利用できるのは全て使う
「ま、今回は許してあげる」
「はいはい」
アイスのゴミを剣斗に押し付け、立ち上がる。
「ね、お願いがあるの」
「なんだよ」
「私と付き合って」
食べ終わったアイスの棒が剣斗の制服の上に落ちる。剣斗は口をポカーンと開けていた。汚い と言うと慌て拾い、アイスがついたところを手で払った。
「付き合うって、冗談だろ」
「ね、私を彼女にするの? しないの?」
「……するに決まってるだろ!」
この時の私はとにかくお兄ちゃんに迷惑をかけたかっただけなんだ。そう、私は最低な人間だ。
ーーー
翌日。
早起きして、二人分のお弁当を作っていると首を傾げたお兄ちゃんがいた。
「誰の分を作ってるんだ?」
「秘密」
お兄ちゃんは咳をし、熱いお茶を勢いよく飲み込む。すると、コップを勢いよく倒した。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
「ああ」
布巾で濡れたテーブルを拭いてるとインターフォンか鳴った。
「迎えに来てくれたみたいだから、行くね」
お弁当を包み、お弁当を持って行きドアを開けると加奈子さんと後ろに剣斗くんがいた。
「おはよう。琴乃ちゃん」
「お、おはようございます」
スラッと長い足、細くてキレイな手、絹のようなきめ細かい肌、ああ、触れてみたい。
「どうしたの? 琴乃ちゃん」
「何でもないです! 剣斗くん行こう」
駆け足で剣斗くんの元へ行き、学校へ向かった。すると、お兄ちゃんが出てきて首を傾げた。
「加奈子どうした? 何か良い事あったのか?」
「少し可愛いと思っただけよ」




