1話「死後、女神と対面」
2度目の投稿です!
いよいよプロローグも終わり1話が完成いたしました!
ぜひ最後まで見ていってね
私は過労によって死んでしまった。
最後の記憶は、机に突っ伏したままぼやけていく視界と、帰れなかった家のことだった気がする。
――ああ、終わったんだ。
そう思ったはずなのに。
ゆっくりと目を開けると、そこには見たこともない景色が広がっていた。
どこまでも白く、やわらかな光に満ちた空間。天井も床も分からない、不思議な場所。
そしてその中心に、髪の短い白い翼をもつ私とまるまるそっくりな女神が立っていた。
短い髪は光を帯びたように揺れ、背中には淡く輝く白い羽。優しく微笑むその姿は、まるで絵画の中から出てきたようだった。
「鈴乃様の前世があまりにも辛い結果で終わってしまったことを、天から見ていました。そこで、もう一度幸せな生活を送るチャンスを与えたいと思い、ご提案をさせてください」
透き通るような声が、静かに響く。
「て、提案……?」
状況が理解できず、間の抜けた声が口からこぼれた。
死んだはずの私に、提案?
「はい。簡単に言うと転生です。そこは剣と魔法の世界でございます」
転生、
剣と魔法……
頭の中に、ゲームや小説で見た世界が浮かぶ。ドラゴン、冒険者、魔法使い。
現実とはかけ離れたはずの世界が、今は不思議と遠く感じなかった。
むしろ――
今までの人生より、めちゃくちゃ楽しそう!
「人生をやり直せるならやり直したいです。だけど、記憶は消えるんですか? また、年齢はどうなるのですか?」
期待と不安が入り混じったまま、私は二つの疑問を投げかける。
「はい、記憶は転生者特別固有能力《記憶保存》によって、前世の記憶を保ったまま転生できます。転生時の年齢は、前世で亡くなった時と同じになります」
記憶が残る。
つまり、あの辛かった日々も忘れないということだ。
だけど――それでもいいと思った。
あの経験があるからこそ、次はきっと違う生き方ができる。
同じ後悔は、もう繰り返したくない。
断る理由なんてなかった。
「……お願いします。転生したいです」
自分でも驚くほど、迷いのない声だった。
「それでは、転生場所と固有能力を一つ選んでください」
その瞬間、頭の中に大量の情報が流れ込んできた。
見たこともない文字や言葉が、次々と浮かんでは消えていく。
《崩壊》、《状態異常無効》、《創作》、《超再生》、ーー
どれも強そうで、どれも魅力的だった。
だけど私が選んだのは、
《不老》
理由は単純だった。
もう時間に追われる人生は嫌だったから。
老いも、寿命も、終わりも気にせず、のんびり生きてみたかった。
そしてもう一つの願い。
「できれば……人のいない、静かな森に転生したいです。前世でできなかった、スローライフを送ってみたくて」
都会の雑踏も、戦闘もない場所。
ただ風と木々の音だけがある世界を、私は夢見た。
「《不老》は永久発動の能力ですが、選んだ転生者は???一人もいません」
女神様は、少しだけ意味深な微笑みを浮かべながらそう言った。
今、一部聞き取れなかった……
誰も選ばなかった?
どうして――と聞こうとした瞬間、足元から光があふれ出す。
まぶしさに目を細めながら、胸の奥が小さくざわついた。
本当にこれで良かったのかな。
そんな不安がよぎったけれど、それ以上に強かったのは――
次こそ、幸せに生きたいという願いだった。
視界が白に染まる。
そして私は、新しい世界へと落ちていった。
読んでいただき誠にありがとうございました!
次回はいよいよ異世界での生活が始まります。
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次回も読んでいただけたら嬉しいです。




