第二の家
「確か、ココアでいいよな?」
「うん。ありがとう」
リビングに座り、あまり甘くないココアを飲んでいるとあまり似合わないピンクのエプロンを着けていた。
「剣斗くん料理するの?」
「まあな」
「意外。カップ麺ばっか食べていそうなのに」
「旨いけど体に悪いからな。熱っ!」
ジュワと海老を揚げる音が響いた。油が跳ねたのか、剣斗は手を引っ込めた。
「仕方がない。天才琴乃ちゃんが手伝ってあげよう」
腕捲りをして私は剣斗の横に立ち、海老を揚げる。
すると、剣斗はパチパチと拍手をした。
「流石、琴乃ちゃん」
「もっと褒め称えるがいい」
「この調子で琴乃ちゃんは海老をお願いします」
「はーい。ってか、パシりになってるし!」
ぶつぶつと文句を言い、海老を揚げ終わると剣斗を探すと笑いながら、ソファーで寝ながら漫画を読んでいた。私は剣斗に近寄り、高く足を上げて、勢いよく踏みつけた。
「あぁっ……そこそこ、強く踏んで」
「え、ここ?」
腰の辺りを強く踏み、ポキッという気持ち悪い感触で足を小さく上げた。すると剣斗は仰向けになり、体を伸ばす。
「どうした? そんな怖い顔して」
「剣斗くんの骨折れた」
「え? マジで?」
「腰踏んだら、ポキっていったもん」
「ヤバイ、急に痛くなった」
「救急車呼ばないと!」
走って電話の前に行こうとすると、大笑いする剣斗を見て、騙したという事に気づいた。
「騙したのね!」
「相変わらず、騙されやすいな」
私は立ち上がった剣斗に蹴りを入れて、椅子に腕を組んで座る。
「早く持ってきなさい」
「分かりましたよ。お嬢さん」
剣斗が並べたお皿はバラバラで統一感が無かった。まるで彼の雑な性格を出しているようだった。
「いただきます」
「たんとお食べ」
「剣斗くん、何かおばあちゃんみたい」
「お兄ちゃんじゃなくてかよ」
「雰囲気がそれっぽい」
「雰囲気って、何だよ」
クスクスと笑うと剣斗は私の頬を引っ張り、変顔を作る。払おうとするが粘り強い(しつこい)剣斗の力で私は足で男性の大事である所を勢いよく蹴った。
「女性の顔に触るのではない」
「だからって、蹴る奴がいるか」
「ごめんごめん。わざとじゃないのよ」
高い声で笑い、私は食器を片付けた。すると食べ終えた剣斗はテレビの前へ行き、ゲームをし始めた。
「琴乃もやろうぜ」
「私ゲームあんまりやった事ないよ」