第13話 サレンディア編入
ロイ・クロフォード9歳、青髪で少し髪を伸ばしている左目には傷があり失明右目の視界良好。
制服に身を包み教室の外で待機中。
「さぁ、入りなさい。ロイ・クロフォード」
「はい。」
扉が開き教室の中に足を進める。
「自己紹介をしなさい。」「ロイ・クロフォードです。よろしくお願いします。」
一礼をし案内された席に向かう。
ロイ・サラディーナは家系を隠すためロイ・クロフォードと偽名を名乗ることにした。
なお、理事長は了承済みである。
「さぁ今日は簡単な魔法の授業から進めていくぞ。」
教師の一言から授業は進んでいくが基礎的なことばかりだった。
「思ったより基礎的なことしか学んでないんだな。」
そんなことを呟きロイはふと外を見た。
目に映ったのは剣を振る青髪でポニーテールの少女だった、とても美しい剣筋迷いのないひと振りに声が出なかった。
見とれている間に何分たっただろうか。
授業が終わっていた「あの子は。」
ロイは首を傾げていた、なぜか見覚えがある気がした。
何だかんだあり編入初日を終えロイはサレンディア大図書館に足を向けた
「うわ、ひっろ!!!」
ロイの目の前に広がる景色、広大な図書館。
「これは、すごい!」
満面の笑みを浮かべ本を漁りまくるロイは一つの本【魔導書サリオン】に目を奪われた。
「なんだこの本は。本自体から、マナが流れているのを感じる。」
ロイは魔導書を手に取りページをめくる
魔導書サリオン
極大魔法についての説明が記載されていた。
数秒ではあるがを止めるもの。転移するもの。他者からマナを強制的に奪うもの。
身体強化を極限まで引き上げられるもの。など様々な極大魔法が存在する
極大魔法はえる魔法の有無が人によっては全く使えないものも存在する。
とそんなことが書かれていたが部分的にシミになっていて読めない部分もあった
「くそ。これ修復できないかな。次の休みに本屋で見てもらおう。」
ロイは魔導書を手にとり部屋に持ち帰った。
部屋に戻り着替えを済ませた
「そういえばチェルシーはどこに居るんだろうな。僕は魔法の学科を受けているけどチェルシーは一般教養かな明日見に行ってみようかな」
ロイはそんなことを呟き目を閉じ眠りにつく。
「ん、なんだここ。」
ロイは真っ白な空間で目を覚ました。
「すけ,,,,て。」
なにか聞こえた気がした。
「誰かいるのか!」
ロイは大声で叫ぶ
「たすけて。ロイ」
聞きなれない声
「誰だ!どこに居るんだ。」
ロイは辺りを見回し叫ぶ。
「マナがないの声を届けるだけで精一杯なの。4年後に必ず声をかけるからそれまで忘れないで。私の事を」
聞きなれない少女の声に違和感を覚え目を開ける。
「な、なんだ。夢か。」
ロイの目には涙が浮かんでいた。
「誰だったんだ。一体」
涙を拭き、また一日を始める。
今日は一般教養の教室に足を運びチェルシーを探しに来た。
辺りを見渡したが姿はなく「トイレでも行ってんのかな。まぁいいか」
そんなことをぼやき自身の教室に戻る。
そこから毎日毎日同じような日々を繰り返していた。
朝起き授業を受け大図書館で時間を潰すそんな日々を繰り返していた。
チェルシーを見つけることなく学園生活を過ごして、2か月ほどが経過した。
いまだあの夢の正体もわからないまま時は過ぎていた。
そして魔導書も修復出来ないまま手元に残っていた。
なんとか解読しようと試みたがどうしても無理だった、ロイは思考を変え魔導書の作者を探すことにした。作者の名はコルティーナ・エイフィアと記載されていた。
ロイはコルティーナ・エイフィアについて様々な文献を漁った。
どうやら魔族らしい。「今度長期休みでゾロアに話を聞きに行こう。」
そう決め一日を過ごした。
「ねぇ!今日のチェルシ―もすごかった!」
ひとりの女子生徒がチェルシーに抱き着き話していた
「そんな事ないよ!まだまだもっと強くなりたい!」
チェルシーはそんなことを言い手にできたタコを見つめていた。
あの時見たロイの顔は忘れられない。白髪の男の人と剣を交え泣いていた。
きっとロイは過去とちゃんと向き合ってきた、私はロイに守られた命今度は私が支えになるいつかロイが困ったとき助けが欲しいって叫んだ時助けられるように強くなるんだ。
決意を固めるチェルシー
「そいえば編入生がいるって魔法科のほうに」
女子生徒はチェルシーに話かける
「へぇ~魔法科なんだ。」
チェルシーは歩きふと扉の向こうに視線を向ける。
そこは大図書館青髪で片目に傷を負っている少年が本を読んでいた。
「ロ...イ....」
チェルシーは立ち止まり少年を見つめていた。
「チェルシー!遅れるよ早く!」
チェルシーは一瞬で現実に引き戻された
「う、うん!」
再度見るとそこにロイの姿はなかった。
「み、見間違えだよね。あはは。。」
チェルシーは少し残念な顔をし走って行った
一方図書館では
「あった!この本読みたかったんだよな!」
ロイは席を立って本を探していただけだった。
「コルティーナ・エイフィア。一体何者なんだ」
ロイはどうも忘れられないこの名前。
どこかで聞いたような気がすると考えながら歩いていたロイ
ドン!
「いった!」
ぶつかった。ロイは倒れこみゆっくり目を開けると体格のいい男が立っていた。
「おい。貴様どこを見ている、誰か知らんがぶつかったぞ」
体格のいい男はロイを見下し嘲笑う
「あぁ、すいません!ちょっと考え事してて。」
ロイは立ち上がりそそくさとその場を立ち去ろうとしていた。
「待て。」
大男がにやりと笑い拳を振りかぶる。
ロイは振り向くと目の前に拳が近づいてきていた。
大男の拳は空を切りあたりに衝撃波が走った。
「なに!?」
大男が周りを見るロイの姿は無かった。
「何するんですか危ないな、」
ロイの一言。
大男は肩をたたかれ振り向くとロイがいた。
「くそが!舐めるな一年が!」
腕を振る大男
そのすべてを避けるロイ。
「ぶつかっただけじゃないですか、そこまで怒らなくても。」
ロイの表情、動き、声。
大男にとってすべてが癪に障った。
「貴様。次会ったら必ず潰す!」
大男は走ってその場を去った。
「なんだったんだ今の。何かしたかな僕。」
ロイは頬をかき首をかしげる。
そのまま自室に戻り、魔法の研究を続けるロイだった。
第14 極大魔法




