利用できるのは全て使う
放課後、剣斗くんの教室に向かい、ドアを開けると剣斗くんは一人で勉強をしていた。
「この問題が解けるまで待ってて」
「うん」
窓側に座ってる剣斗くんの前の席に座り、オレンジ色の夕焼けと暖かい風の優しさに当たりながら、うとうとしていた。
勉強を終えた剣斗はノートを閉じて、筆箱をバックにいれるとのんびりと眠ってる私を見た。すると剣斗は私の頭を撫でて、ぼーっと眺める。
「……剣斗くん?」
「あ、起きたか。帰るぞ」
「うん」
ゆっくりと立ち上がって、バックを肩にかけて、教室を出た。
アイス。と帰り道剣斗は呟いた。私が顔を上げると
何がいい? と子どものような笑顔を見せた。
「ハロゲンダッツの苺味がいい」
「高いアイスかよ!」
「食べたい気分なの」
やれやれとコンビニに入る剣斗を待っているとふとある作戦が浮かんできた。
「そうだよ。お兄ちゃんも嫉妬すればいいんだ……」
すぐに剣斗は出てきて、笑顔で公園で食おうぜ とアイスを差し出すと私は頷きアイスを手に取った。
夕方なのに子どものいない公園のブランコに座り、アイスを食べる。
「うん。うまい!」
「良かったな」
剣斗は隣でソーダ味のガリガガリさんを食べていた。私は口を開けて顔を向けていると、急に笑い声がした。
「なによ」
「顔が面白くってさ」
「失礼ね!」
怒りで頭いっぱいの私は剣斗のアイスをパクリと食べた。
「ああ! そんな食うことないだろ」
「早くレディーにアイスを渡さないから悪いのよ」
「どこにレディーがいるって?」
「なにか……言ったかしら?」
指をポキポキと鳴らし、笑顔で剣斗を見ると剣斗は首を横に振って なんでもないです! と言った。




