表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとぎ姫の異種間恋愛物語  作者: たとい
狼と七匹の子ヤギ
17/19

白くなった狼 2ページ

噂を聞きつけて子ヤギがいるという森とやってきたのはよかったのだが、うっかり高いところから落ちて怪我をしたという。

するとそこへ、一人の女性が現れたのだ。

てっきり怖がられるものかと思いきや、彼女は怪我をした姿を見るとかまわず手当してくれたのだという。

その女性が、それはもうかなりの美人で、手当が終わった後には持っていた食料も分け与えてくれたそうだ。


「おい。まさかとは思うが。」

「惚れたね。」


だろうなぁと、赤ずきんを被った狼はため息をついた。


「そりゃあ美人で気立てが良いお人よしだってんなら、惚れても仕方ないだろうよ。」

「お、なんだ。あっさり受け入れてくれたな。でも、それが問題でよ。」

「ん?人間に惚れたってこと以上に、何が問題だってんだ。」

「彼女、子ヤギたちの母親だったんだよ。」


一時の間を置いて、「は?」と赤ずきんの狼は口をあんぐりと開けて言った。


「ちょっと待て、惚れたのは人間の女なんだよな。なんで子ヤギの親が人間なんだよ。」

「まぁまぁ落ち着いて話を聞けって。おいらだって最初は驚いたもんさ。」


なんでも、子ヤギたちの親が亡くなってしまったので人間の彼女が母親代わりとして世話をしているのだという。

本当に優しい人なんだなと感心していると、白い狼はまるで自分のことのように自慢げにしていた。


「ってことはだ。彼女のために子ヤギを襲うのは諦めたのか。」

「そういうこった。」

「で、どうしたらそうなる。」


真っ白な体を見渡しながら聞いた。


「その話はここからなんだ。」


遠い目をしながら、相手は続きを話し出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ