた剣が胴へと突き刺さったままのそれはもうすぐすれば再び動き出すだろう、卒急に下のやつを仕留めないと。


空中へと跳躍している最中ということもあり、全身に風を感じながらも溜まった息を吐き出し、思考を凝らす。

そして跳躍が終わり次に行う行動がまとまると、太股の鞘から短剣を取り出し、その切っ先を真下にいるハードウルフへと向けた。


「 セット、グラビティー・スライド・ライトニングショック 」


三つのカードを発動させると共に身体を襲う強力な重力。加えて真下へ作用する強制移動の力が俺の纏う空中からの落下速度に更なる速度を付加していく。


「 うぉぉぉぉりゃぁぁぁ 」


強力な一撃となった俺の攻撃はしかし、ハードウルフの足元の地面にクレーターを発生させこそしたが、それが手にしていた剣によって防がれていた。けど・・・


「 ライトニングショック!! 」


付加を施した短剣の刀身が一つの閃光を生み出す。

そしてそこから発生した強力な“電撃”は俺の一撃を防いだハードウルフの全身を瞬時に駆け巡り、その神経の自由を奪っていく。


ライトニングショックトラップ。これは通常地面や壁面に設置し、これを踏む或るいわ触れたものに強力な電撃を与え、その自由を数時間もの間麻痺させるといったものだ。


先ほどの戦闘で試した結果、上位種の魔物相手では数分間しか麻痺させることは出来なかったが、それだけあれば十分だ。


地面に脚をつけ、電撃によって自由を失っているハードウルフへ再び短剣を構える。


「 セット、スライド・ライトニングショック 」


そして速度と電撃の付加を施した短剣をそれの心臓目掛けて突き出し、トドメを刺す。

強力な電撃を心臓に直接放たれたそれは、もはや咆哮とはよべない“オト”のようなものを空へと奏で白目を剥いた。


これで二体目・・・


再び溜まっていた息を吐き出し・・・


「 !!? 」


不意に背後から襲い掛かってきた強靭な腕が俺の首を締め付けた。加えて、その状態のまま地面から身体を浮かべられ、脚が地面から離れる。


「 ぐっ!!? 」


油断した。

残った一体の回復はもう少し後だと思っていたのだ。けど実際は俺の予想よりも早く動けるようになっていたとは。


「 ――― !! 」


必死にトラップカードを発動しようと試みるが、首を絞められているので発動キーを唱えることができない。


しまった・・・こんなことなら、魔力をケチらずに最初からネメアで身体硬化を施しておくんだった・・・


「 ぐぅぅっ・・!!? 」


息ができない・・・意識が・・


目の前がかすれてきて、意識が朦朧としてくる。

俺の首を絞めているそれが、空いたほうに握った剣をこちらへと向けているのが、見えた。


くそ・・やばい・・・


「 そこまでよ!! 」


かすれていく意識の中、ウェイクセンスによって五感強化を施していたからか耳にナリィさんの声が入ると同時に目の前のハードウルフは、瞬きと共に俺の首を絞めている腕を残してその姿を消失させた。


身体を持ち上げていた力が無くなったことで、再び俺の脚は地面へと着地し、俺は急いで首に取り付いたままの腕をのけ身体の中に失われていた空気を取り入れる。


「 大丈夫?ハント君 」


「 ゲホッ、ゲホッゲホッ・・・大丈夫なわけ、ないじゃないですか!! 」


何度でも咳き込みつつも呼吸を繰り返す。

しかし、今回ばっかりはナリィさんがいなかったら死んでいた。


次からはもっと気をつけて戦わないと・・・


「 というか、ナリィさんだったら全部一人で勝ててたんじゃないんですか? 」


「 いやぁ~そんなことないよ~ 」


最早何をいっても無駄だと悟り、俺は先ほど倒して魔物たちの死体に視線を移す。

まさか今日一日でこんなに色んな経験をするなんて思わなかった。

辺りは少し明るくなってきており、永かった一日はもうすぐ終わろうとしていた・・・



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