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あの星ノ下デ  作者: しらたま
第一章 新たな人生

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第4話 魔法の目覚め

ロイが生まれ4年目の春過ぎ

その日はものすごい豪雨だった。

雨をも切り裂くスピードで駆け抜ける音すらも置き去りにするほどに

「この先がカレナークだな」

隻眼の男が物凄い速度で走っていた。

カレナーク主に人族の国

「待っていろ人間。我々マナンブルグが貴様らの王の首を必ず。」

隻眼の男はさらにスピードを上げた。


一方そのころ

「なるほど、身体強化ってこういう事か」

ロイはマナを体により早く巡らせるイメージを行う事で身体強化を行っていた

「かなりマナの使い方に慣れてきた、そろそろ外に出て使ってみたいな、かあさん!外に出ていいか!」

ロイがタリアに問いかける

「いいけどあまり遠くに行かないようにね」

「わかった!」

ロイは外へ走る

(身体強化)

足に力を籠めるまずは踵。地面をけり上げるための力をそしてすぐさま蹴り上げたあとすぐ推進量を前に向けるためにふくらはぎに血管を伝い筋肉へ。その後体を支える腿に。

ドゴォン!!!

地響きとともに地面がえぐられる。

わずか2秒

ロイの姿はえぐられた地面から200メートル先に立っていた

「す、すげぇ!!なんだこの力!去年は100メートルもいかなかったのに」

ロイは実感したマナの総量、筋肉量が飛躍的に伸びていることを

「しかしすごい雨だなもう梅雨みたいな季節なのかな。。。ん?」

ロイは見えた。

マナ総量を鍛えるため常に全身に身体強化を行っているから。

それは筋肉のみならず視力にも聴力にも。

見えた。

ローブを身に着けた白髪で隻眼の男が雨を切り裂き音すら置き去りにする速度で駆け抜ける様を。

体はわかっているのに頭が働かない

目を離せ、早く!

「あ。。」

目が合った。

それだけなのに自分の死をも連想するほど恐ろしい声はつぶされ皮を剥がれるような寒気悪寒

目を閉じれない体の硬直。

何分このままだったかわからない。

気づけばあの男はいなかった。

「な、なんだ、いまの、、」

数秒の沈黙雨音荒い呼吸

言葉が詰まる声にならない声震える手定まらない視界

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁあああ」

一目散に走った

全力の身体強化を無意識に行い自身の家に

その後の事はあまり覚えていない。

タリアに事の顛末を聞かれ震える声で拙い説明を行った

ライにも同じように。

とにかく恐怖心で体がすくむ。

あの男の顔が脳裏から離れない。あの目が。人ではないと本能で察せるほどの目

ロイはゆっくり目を閉じた。呼吸を整えゆっくり眠りにつく


「タリア、まずいことになってるな。おそらくマナンブルグがカレナークに戦争を吹っ掛ける気だ。」

ライはタリアとテーブルに座っていた。

「人里離れて生活していたから大丈夫だと思っていたけど。まさか見られるなんてロイにもっと説明しておくべきだったわ。」

タリアは涙を浮かべる

「大丈夫だロイもタリアも悪くないさ。いつかはこうなると思っていた二人は責任をもって守り抜く。」

雨の音のみが響く

しばらく雨の降る日が続いていた。

不敵な笑みを浮かべる老人

「旨く事が運んでいるようだな。マナンブルグとカレナークが衝突すれば我々が支配する時代も近いだろう。」

老人は酒を飲む


「ん。」

ロイは目を開ける

朝だった。その日はまだ雨が降っていた

「うっ。。体が熱いなんだ熱でもあるのか。」

ロイの体は熱を帯びていた、体の表面というより中に流れるマナと血液がと言ったほうが正確だろう。

「なんだろうこれ、だるいな」

フラフラとおぼつかない足取りでリビングに足を運ぶ

「かあさん。体が熱い」

ロイの言葉にタリアは焦った

「こんな時に。。。。」

タリアはロイのもとに駆け寄り

頭に手をのせる

目を閉じロイのマナの流れを感じる

「マナがキャパオーバーしてる。ロイ、あなたずっとマナで身体強化してたの??」

タリアはロイの目を見た

ロイは頷く

「いい。聞いて、人族は身体の成長具合によってマナのキャパシティーが決まってるの多少の個人差はあれどその限界を超えると体に抑え込んでおけるマナが溢れてマナ暴走してしまうの。だからマナを常に使用するのは、今のロイにはまだ危険なことなの。取り合えず今は身体強化を解いてゆっくり休みなさい」

タリアはロイの頭を撫でる

「わかった。」

ロイは頷く

部屋に戻ったロイは身体強化を解いた

脳以外の。

マナの中心核になるのは脳だと本に書いてあった。つまり脳のキャパが限界になっているなら脳を強化しキャパを広げれば暴走自体はしないとロイは考えた。

そうしなければマナ総量が幼少期に底上げすることじたい矛盾しているのではないかと考えたから。

これはつまり脳を強化しキャパを補うことで永続的にマナを使用し総量を上げ続けることができるとロイは仮説を立てていた。

ただ、一つ欠点があるとすれば脳を強化し続ける事が非常に難しいこと。マナのコントロールが非常に難しく現在のキャパのギリギリを保つことは正確なコントロールが必要になる。

次第に体の熱は引いていき全快ではなくとも平熱ちょい上くらいにまでは戻ってきた。


雨が降っていた。

「外が騒がしいな。」

地響きが響いていた。珍しく雨の音よりも大きな音が

「ロイ!起きろロイ!」

ライが慌てた様子で部屋に来た

「説明は後だ荷物を持て最小限のだ!」

とうさんがこんなに取り乱しているのは初めてだった。

「ライ、ロイ!早く!もうすぐそこまで来ているわ!」

かあさんもだ。なにが起きているんだと理解するのはすぐだった。

「とうさん。かあさん。なにこれ」

僕はこの世界にきて4年しかたってない。

でも、4年もちゃんと家族として話したのは二人が初めてだった。本当に家族だと思っていた。前世の記憶があっても関係ない僕の居場所はここにあると教えてくれた。

雨が降っていた。いつもと違う雨。赤く鼻を突き刺すきついにおい

何があったかなんて僕にもわからない。ほんの数分だったんだ

かあさんととうさんと走って外に出て数分の事だ


第5話 分岐点

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