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あの星ノ下デ  作者: しらたま
第一章 新たな人生

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第1話 星の下で

カッコー....カッコー...ピヨピヨピヨピヨ.....

視界が揺らぐほどの炎天下のなか音響式信号機が鳴り響くなかボロボロのカバンを持ち一人横断歩道を渡る。

フラフラとおぼつかない足取りで家へと帰る一人の学生大山優17歳

「これで、一旦解放される。」クマが目立つうつろな青年の顔には不気味な笑みが浮かんでいた。


三カ月前

「なぁ今月分まだだよな?」校舎裏で3人の男子生徒が気弱そうな男子生徒を取り囲みカツアゲを行っていた「も、もうお金なんてなくて許してくだっ」(ドン!!)「なんだお前?親の財布からでも持って来いよ!お前が俺らと仲良くできるのは金持ってるからだって気づかねぇの??」気弱な男子がもたれかかっている壁を殴り高圧的に話を進める。

「ん?何やってるんだあいつら」優は教師に頼まれゴミを捨てに校舎裏に立ち寄ろうとしていた。

カツアゲの現場を目撃した優は内心めんどくさいことに足突っ込むのは嫌なんだけどなと思っていたが祖父の教えで剣道をやっていた時「武力は人を傷つけるためではなく、守ためにある」と言っていた記憶が脳裏をよぎる。

「おい、何してるんだよ。嫌がってるじゃんか」優はゴミ袋を片手に歩み寄る

「なんだお前正義の味方面してんのか?」一人の男子生徒が優に話しかけた。そして畳みかけるようにもう一人が「正義の味方なら金貸してくれねえか?今困ってるんだよ俺たち。今月分こいつが持ってきてくれなかったからさぁ」舌をだし煽り顔で優を睨む

「何を言ってるんだ?金なんて貸さないし、そんなに困ってるならバイトでもすればいいじゃないか。」優は正論をぶつける

「気に入らねぇいかにも真面目って感じの奴。俺らの会話に割り込んできておいて説教かますとか何様のつもりだてめぇ」

誰から見てもわかるほどに3人の男子生徒の標的が優に移った瞬間だった。

そこからは、いかにも分かりやすいいじめ。はじめは暴力だったのだがそれが無駄に終わると身体ではなく精神的に徹底的に追い込んでいく仕打ちに変わっていった校内でありもしない噂が広まり身の回りの道具を捨てられ汚され燃やされ。ほかの生徒は見て見ぬふり他人事、おこがましいかもしれないが助けた生徒すら我関せずの精神を貫いていた。でも正直それが正しいのかもしれない実際偽善で助けたのは自分自身でそんな人間が損をする世の中であることに変わりはない。

そんな生活が三ヵ月続き終業式が終わり今に至る

「はぁ。さすがに疲れたな。母さんや父さんには迷惑かけたくないし後一年たえれ....ば.....」

ベットに飛び込み気づけば眠りについていた。

頭では大丈夫だと思っていても心や身体には気づかないところで疲労がたまっている

「なんだ.....暖かい....なんか懐かしい気もするなんだろうこの感じ...水?でも苦しくない。少し安心する。まるで母親の中に.....」

気づけば夜中に目が覚めた「なんだったんだ。今の夢..?さすがに疲れてたのかな。」

不鮮明なのに妙に現実かのような夢に困惑する優

「少し頭を冷やしに散歩でもしようかな。」優はジャージに着替え公園に向かった。

家から少し離れた公園についたとき聞き覚えのある声が聞こえてきた「お前次の登校日大山の制服カッターでびりびりに破いてこいよ」例の3人と気弱な男子生徒が話していた。「わかりました。。。」

気弱な男子は少し震えながらも安堵の表情を浮かべていた

「嫌なこと聞いたな。」優は家へと走りだす。

どこで間違えたのだろうか一つの行動でこうも簡単に人は変わってしまうのだろうか、決して間違ったことはしていないと思い、いつかは分かり合えると思って頑張って耐えてきたでもあんな光景目にして。はいそうですかとはなかなかいかない。。ひたすら走った雨が降ってきた顔に流れる水滴は雨なのだろうかもうどうでもいいかそんなこと。今はただ早く家に帰りたい。

次第に雨が収まる「通り雨か。」優はつぶやく雨のにおい夜に響く足音。走るのをやめ少しゆっくり道路を渡る。川の音「もうすぐ、家か。風呂入りたいな」

濡れた髪、服、靴が光る。

何か聞こえる。

「うるさいな」

顔を上げると

「え、」

気づくと宙を舞っていた

「なんだこれ」

赤い液体、体についていた雨水が飛び散る

ドン!!!!

鈍い音に急激に熱くなる体。

「あ.....ふ....」

声にならない声

視界が少しづつ赤く染まる

「兄ちゃん!!おい!!おい!!!!!」

片耳から聞こえてくる耳鳴りに交じる男の声

視界が少しづつ赤く染まるでも一際きれいに光る星が見える

もう声も出ない、息もしづらい

肺が詰まっている感覚がわかる。痛いしつらい。しにたくない

ああぁなんでこんなに綺麗だと思えるんだこんな状況でこんな星の下で死ぬのか俺なんだったんだこの人生。まだ母さんにも父さんにも何もできてない。。。。。

「くそ!?兄ちゃん死ぬんじゃねぇ。急に飛び出してきて信号見えてなかったのかよ。救急車早く来てくれ。おらぁ人殺しにはなりたくないんだ」

心臓マッサージされてるのがわかるでももう間に合わない分かるんだよおっさん、自分の死期くらい申し訳ないとは思ってるんだ。って言っても声出ないし聞こえないかああぁやばい何も見えなくなってきた。何も聞こえないし何も見えないもうほんとにおわりか。。


ん?なんだこの音。。。。

水の中、、、、

あの世ってやつなのか。。。。。

苦しくなってきたぞ。。。

死んでないのかまだ何とか間に合ったのか。。。。。

第2話 誕生

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